ぺっ!しなさい
半壊した大浴場の修復に終わりが見えた頃、雑用係のウィル少年が修復現場に現れた。
「あ~~リオさん~」
「お、ちょうどいいや。姫さんか隊長さんに、あの公然猥褻のどヘンタイが邪魔だから引き取ってもらえるって聞いてくれない?」
「あの様子じゃ、ムリだと思います~」
─────ちぇ、やっぱ無理か。
公然猥褻罪認定の男は、嬉々としてシロ君の周りをウロウロするものだから、シロ君の機嫌がダダ下がりである。
あまりに周りをウロチョロするので、今や奴を踏みつぶそうと、前足でパンパンする始末。 それを男は「素晴らしい」「何という神々しさなんでしょう」と言いながら避けまくる。高速モグラたたきゲームの様相だ。
「そもそもアレは、元居た場所に戻らなくていいものかな?」
「基本自由人ですので‥‥‥‥。聞いた話によると、退会手続きとか入出国の事務的な事は、実家である帝国の公爵家の人達がやってるらしいです‥‥‥‥」
‥‥‥‥めっちゃ迷惑な奴じゃん。自分でやれよ。
「なんでそんな、はた迷惑な奴が重要視されるのか‥‥‥‥」
「国同士の関係とか、政治的な話ですかね~‥‥‥‥前回姫様の側にいた時、僕はまだ入隊していなかったので当時の事はよく知らないのですが、司祭様の髪が一気に白くなったという噂です‥‥‥‥」
‥‥‥‥うわぁ。やっぱ迷惑野郎じゃん。
「ところでリオさん。修復の方はいかがですか?ドルク様がお呼びなのですが~」
「おっさんが?─────なんだろう。まあ、いいやここも完成したし行こうか」
「え?出来たんですか?」
「破損が激しいから『露天風呂』を追加しました~」
『大浴場』の外壁はかなり抉られていたが、それを活用して外風呂を作りました。給湯器の役割をしていた魔道具はギリ無事だった。これが破壊されていたら発狂していたかもしれない。
壁だけでよかった~。外の景色を眺めながらのお風呂。いいね~~急ごしらえだけど、なかなかいい出来ではないのでしょうか。
「でも外から丸見えですよ?」
「そこは大丈夫だよ~外部から見えないように、障壁張るから! 無理に乗りこんできたり覗こうとすると‥‥‥‥イっちゃうやつだけどね‥‥‥‥」
『覗き』『侵入』、ダメ、絶対!─────と言う訳でゴリゴリの障壁を作りました。
ちょっと過剰かな?一応、注意喚起の立札でも立てますか‥‥‥‥。
「これでよしっと。おっさんの所に行きますか─────あ、シロ君!そんなばっちいの食べちゃだめよッ!お腹壊しちゃうからッ!─────ぺっしなさいぺっ!」
─────え、これマズいの?じゃ要らないっとばかりに、白陽は例のごとく白目をむいた迷惑男をポイっとした。




