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スキルを作って習得!僕の趣味になりました  作者: すみ 小桜


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第64話 美少年と馬一頭

 「すごーい。馬が一頭しかいない!」


 「感動する場所はそこかよ!」


 「え~、だって。前はすごかったから……」


 しばらくまったりと見回りだけで過ごしていたんだけど、僕宛てに浄化の依頼が来た。どうやらあの羊を真っ白にした事が広まっているみたい?

 僕一人で来ようと思ったんだけど、思わぬ事態の時に僕一人じゃ無理だとなぜかユイジュさんも着いて来たんだ。


 大きな草原にポツンと小屋? 柵さえない場所に灰色の馬が一頭、おいしく草を食べている。


 「確かに灰色だな」


 「うん。一頭ならすぐに終わるね!」


 「うーん。そうだけど、ここ人住んでいるのか?」


 古びた小屋。ずっと使っていなさそうだけど。


 『とっとと終わらせて、少し森を探検していかないか?』


 「え? 探検?」


 チェトがそういうけど、モンスターが出たら嫌だな。でもいないのかな? だから柵もないとか?


 ギィ。

 何とも耳障りな音を発しながら小屋のドアが開いた。


 「あ、もしかしてロマドさんですか?」


 と、一人の美少年が小屋から出てきたんだけど!

 都会にならいると思っていたけど、こんなところにいるなんて!


 「はぁ?」


 ユイジュさんが、眉を寄せて見ている。

 残念だったね。美少女じゃなくて。


 「俺は、ソウと言います。おや、お二人でお越し頂いたのですか? お金がないので、もう一人分はお支払いできませんが」


 「いやそれは大丈夫です。まだ半人前なので勝手についてきただけなので」


 「そうですか。お疲れでしょう。まずは、お休みになりませんか?」


 と、爽やかな笑顔で言われた。

 うん。ユイジュさんもあれ、真似た方がいいと思う。


 すとんと僕がマトルドから降りる。


 「あいつに気を許すなよ」


 ボソッとユイジュさんが隣に来て、耳打ちをしてきた。

 どういう意味だろう?

 わかったのは、ユイジュさんはあの人を気に入らないらしいって事だけだ。

 そう言うわけで、チェトも探検したいって言っているし、ちゃっちゃと済ませて帰ろう。


 「あの、一頭だけなんですよね? だったらすぐ終わりますから」


 「え!?」


 ソウさんが凄く驚いている。一頭だけじゃなかった?


 「一頭なんだろう? 先に終わらせる」


 そうユイジュさんが言うも少し慌てた様子。なんで?


 「あの実は、父がちょっと所用で出掛けちゃいまして、父が来てからでもいいでしょうか? 待たせて申し訳ありませんが、勝手にするとその……」


 「はぁ? 今日行くと伝えてあったのに出掛けたのかよ? で、どちらへ? 誰ともすれ違わなかったのですが?」


 「む、向こう側です」


 僕達が来た方向と反対側をソウさんは指差した。山を登ったらしい。


 「探しに行く?」


 僕は早くチェトと遊びたい。


 「いや、迷子になっても困るだろう」


 ユイジュさんがそう返すと、ソウさんもうんうんと頷いている。

 それじゃ遊んで待ってるかな。


 「マトルドをそこの草原で遊ばせてもいいですか?」


 「あ、はい。では、中に……え?」


 いいと言うので、僕はマトルドにまたがった。本当は僕も一緒に走りたいけど、ソウさんがいるからね。


 「チェト、サザナミ、走るよ!」


 『そうだな! 駆けっこは好きだ!』


 『いいわね。走りましょう』


 「自由奔放だな……」


 僕達が草原に向かって張りし出すと、ユイジュさんの呟きが聞こえた。

 だって、マトルドを一人残して建物の中に入ったらかわいそうじゃないか。いつも一人だし。


 「では、そちらのえーと……」


 「ユイジュです。俺は、馬を見せてもらっても?」


 「え? あ、はい」


 ユイジュさんを見ていたら挨拶をして馬に近づいて行くけど、近づいた途端走って逃げられている。


 「あの! 大人しくなりませんか?」


 ユイジュさんがソウさんに叫ぶ。


 「父の馬なので俺では無理です」


 「……父の馬ね」


 ユイジュさんは、腕組をして走っている馬を眺めていた。


 「ロマド。馬をなだめろ」


 って、なんで僕に言うんだ。


 「なんで僕」


 「止まれと言うだけでいい」


 「もう。お馬さん、ユイジュさんがお話したいって言うから止まってあげて」


 そう言ったら止まってくれた。


 「え!?」


 ソウさんが凄く驚いている。どうやらソウさんの言う事も聞かない馬だったみたいだね。


 ユイジュさんが、馬に近づいた。

 僕もマトルドから降りて近づく。


 「これは……」


 「うん? 何?」


 「塗料だ」


 「塗料って?」


 「だから錬金術じゃないって事だ」


 「誰かのいたずらって事?」


 シュ!


 何か後ろで音がした。


 「いたずらならいいが……うん? おわぁ」


 振り向いたユイジュさんが声を上げる。

 なんかわからないけど、網が降って来た!

 バサッと僕達に覆いかぶさる。なんだこれ、力が抜ける……。


 『『ロマド!』』


 「くそ、はめやがったな……」


 僕達は、その場に崩れ落ちる様に倒れ込んだ。

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