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スキルを作って習得!僕の趣味になりました  作者: すみ 小桜


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第46話 シュルルル~

 「いやぁ。凄い、お嬢さんだね」


 「ありがとう。お嬢さん」


 「……お嬢さんって」


 僕に、捕まっていた人達がお礼を言ってくれるのだけど、みんな『お嬢さん』って言うんだ。知らなかった。荷物を運ぶ人は、男の子でもお嬢さんって呼ぶんだ。


 『ロマドと言ったかしら私のブラッシングの続きは?』


 「あ、そうだったね。途中だった」


 僕はチェトを抱いたまま、セイジュウに向かう。


 「待て、そいつに近づくな」


 「なんで?」


 「何でって……おい、何ブラッシングしてるんだ?」


 「あ、途中だったから。見てこんなにつやつやになったよ」


 「……もういい。襲われないのなら仲良くしておけ」


 「えへへ。ユイジュさんがいいってさ」


 『あの者は、ロマドの仲間なのかしら』


 「うん。僕が立派な冒険者になる為に手伝ってくれているんだ。チェトもね」


 『なるほど。……もしよければ、こうやってブラッシングしてくれるのなら私もお手伝いしてもいいわよ』


 「え? 本当? じゃ、ユイジュさんに聞いてみる。ちょっと煩いんだよね。チェトの時も中々うんって言ってくれなくて」


 『ほう。彼は、ロマドより上の立場なのね』


 「ねえ、ユイジュさん、セイジュウも一緒にチェトみたいに見回りとかしたいって。いい?」


 「だ、ダメに決まってるだろう!!」


 「え~なんで? チェトと同じセイジュウなんだよね?」


 「お前なぁ。そんなデカい奴連れて歩けるか!」


 「え? 大きさなの!?」


 「それに、聖獣だとわかったら色々問題なんだ! というか、今回冒険者商会に引き取られるだろう」


 「え~~。お友達になったのになぁ」


 『なるほど。聖獣と呼ぶと聖獣だとわかると言う事ね。名前をちょうだい』


 『待て! ロマドを誘導するな!』


 『いいじゃない』


 『よくないわ! 名を与えるなよロマド』


 うん? よくわからないけど喧嘩を始めたみたいだね。


 「ダメだよ。喧嘩しちゃ。仲良くね。チェト、サザナミ」


 『さざ波?』


 「うん。セイジュウの名前だよ。セイジュウって呼ばなければセイジュウってバレないよね? 風に逆立つ毛がさざ波の様で美しいかったからさ」


 『だから名を与えるなと言っただろう! それにどうみても聖獣だ!』


 「え~~」


 そうかな。格好いいヒョウみたいだけど。


 『あら、あなた。思ったより魔力ないのね』


 『だからダメだと言ったのだ。多かったらおぬしの様になってるわ!』


 シュルルルって、突然サザナミが小さくなった!


 『契約して小さくなったの初めてだわ!』


 『これでまた力を取り戻すのが、遠のいたわ!』


 「一体何があった?」


 「わかんないけど、小さくなっちゃった……」


 ユイジュさんに聞かれたけど、理由がわからない。

 体格は普通の中型犬の成人ぐらいになった。しかも尻尾が一本に。三本あって格好良かったのになぁ。

 それにしてもなんで小さくなったんだろう? あ、でもこれで……。


 「連れて歩けるね! いいよね! 小さくなったんだし!」


 「大きさも自由自在なのかよ!! はぁ……。なんで聖獣は、ロマドがいいんだ? ダダルさんに聞いてOKもらえば、俺は文句は言わないけど。お前、そいつも飼うのか?」


 「うん? あ、そっか。うちに連れて帰った方がいいよね」


 「……余計な事言ったか。お前、食事代バカにならないぞ。大丈夫か?」


 「十万貰ったし大丈夫だよ」


 「あっという間に消えるだろ、それ」


 じゃお仕事頑張らないとね!


 「おい、ユイジュ、これどうなっている!?」


 声が掛かって振り向けば、ツオレンさん達だ。


 「え? ツオレンさん。なんで」


 「なんでって。お前達が、行き止まりなはずなのに戻ってこないから心配して見にきたんだろうが。感知で探したら頂上に人がいっぱいるってなって、今応援も来るが……まさかの展開だな」


 ツオレンさんが、縄でグルグル巻きになった賊を見て言った。


 「あのね、チェトとサザナミが大活躍だったんだよ!」


 「うん? 犬コロが増えてる? って、犬かそいつ……。その子、犬使いなのか? そんなスキルあるか知らないけど」


 「まあ、そんなところだな……」


 「それにしてもつやつやした毛並みだな」


 「あ、今、ブラッシングしたばかりだから」


 『われもしてほしいぞ』


 「うん。いいよう」


 ブラシをかけてあげると、チェトは気持ちよさそうだ。短い毛もいいけど、長い毛はふわふわでいいよね。二種類も堪能できるなんて、なんて贅沢なんだろう。


 「ふんふんふふん♪」


 『ねえ、さっきの石、もう一つ食べたいわ』


 「うん? 石?」


 『まさか、あの鉱石をあげたのか? われにはくれないのにか!』


 そうだった。食べちゃったんだ。お腹大丈夫かな?


 「あー!! だから小さくなっちゃったんだよ! お腹どころじゃなかった!」


 『違うわよ。小さくなったのは魔力が足りなくて……』


 『早く、われにも……』


 「だめ! 見たでしょう? こんなになっちゃったんだよ! 体に悪いんだよ。あのお肉を買って帰るから、家に帰ったら焼いて食べよう」


 「ロマド。言っただろう。ここからは持って帰れないって」


 「ダメですか?」


 「なぜに俺に聞く……」


 ユイジュさんがダメというからツオレンさんに聞いたけど、うんって言ってもらえなかった。

 やっぱり帰りにモンスター狩らないとダメなのかな? 怖いからモンスター狩りなんてしたくないんだけどなぁ。


 「なるほど。こういう子か……」


 ぼそりとツオレンさんが呟いた。こういう子とはどういう子なんだろう?

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