17 白銀の魔女の石像
イズミ達が漁港で一日体を休めている宿で食事を取って居た行商人達の噂話が耳に入って来た。
「エミスの森で魔族と戦って白銀の魔女が死んだらしい」
「えっ!」
イズミは自分の耳を疑った!
「シェルシア今の話聞いた?」
「確かにシフォンが死んだって聞こえたけど・・」
イズミは我慢し切れずその行商人の元に駆け寄った。
「ねえ、今白銀の魔女が死んだって言った?」
「ん?何だい?お姉ちゃん。」
「お願い今の話し詳しく聞かせて?」
「あっああ、今の白銀の魔女の話しか。
いや俺らも詳しくは分から無いんだが何でもエミスの森で冒険者を守る為
白銀の魔女が死んだって聞いてな。」
「それ本当の話し?」
「ま~俺らも確認した訳じゃ無いからあくまで噂だ。
詳しく知りたければキリガリまで行くと良いさ。
あそこならその時助け出された冒険者も多数いるみたいだし詳しい事判るんじゃ無いか?」
「有難う行ってみるわ。」
そして翌朝急ぎ首都キリガリまで行く事にしたイズミは
精霊のシルクを呼び出すとシフォンの石像が有ると言われたエミスの森の中を調べに行かせた。
イズミ達も馬車を利用して2日でキリガリまで行くとそのまま冒険者ギルドに駆け付け
シフォンの死の真相を聞き出そうと受付に行くと側に居た仮面を着けた3人の女性を紹介された。
受付の女性によるとどうやらその女性達はその場に居合わせていたとの事だった。
イズミが直ぐに彼女達に近寄り声を掛けると。
「すみません貴女達『白銀の翼』の人で間違いないですよね。
ちょっと聞きしたい事が有るんですが良いですか?」
「えっはい、何でしょうか?」
「実はシフォンさん、いや白銀の魔女の事で聞きたい事が有るんですが。」
「白銀の魔女様の事ですか?」
「はい、貴女方なら詳しく知ってると聞いたので。」
その彼女達から聞いたのは
シフォンさんが彼女達とレイラと言う名で共に依頼を受けて行動して居た事
そしてエミスの森で魔族に操られた人達を助け数人の魔族を一瞬で倒したが
その後に現れた魔族が一人の女性をシフォンさんに対峙させると
その女性により手出し出来ずにそのまま石像にされてしまった事。
その後魔族達は自分達に手出しする事無く帰って行った為
シフォンさんが冒険者達を救う為自分が犠牲になったのではないかとの話が有る事を話してくれた。
『あのシフォンさんが手も足も出なかった相手って一体どんな人?
いやおそらく人族ではない筈それなら一体何者?魔族?』
幾ら考えても答えが出る分けでも無く自分達もエミスの森へ行く事にして冒険者ギルドを後にした。
冒険者ギルドに残された仮面を着けた一人の少女が何か気付いたように声を上げた。
「あっ!あの人」
「ファウどうしたの?」
「マーシャ!今あの女の人と一緒に居た黒髪の男の人、
ほらこの白銀の魔女ガイドブックに乗ってる黒の魔術師のミナトよ!」
「「ウソ!」」
そしてそのガイドブックを覗き込む2人をそのままにイズミ達が出て行った出入り口を見つめ。
「サイン貰い損ねた・・・」
そう呟いたのはガイドブックを覗きこんで居た2人には秘密だった。
その晩シルクが戻ると確かにシフォンの石像が有る事が判明した。
その周りには多数の足跡が残り一部はクリア達魔族の物そして勇者の物も含まれて居る事も分かったが
シフォンの石像からは生命の息吹が全く感じられずまず復活は不可能だとの事を聞かされた。
「シフォンさん本当に死んじゃったんだ。
折角ミナトを連れて来たのに会う事すら叶わないなんて酷い。」
シルクの報告を聞きその場にしゃがみ込んでしまったイズミにシェルシアが
イズミに顔を近付け。
「イズミ気持ちは分かるけどまず明日早くその石像を私達で確認しに行きましょう。
ちょっと気になる事が有るの。」
「気になる事?」
「うん、ちょっとね。明日その石像まで行ったら話すわ。」
その晩宿で一泊して翌朝早く出発する予定で3人で一部屋を取り早く寝るつもりで居たが
寝る直前突然部屋のドアをノックする音に気付きイズミが開けるとそこには
赤毛に栗色の瞳の女性が立って居た。
「あの、何か御用でしょうか?私達は明日早いので早く寝たいのですが」
「ミナトさんいらっしゃいますね。」
イズミはその言葉に驚きミナトの前に立ち塞がり女性を警戒して左手で短剣を構え
その後ろにはシェルシアがカバーに入った。
「ミナトに何の用?一体貴女は何者?」
イズミが問いかけるもその女性は動じる事なく静かに返事を返して来た。
「私はエスティア 、帝国の勇者様に仕える者。
今日冒険者ギルドへ行かれたのを知りミナトさんに会いに参りました。」
「確かに言ったけど居たのはほんの短い間だったのに何故分かったの?」
「それは私の仕事ですもの。所でミナトさん宜しいですか?」
イズミはまだ警戒しながらもエスティアと言う女性をミナトの前まで連れて行くと
その女性がミナトに話しかけたがミナトからは何も返事が返って来なかった。
「ミナトさんは一体どうしたのですか?まるで私の事等
忘れてしまったかのように何も返事をしてくれないのですが」
エスティアがイズミに聞くとう頷き。
「その通り私のこの手と一緒に記憶を失っちゃったの。」
自分の失った右手を見せながらそう言うとエスティアが真剣な面持ちで
ミナトの顔を見ながらイズミに対し。
「ミナトさんの記憶は戻るのでしょうか?」
「それは分からないのよ、私の事も忘れてたしシフォンさんの事も・・・」
「そうですか、それで貴女はイズミさんで宜しいのですよね。
それから・・・そちらの方は?」
「シェルシア、私の友人です。」
この時エスティアはシェルシアの事を不審に思って居た。
イズミ達がこの町に来た事でイズミとミナトの存在が分かったけれど
あのシェルシアの事は一切何も出て来ない。
彼女は一体何者?
情報収集に自信の有ったエスティアがどんなに走り回ろうと彼女の情報が何も入無かった。
大抵この町に始めて来た人でもエスティアの情報網に引っ掛かれば
その者の名前職業など位は分かるのだが彼女シェルシアは違った。
イズミ達とキリガリまで来た事だけは分かったがその他の事は全く情報が入らなかった。
しかしイズミと行動を共にして居るなら敵対する事は無いだろうと思いつつも
白銀の魔女が死んだと言われて居る現在素性の分からない彼女をそのまま
エミスの森へ行かせる分けにも行かず翌日共にエミスの森へ行きたいと伝えると
暫くイズミが熟考した後了承した。
エスティアがミナトを見ると不安そうな表情でこちらを見て居る事に気付いた。
そのミナトにエスティアが又近づき座って居るミナトの顔に屈んで自分の顔の高さを揃えると。
「ミナトさん私の事もお忘れなのですね。白銀の魔女・・・
いいえ、シフォンがあのような事になってしまい今皆は怒り悲しみ不安
それらの気持ちを必死に抑え魔族達に対峙しようとして居ます。
そんな所へ今の貴方を皆の所へ連れて行ったらどうなるか私にも分かりません
でもこれも貴方の生存を知った私の役目だと思います。
必ず無事に皆の所へ送り届けますから安心してください。」
その言葉を聞いたミナトが初めてエスティアに向かって口を開いた。
「あの、エスティアさん?よくイズミもシフォンさんの事を俺に話しますが
シフォンさんと俺はどんな関係だったのですか?
同じパーティの仲間だとは聞いて居るのですが
何かそれ以外にも何か有る様な感じをイズミから受けたので。」
ミナトの言葉を聞きエスティア涙が零れ落ちるの抑えきれず
ミナトから見えない様に後ろを向き黙り込んでしまった。
翌日イズミ達が急いだ事も有りエミスの森へ半日ほどで到着する事が出来
その石像もシルクの案内で直ぐに見つける事が出来た。
イズミがシフォンの石像の前に行くと思わず泣き崩れてしまった。
「シフォンさんが泣いて居る。一体何が有ったの?」
ミナトもイズミの隣に立ち彼女の石像の顔を何故か懐かしむように片手で撫でるとその石像を見ながら。
「綺麗な人だね。これがイズミの言って居たシフォンさん?」
暫くその場で誰一人言葉を発する人は居なかった。
現在『世界で最高の身体を手に入れたら・・』
https://ncode.syosetu.com/n0371fz/
と又もやコラボ中~。
これらは、同日更新又は前後日更新の物と同時間の物とする予定ですので
興味の有る方は、覗いて見て下さいませ。
今後とも『男の娘って何?』
宜しくお願いします。




