11 異心の者
商団の目的地イラエミス共和国との国境の町に付いたイズミ達はこの日この町に泊まる為
宿を取り翌日盗賊の言って居た村の事を聞きまわる事にした。
宿の部屋は6人は十分に泊まれそうな程の大きさが有ったが宿自体が古く
部屋も全体的に古びて居てお世辞にも綺麗と言える物では無かったがイズミ達にとって
テント生活から比べれば雲泥の差、しかもこの宿にはお風呂が有る。
イズミ達がここを選んだ理由は安く泊まれてお風呂が有る宿がここしか無かったからだった。
「イズミお風呂行こう。」
カリナが嬉しそうにセティアとタルトと一緒にイズミをお風呂へ誘って来た。
やはりお風呂も古びて居て男と女で別れて居たが女性用の風呂は利用客が少ないのか
10人も入ればもう一杯になる位の大きさ。
しかしこの日泊まっている女性はイズミ達だけなので貸し切り状態で使えたのは嬉しい誤算だった。
そのせいかカリナのはしゃぎ様は凄かった。
「うわ~~。貸し切りだ~~。」
まるで子供の様に裸で走り回り浴槽に飛び込むカリナ。
それを見てセティアが呆れた様に
「カリナ幾ら他に人が居ないからってハシャギ過ぎ!怪我するわよ。」
「大丈夫よ。それより見て。凄く気持ち良いよ~」
湯船の端に手を掛け足をバタバタさせて泳ぐ振りをする子供の様なカリナの姿を見と
イズミやタルトも思わず笑顔が零れて来た。
「カリナ本当にうれしそうね。」
タルトのその言葉に頷きながらイズミもニコニコしながら
「ずっとテント生活でお風呂入れなかったから嬉しくてしょうがないのね。本当正直で楽しい子ね。」
そして身体を洗い終わりイズミ達も湯船に入りカリナに近づくと突然カリナが
後ろからイズミに飛びつきイズミの胸に両手を当てて。
「う~~ん。イズミ~どうすればこんなに大きくなるの?私も大きくなるかな?」
「ウッ!突然触らない!カリナだって大きくなるわよ。」
「でも、私イズミと1歳しか変わらないのよ。う~~ん羨ましい~。え~~いこうしてやる!」
「エッ?イッ!ダッダメ!放して!ウググ~~」
そう言うとイズミの胸を揉みだし
それに抵抗するイズミだったが中々カリナの手を離せず苦労して居ると
カリナが足を滑らせイズミの胸からようやく手を離した。
「ふうっ、カリナ今度は私の番よ。フフフ、そんなに小さいのが嫌なら私が大きくしてあげる」
顔を真っ赤にしながらイズミはカリナに復讐を始めた。
そのイズミの様子に驚き湯船の中を逃げ様とするが直ぐにイズミに捕まり
胸を揉まれ始めた。
「イッイズミゴメン!やり過ぎた!ごっごめ~~ん!」
「もう遅いのだよ、カリナ君貴女の運命は私の手の中有るのだよ。カリナ!大きくなりたいか~。
それなら私が手伝うぞ~。」
ふざけてカリナの小さ目の胸を揉みだしたがこれはこれで揉み心地が良い
思わず更にモミモミ。
「大きくなりたいけど、こっこれは、あっっ!ダッダメ!降参!許して。」
「ハイ!そこまで!カリナもイズミもハシャギ過ぎ。もう少し落ち着きなさい。」
顔を真っ赤にしたイズミとカリナにセティアが間に入り止めさせた。
「「ふわ~~・・・」」
2人して大きなため息をしてようやく落ち着き互いの顔を見つめ合うと
思わず大笑いしてしまった。
「イズミゴメン。私やり過ぎたもうやらない。」
「でも大きくなりたいんでしょ。」
「エッエッ!ゴッゴメン!」
「ウソ!もうやらないわよ。」
その様子を見てたセティアは呆れたような目で2人を見つめ
タルトは顔を赤らめて居た。
夜はベッドの上で4人で女子会を開きこの依頼中出来なかった4人での
楽しい時間を久し振りに過ごす事が出来た。
翌朝はイズミの男性用の服を洗ってしまった為久し振り4人共女性服で街中に出た。
又この姿の方が情報を集めやすいとの思いが有ったからだ。
しかし若い女性4人だと目立つ目立つ!
可愛らしいエルフの『タルト』少し大人の雰囲気を醸し出す『セティア』元気で活発な『カリナ』
そして私の4人で歩いて居るとそれぞれの好みに有った人の所へ男性陣が声を掛けて来る。
その中でもタルトが一番人気なのだが何故かその次に私の所へ男が寄って来る。
こいつ等目が悪いんじゃないだろうか?
私より可愛い女の子や落ち着いた大人の女性が居るのに何で私?
こいつらの好みが分からない。
私だったら絶対タルトなんだけどな~。
そんな男達の言葉を断りながらあの村の情報を集めるも
あの盗賊が言ってた様な話を何も聞けなかった。
「セティア幾ら聞いて回ってもあの村の変わった話何にも聞けないね。
この後もこのまま聞いて周って見る?」
イズミがそう聞くとセティアも困ったように頭を傾げながら
「そうね、このまま聞いて周っても新しい情報も聞けなそうだし明日
直接その村へ言ってみようか?あの人達も昼間は普通の生活をして居たと言ってたものね。」
「問題は夜ね。」
タルトのその言葉に全員が頷くと一度宿へ帰り翌日その村へ行く相談を始めた。
兎に角村へ行ったら問題は夜。
その夜をどうやって安全にそして詳しくその村を調べる事が出来るかが問題なのに
その問題の情報が何も手に入らない。
『この町からその村までは歩いて半日程度なのだが小さな村なので余り人の行き来は多くない為
村の名を知って居てもそこへ行く人は殆ど居ない』と最後に話を聞いた人に言われた。
私達はその村で何が有っても良い様に数日分の食料と投剣を各自数本づつを購入して
この町での情報収集と買い物を終えた。
その夜のお風呂でもカリナが大はしゃぎをしたが昨日の様に私の胸を揉む様な事はしなくなっていた。
ただどうしても私の胸が気になる様で湯船に入ると何度か軽く私の胸をタッチをして来たが
まあ軽く触る位なら別に減る物じゃないし自由にさせている。
流石に昨日の様に揉まれちゃ不味いけどこれからは無いでしょ。
翌朝食事を終えてからその村へ行くと人が見当たらない。
何処かに誰か居ないかと探してみると
畑仕事をして居る人を見つけ話を聞く事にした。
その人の話を聞くとこの村に残って居るのは
独身男性ばかり7人いるだけらしい。
その他の人の事を聞くと突然いなくなったと話してくれた。
その男の話だと
朝目覚めると誰かが畑を荒らし村の貯蔵してある食べ物を誰かが盗み
村人の自分へ対する態度が変わって居た。
しかも自分は何もして居ないのに畑を荒らした犯人扱いされ気が付くと何時の間にか殆どの人が居なくなっていたとの事だった。
今は人に会うのが怖くなり村の残った人達と細々と暮らして居るとの事を話してくれた。
この人と盗賊達の話が本当ならば村を荒らした犯人がこの畑を耕して居るその人と言う事になる。
しかし今面前にして居る男は、痩せ細りどう見ても暴れたり畑を荒らし周ったりする人には見えない。
本当にこの人達が夜中に人が変わったように暴れまわるのだろうか?
私達はその村から少し離れた場所に隠くす様にテントを張り夜その村を調べる事にした。
その後男の数は全部で5人程確認できたがまだ残り2人居る筈。
その男達を確認する為シルクを呼び探させてみるとニシアの森近くでその2人が見付かった。
どうやら森に生えている植物を採って居るらしい事が分かりこれで全員の確認が出来た事になる。
そこまで確認できた為問題の夜を待つ事にした。
夜各家の明かりが消えて暫くすると何処かの家の方から男の叫び声が聞えて来た。
「ぐわ~~~。うお~~。」
まるで何か獣にでも襲われたかの様な声。
その家の前まで4人で走り寄って行くと一人の男が家の外で叫び頭を抱えて蹲って居るのが目に入った。
ふっと他の家を見ると誰かが静かに歩き回ってる人が居れば何故か折角耕した畑を掘り返す人が居たり
むやみやたら走り回る人も居る。
中には寝転びブツブツ独り言を言って居る人も居て
彼等をどう見ても普通じゃないのは誰が見ても直ぐ分かった。
「セティアこれって一体・・・」
タルトが呆然としながらセティアに話しかけるもそのセティア事態を呑み込めず
言葉が出ずに居た。
「1・2・3・4・5人?・・2人足らない・・」
イズミが人数を数えると5人しか確認できない2人足らない
「あ!昼間居なかった2人が居ないんだ!シルク!」
イズミは直ぐにシルクを呼びその2人を探させたがシルクが探してもその2人は見つからなかった。
「皆気を付けて。7人要る筈の村人が5人しか居ない。しかもシルクが探してもその2人が見付からないわ」
「イズミそれってどう言う事?」
「私にも良く分からないけど強力な隠蔽魔法で身を隠して居るか既に何処かへ行ってしまったかの何方かだと思う」
タルトがイズミに聞くとイズミの方が慌てた様に周りを見渡し始めた。
「もし強力な隠蔽魔法で隠れているなら何時襲われてもおかしく無いわ。皆警戒して」
「つまりその2人がこの人達をこの様にした犯人と言う事ね」
セティアが結論と思われる事を言うとイズミもそうだと言う様に頷き。
「多分そう言う事になると思うわ。」
その夜誰一人寝る事無く周りを交代で警戒しながらテントで過ごしたが何事も無くそのまま朝を迎えた。
それから2日間その村に滞在したが毎晩起きる事は同じで問題は居なくなった2人の事だった。
何処かに隠れて居るのかそれとも何処かへ行ってしまったのか分からないまま時間は過ぎた。
「イズミこのままここに居ても何も解決しない様な気がする一度ミリニシアへ戻ってこの事を報告しない?もし領主が何もしないなら尚更冒険者ギルドへ報告した方が良いと思うけど。」
「うん、分かった。一度帰ろう。」
そして国境の町を後にするが少しでもその情報が欲しい為
所々で依頼を受けながら情報を集めミリニシアへ帰る事になった。




