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第十九話

ただのフラグ回。

一話一話を多く書く能力が欲しい……。

 私ことリューは、先程までここに居た少年達に思いを馳せていた。


 最初に訪れた彼らを見た時には、ああ、いつものヤツかと思いつつ、こちらに向かって来ている事が分かると同時に、その予想を確信レベルまでに高めていた。


 真ん中に居た少年が見に着けている服は、見た目は普通の服だが良く見れば、一切のほつれも見当たらない上等な生地が使用されていた。


 こんな上等な服を着ているし、両脇にはかなりの美少女を侍らせている。更に言うと周りのギルド登録者の中の、ランクが高めの連中が密かに向けている嫉妬に塗れた敵意の視線にも気付いていないのだ。

 そして辿り着いた先は、私が暇潰しに担当している新規登録のカウンター。


 ここまでの要素が出揃えば、殆どの人間がコイツは道楽でやって来た貴族だと分かるだろう。


 ――そう、思っていた。だがしかし、私の予想は良い意味で裏切られる事になる。


 彼らは貴族ではないだけでなく、その身に計り知れないものを宿していた。


 ――それは、『自由』の神に『創造』の神。


 創造の神と言えば、少し神学をかじった者ならば誰でも知っているであろう有名な神だ。


 王が三代目の時の霊術団長、ライン。彼は、創造の神の加護を受けていた。それも神託で。

 その彼が霊術で創り上げた一夜城『ミステル』はあまりにも有名で、今では観光地になっている。


 そして自由の神などは、初代の王様以外、加護を受けた者は居ないと言われている。


 ……だがそんな神の加護を受けていて、加護を受けた時に騒ぎにならない筈が無いのだ。なら彼らは一体何者だと言うの…?


 そして加護が加護なので、いつも貴族が来た際に受けさせるクエスト、ゴブリン討伐ではなく、初心者には難しいであろう鍛練ダンジョンのクリアを彼らに受けさせる事にしたのだ。


 ――ダンジョンとは、魔力がたまりやすい岩、ガルガ岩で出来た洞窟の事だ。


 高密度なガルガ岩のある箇所には魔力溜まりと言うものが出来、そこから魔物が生まれてくるのだ。


 鍛練ダンジョンは程よい感覚で魔力溜まりが生まれており、更に言えば魔力溜まり自体の魔力はそこまで多くないので、大して強力な魔物も生まれないので、鍛練に最適なのだ。


「これをクリア出来るのなら、見込みありかしらね……」


 そう、私が新規登録の受付なんかをしている理由は、ひとえに人材発掘の為だ。まあ、私の趣味が人間観察という理由もあるが。


 騎士団は、常々人員不足に喘いでいる。だから私は休暇を使って、才能ある初心者に唾をつけておくのだ。


 そして騎士団に引き抜き、育て上げる。とはいっても、いまだに芳しい効果は得られていない。来るのと言えば貴族ばかり、更にお決まりのセリフが『俺の侍女になれ』だ。まったく、へどがでる。


 そうつらつらと思考しながらコーヒーに口をつけていると、騎士団の服を着ている男が、慌ただしくギルドに入ってきた。


「こちらにおられましたか団長様! 緊急の報告があります!」


「……まったく、休暇中だと言うのに私に仕事なの。副団長で良いじゃない」


「その事ですが、団長が一番近い場所におりましたので」


 ……それなら仕方ない、か。


「それで、内容はなんなの? くだらない事だったら怒るわよ」


 私がそう言うと、騎士の男は顔を青くした。


「く、クヴェレ草原にある、鍛練ダンジョンにて地殻変動が起こり、大規模な魔力溜まりが発生しました」



「……ホント?」


「はい! 上位の魔物が大量発生しているとの事です! 団長様は至急、ダンジョンの封鎖をお願いします!」


「……マズイわね。そこにたった今、三人組が向かってしまったわ。急がないと!」


 早くしないと手遅れになってしまう。私は足早にダンジョンへと向かうのだった。

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