3、模型の本 1-1
数ヶ月、あっという間に日々と時間が経過して飛んでいった。
かなり野宿にも慣れて鬱陶しく感じていたものや不便と思うことが多々少なくなった、最初こそ否定して躊躇していた盗みでさえも今になれば顔色変えずに済ませられるようにもなった。
寝る時も違和感無くよく寝れるようになって熟睡とは言わないが安眠はできるように進化していった。お風呂は銭湯に忍び込むことで耐え凌いだり公園の噴水で水浴びをして過ごして工夫し耐える日々。
だけど体は洗えても服は洗えない。汚れた泥だらけのまんま。昼に見たらただの活発的に遊んだ帰りなんだろうなとか、転んだでしまったんだなとか。そう背景が想像できるが。
夜はかなり不審者に変わる、明らかにあいつは浮浪者だ、となる。だからなるべく夜はじっとして時間を潰す。ただひたすら暇なので目を瞑って寝れる時は寝ている。
川を抜けて山を越えて歩いた、途中で知らない老人を助けてお小遣いと称して果物をもらったことも。
僕は今。初めと変わらず、めちゃくちゃ森の中だ。
「マジでここどこですか、って話」
どれだけ進んでも緑色、森!森!森森!!。こんなに地球って森多いんだとかもう意味のわからないことすらも考えた。道中食えそうな木の実とかを掻っ攫ってポッケに入れ、重たいズボンに意識をやりながら転ばないようにする。
大の字になって木の根っこを枕に寝っ転がったり舞うように手を広げてぐるぐる回って遊んだり、人っこ一人もいないのに誰かに喋りかけたり。
一日中歩くことにも随分と身体が追いついてきた。だんだんと筋肉もつき始め足腰が強くなっていくのをメキメキと感じている。
「水もなければ、人もいないし。あるのは緑とでかい木だけってアマゾンかよ、そんなに蒸し暑くないけどさ!!今はさ!、ストレス溜まってきた!!あぁぁぁ!!マージで森じゃん!!ストレスっっっ、は無いけど、変わり映えがなさすぎて困るんだが!」
実に数日森をひたすらに謳歌していた。時々ある川を見つけては空のペットボトルに水を入れては補充していたがもうそれも尽きてしまう、今にして思うのならば、川の下流へ伝って歩いて行ったら山を抜けられたのでは?と。でもその考えに至ったのが半日経ってからだったのでやむおえず諦めてしまった。
逃げ出してきた時より装備が充実している。
盗んで盗んで盗みまくった、遊んでいる学生からリュックを盗んでライターやカミソリ、シャンプーや石鹸。菓子パンだったりをコンビニに行くたびに。店員にもバレずにことを済ませられるようになった。正直、この生活は楽しい。学生をしていた時よりも十分に楽しい。縛られるものが何一つとしてないのだ、僕の好き勝手にできる。
どこまでも歩いていけるのだ。法律だとか常識だとかそんなんどうでも良いんだ。
そうして歩いて進んでいるとやっと森を抜けることができた。
「やっとだぁ」
安堵した。このまま抜けれずにいたらどうしようかと思い更けていた、よかった。一安心。
目の前には街が、いや村だろうか。上から見下ろすように僕は村全体を見渡すことができた、見た感じほとんどが木造建築でざっと見た感じ二十かそこらで文明が昭和辺りで止まった感じだろうか。規模の小さめの畑や田んぼ、果物のなる木だろうか。タイムスリップした様な感覚にも陥ってしまう。昔はこんな感じの家で溢れていたのか、なんか、なんと言うか。考えさせられる、ネットなんてない時代でかったのにな。ネットなんてなければ、僕ら家族が晒されることなんて。きっと、、。
もういいや、よそう。下手に考えるのは。
落っこちて怪我をしないように下へ降りていく。
「よっ」「ほっ」と掛け声を出して下る。
辺鄙な村だ。人なんて住んでいるのだろうか、畑があるんだいるんだろう。見渡しながらに散策をしてみる。今は何時頃なのだろうか、時計はないかな。太陽は真上にいるから多分お昼ごろだろうが確証はないから確実な証拠が欲しい。こんなとこに時計なんてなさそうだけど、てか電波とか来てないだろここまでの田舎って、言い過ぎかな。




