141話 魔法使い式建築
気持ち長めの更新です。
「オイオイオイ、ナンカキタゼ!」
タコ天「あなた達、何をしているのですか!」
「オレタチハコノサキノクダモノヲタベルンダゼー!」
「ジャマスルナラヨウシャシナイゼー!」
「ヒャッハー!」
干し茸「話は通じ無さそうだね。」
ウース「なら俺たちも容赦しないぜヒャッハー!」
今回のゴブリンはどこかで拾ったであろう槍のようなものを武器にしているのが3匹。まあ適当に戦っても勝てるだろう。
このゴブリン共は野菜を盗みに襲ってくるし、縄張りの主張のために襲ってくるし……本当に面倒なんだよな。どこから湧いてんだろうか。
お互いの距離は10m、ゴブリン達は様子見を、3人組は準備を始める。
干し茸「タレット展開。」
干し茸は自身の周りにタレットと呼ばれる五芒星型の自動射撃固定砲台を2機展開する。スターマンの種族特性「スター」による効果だ。
タコ天「本当の姿に羽展開!」
タコ天は形態変化で髪を4本の触手に変化。更に天使の羽が生えた状態になる。
ウース「うおお、俺もオレモ!」
ウースは上半身を狼化させて、悪魔の翼を生やす。なんかゴブリンみたいな喋り方だな。
干し茸「作戦はウースが突撃して僕達がカバーだ。」
タコ天「わかりやすいね!」
ウース「オーケー! イクゼ!」
干し茸「早っ。」
言うが早いか、ウースはゴブリン達に急接近して行く。
ウース「クラエッ! アッ、ヨケラレタ。」
渾身の飛び蹴り。ゴブリンは見てから回避する。
「ウワアブネエナ」
「ダガチョウドイイゼ!」
「カコンデツキサセ! ヒャッハー!」
ウース「イテテテテテテ!」
囲まれ槍で刺されるウース。痛そう。DEFにはそれなりにしか振ってないからある程度は回避して欲しいんだよな。
干し茸「タレット照射!」
「グアア、アシガ! アシガ!」
「ダイジョウブカ! シッカリシロ!」
「サワルナ! カンセンスルゾ!」
タレット2機から放たれたのは無属性の弾丸、命中してもそこまでのダメージにはなっていない。が、ここに真菌の種族特性の「菌糸付与」と「侵蝕」が加わる事で、攻撃対象に菌糸がへばりつき、行動妨害に繋がる。とても相手したくない。
閑話休題
タコ天「主よ、ウースを癒したまえ! そしてウォーター!」
「グアア! メガチカチカ!」
「オボレブブブ!」
「ヤバイッテ!」
祈祷によりウースは全快。その後タコ天は呪文で光属性になっているシャワーをゴブリン達にかけると、ゴブリン達は「水の歌」の効果で状態異常にかかりやすくなり、光属性のデバフ効果である失明、水属性デバフの窒息を食らった。……今誰に対して祈ったんだ? 俺? というか水属性デバフってステータス低下じゃなかったか?
ウース「フタリトモアリガトウ! ワォーン!」
「「「グギャッ!」」」
全快したウースは礼を言うと「遠吠え」を発動。さらに爪を横薙ぎに振り抜くと、3匹のゴブリンは一撃でバラバラ死体になった。
一「可燃ゴミ! さて、よくやったお前達。頑張ったな。」
死体を焼却処理して初勝利を祝う。ちなみに何も残らない。素材も要らないし。
タコ天「かね……もちろんです!」
ウース「へへへ!」
2人は役に立てて嬉しそうにしている。
一方干し茸は腕を組みながらウースを見て一言。
干し茸「まぁ、改善点は色々あるけどな。」
ウース「うっ……装備ができたらもっとやれます!」
一「それはそう。まあ、説明が終わったら作るよ。まずは……」
簡単な説明を終え、全員に要望を聞き、一旦3人組には作業をさせ、その間にやる事を済ませる。
作業用の装備に着替えた俺。砦の横にちょうど開拓途中の場所があったので、そこを適当に2aほど切り拓いて農場とつながるように柵を設置する。
一「アカシックレコード。必要な素材数は…‥行けそうだな。」
まずは必要な素材を超強化呪文の強化王によって作成した呪文、アカシックレコードで確認し、呼吸を整える。
一「うおお、神の名のもとに発動! 神の羽翼発動! 神技発動!」
種族特性を使用してMPを15000、INTを34000くらい、AGIを44000くらい、DEXを74000くらいまで上げる。
一「プラス! チェイン!(×2) 山彦!(×8)クアドラプル!(×64)チャージ! ダブルクロス!(×1024)「パーフェクトアルケミスト!」(×16384) フゥーーアーーー!」
復唱王で作成した+で一定時間呪文数2倍。
連唱王の×で一定時間呪文数2倍を2回。合計8倍。
音王の山彦で一定時間呪文数2倍を2回を4回。
超複唱呪文の+4で次呪文数4倍を32回。
超連唱呪文の××で次使用呪文数4倍を128回。
効果を大量に重ねて次に行う呪文数×16384の状態にする。
そして、超錬成呪文のパーフェクトアルケミストで好きな素材アイテム(生物由来のアイテムは×)を16384種類(同じ種類○)取得する。
正直興奮して叫んだかもしれない。
一「うおおおお! 匠の創造! 俺が! 俺こそが! 溶鉱炉だああああああ!」
そのまま超熱呪文の匠の創造で素材アイテムを加工アイテムに変形、変換、合成、する。鉱石は金属や宝石に、糸は生地に、原木は木材に、肉や魚は皮と鱗を剥いだら後で食べよう。皮は革に、鱗はそのまま使う。それらは更に必要な形に変形させられる。
一「そしてっ! 着替えて! うおおああ! 俺が魔動ミシンだあああああああああああ!」
そして手作業で装備を組み合わせ、同時に細工を済ませる。
一「次は付与だああああ! 俺が! 俺こそ……一旦落ち着くか。」
付与の為の道具を10セット準備して一旦落ち着く。付与は時間がかかるからな。やりながら別の作業をする。
一「後普段着数着を作って……次は家だな。」
ささっと普段着を3着ずつ作成した後は家の建設に入る。
一「アカシックレコード。ふむふむ、なるほど、まずは地固めが必要なのね。なら、アースバインド! 押し固めて、素材をこの上に置いて匠の創造!」
建築方法なんて知らないのでアカシックレコードで調べて呪文で準備をしていく。
一「あー、結局最後は手作業なんだよな……」
そんなことを言いながら付与と同時並行で建築を進め、忘れる程時間が経った後、全ての作業は終了した。
一「お前達、装備とか色々できたから一旦集合してくれ。」
タコ天「はーい。」
ウース「わかったぜー!」
干し茸「きました。」
とりあえず今日やる事は済ませたので、一旦全員を呼び、家まで案内する。
一「まず、ここがお前達が今日から済んでもらう家だ。大事にしてくれよ。」
タコ天「これは……家?」
干し茸「四角だ……」
ウース「綺麗だな!」
外観は木造の長方形、星の砂、アダマンタイト、オリハルコン、この3種類の素材からなる合金でできた鉄筋と世界樹の木材から作られた2階建木造建築だ。
見た目は兎も角、この家は属性耐性に恐ろしく優れており、耐火、耐水、耐風、耐震等の災害や攻撃は無効化し、ついでに外気をシャットアウトして中は快適な空間にしてくれる。見た目は兎も角。
内装もそれなりにはなっており、1階には大きめのリビング兼ダイニング、キッチンは勿論、トイレや風呂なんかもある。2階は3人の部屋と倉庫用の空き部屋、後一応俺用の部屋がある。
そして魔導冷蔵庫に魔導冷凍庫、魔導レンジと魔導オーブン、魔導エアコンや魔導除湿機に魔導洗濯機と魔導乾燥機まで作成した。魔導ってつければなんでも許されると思うなって? できたんだもん……
一「で、3人の部屋それぞれに戦闘用の一式があるから、ちょっと装備してみてくれ。」
タコ天「はい!」
ウース「楽しみだぜー!」
3人組はそれぞれ自分の部屋に向かい、着替えて戻ってくる。
最初に戻ってきたのはウース。
袖の無い黒の革ジャンに動きやすい藍色のジャージ系ズボン、腕には右手に打撃用の赤い大型ガントレット、左手には銀色の腕当てを、足にはそれぞれアンクレットを装備させている。
ウースには戦い方として、身体変化(狼)、悪魔の翼、腕術、脚術、爪術、体術等を生かして急接近からの強襲、そのまま接近戦をしたり、離脱したりしてもらう予定だ。
次に戻ってきたのは干し茸。
灰色と茶色の上下セットの迷彩服、背中には矢筒、両手には黒の腕当て、足には藍色の足袋を、黒の武器には真っ黒の小さなコンパウンドクロスボウを装備させている。
干し茸には、スターで目立つ+妨害行動をするタレットを展開し、隠密行動で隠れ、弓術、射撃術、暗殺、狙撃術で確実に対象を減らしてもらう予定だ。
最後に戻ってきたのはタコ天。
白色に輝く鎧を着けた、水色の巫女服、腕用の袖は別で用意して、足は茶色の草履という感じだろうか。触手にはそれぞれ七色に輝く丸い盾、黒いメタリックな長方形の盾、銀色に輝く逆三角形の盾、金色に輝く短杖、装備させている。
タコ天には、天使の羽と盾術で自身にヘイトを向け防御、光属性化水の歌付き水呪文で妨害、信仰歌や信仰強化、信仰回復で支援を行わせる予定だ。
一「うーん、着せてみると……似合っているな。」
正直服なんて俺が着ている服以外には使ったことがなかった為、似合っているか不安だったが、どうやら杞憂だったようだ。
ウース「これすげえよ! 体が軽いぜ!」
干し茸「わかる。後器用になった気がするよね。」
タコ天「そうですかね? 頭が良くなって心が強くなった気はしますけど。」
2人「「それはない」ぜ!」
一「あー……付与でステータス盛りまくったし、実際頭が良く……良くなる?」
INTをあげても頭は良くならない筈……頭の回転が速くなった! とかならなんとなくわかるけど……
一「ま、まあ、ステータスが上昇してるからそういう事もあるって事で。」
タコ天「そうですね! そうしましょう!」
閑話休題
一通り説明し、作り置きした料理を皆で食べ、俺はログアウトする。
一「今日は色々やりすぎた……」
時計を見る。時間は……午前3時40分。
一「…………」
俺は後悔した。この後20分で仕事に向かうのだ。
不思議と眠気はない。嘘だ。めちゃくちゃ眠い。
一「はぁ……」
俺は大きなため息を吐いた。




