101話 待機室にて
主「ぬわあああああ! 書けなええええ!」
ジョー「どうした! 後書けなえってなにさ!」
主「いや……今回トップクラスに苦手な事をやってるから……」
ジョー「ああ、何が苦手なの?」
主「それは……言えね。」
ジョー「ふーん……」
ジークの不意打ちによって倒された俺は、待機室に移動した。
一「負けたああああ!」
と、待機室の中で畳の床を転がりながら叫んでいた。
まさかやられるとは……この畳いい匂いだな。今度部屋にゴザでも敷くかな。
【キャラクター I が倒されました】
アイ「うう、負けました……」
俺が嘆いていると、空中にパネルが出てきて、メッセージと共に、アイが戻って床にチョコンと座り込む。……ん?
一「おう、お疲れ様。」
……なんか名前が変だったけど、とりあえず俺も適当に胡座をかき、健闘を労う。
アイ「とりあえず生き延びていたノームは消滅させましたけど、まさかあの棒が伸びるなんて……」
一「……え、ちょっと待って……ちょっと待って?」
消滅? 棒が伸びる? え? さっきから名前といい若干遅い点といい謎が謎を読んでわけわからなくなってるんだけど?
一「とりあえず一個ずつ、ノームを消滅って何? 妖精の始祖って精霊にも何かできたりするのか?」
前回のサンドマン達は妖精だからできたって納得できるけど、こっちはわからないからな。
アイ「え? ……あ、あ、あ!」
一「いや、すごい気になる反応やめてくれよ。」
目に見えて狼狽え始め床をコロコロと転がるアイ。え、何? その情報はタブーだったの?
アイ「いや、あの、その……まあ、一さんなら大丈夫でしょう。」
一「おお、急にスッとしたな。」
しばらく転がって落ち着いたのか、アイは俺の目の前に飛んでくる。
アイ「一さん……いえ、プレイヤーの一様」
一「お、おお、……なんだ?」
一様呼びか……久しぶりだな。いつぶりだ?
アイ「一様、今から先程の事柄について説明します。しかし、私の言う事は、他言無用でお願いします。」
一「お、おう……」
いつにもなく真剣な表情をしている。
アイ「……まず、あらかじめハッキリと言うべき事があります。」
一「ああ、頼んだ。」
生唾を飲み込み、話に集中する。
アイ「実は私……本当は、妖精の始祖では無いのです。」
一「……ん? へ? いや、え?」
アイが……始祖じゃ……無い?
一「え、でも、昔、キャラ作成の時、え? 妖精の始祖って、え? 最初……」
アイ「とりあえず落ち着いてください。羽とか翼が凄い事になってます。」
え? あ、いつの間に!? ……さっきの戦闘中に展開したやつか。
俺は羽と翼をしまう。……アレ? 俺さっき転がりまくってたの羽付きでやってたのか?
一「凄いシュールな絵なんだろうなぁ……」
アイ「……一様、続きを話してもいいですか?」
一「あ、ああ、ごめん。」
アイ「はい、それで……とにかく、私は妖精の始祖では無いです。」
まあ、つまり……
一「……じゃあ、結局何なんだ?」
そうすると気になるアイの正体。
一「……まさか妖精ですら無いとか? なんてな。」
適当に思った事を言う。まあ、そんな事はないとは思うけど……
アイ「……」
……え、マジ? ……思ったより緊張してきた、とりあえず正座しとこ。
アイ「……言いますよ?」
一「……ああ。」
聞き手も、話し手も、双方緊張が高まっていく。
アイ「……私は。」
少し近づき、少し声を震えつつ、ゆっくりと、話を始める。
「私は、全妖精霊の真祖……言い方を変えますと、真なる祖、というプログラムであり、この愛おしい幻想の次元にて、移転者の創造の間にして、純魔を司るプログラムの一柱。真名、I am Faire と、言います。」
そう言うと、自身のステータスを俺に見せてくる。
アイ/I am Fairy【真なる祖/プログラム】(妖精霊) LV255
HP 6320 MP 63810
STR 1305
DEF 5015
INT 44050
MND 48510
AGI 94705
DEX 48510
LUK 48005
種族特性
【純魔妖精】(創造) (魔力の祖) (コマンド・マジック・プログラム) (妖精霊プログラム) (妖精霊の羽根) (妖精霊の生命) (魔力操作) (経験下手) (攻撃時ダメージ超低下)
スキル
【特殊】鑑定 精密飛翔
【魔法】無属性 付与 補助 使役 理 創造
【信仰】祈祷 呪怨 懺悔
【隠密】潜伏 隠密行動 隠蔽
一「…………え。」
マナって何?とか考えてたらステータスを見てみよ……つっよなにこれ! 最強だろこんなもん!
「それによって、私は妖精や精霊……魔力精神生命体に携わる権限を持っています。故に、妖精や精霊へのプログラムを実行する事で、停止、作動、消滅、創造、などができます。」
一「ほうほう。」
「これで、ノームは……消滅させました。」
一「なるほどなぁ……」
消滅とか、正直最初は疑ったが、アイがいつもより真剣な表情で……というか、罪を告白する様に話すので、おそらく本当なのだろう。
「私は、この力を使って……今まで一様のサポートを……やっていました……」
一「うん……うん?」
ポツリ、ポツリと呟くアイ。少し涙ぐんでもいる。一体どうしたんだろうか。
アイは、涙を拭う為に目を擦り、ふぅ……っと大きな息を吐き、ゆっくりと床に座り込む。
一「おいおい、大丈夫か?」
「大丈夫です……ははは、幻滅しましたか? こんな幻想などと謳っているゲームの中で、いきなりプログラムとか言い出す妖精とか……」
一「いや……」
「一様、今までずっと、騙していました……すみません……私は妖精なんかじゃない、ただのプログラムです……すみません……隠れて、勝手に行動する、悪いプログラムです……」
俯き、落ち込んだ様子のアイ。
一「え、いや、その……アイ、いいか?」
「……はい。」
俯きながら答えるアイ。
俺は思っていた事を話す。
一「……アイってさ。元々はキャラ作成担当AIなわけだろ? だから「でも、私は! 今まで! 一様を……」騙されたって言うか……」
どこか怯えて、恐怖しながら声を荒げるアイ。
……ここで引いてしまっては、どこかへ飛んで行ってしまいそうな、そんな気がする。
一「まあ、プログラムなんだろ? ファンタジーの中でプログラムがダメみたいな言い方するけどさ……俺の隣にいつもいるだろ。ミリタリーから来たような奴がさ。」
うpとか最初から別のゲームやってるから。いやほんと。
「それは……そうですが……」
それでもどこか納得いっていない様子。
一「なにより、仮にお前が……その、妖精の始祖だろうとプログラムだろうとさ、アイはアイだろ? 今更お前が勝手に動いてるプログラムだろうと俺には関係ないしな。」
アイ「! ……ありがとう……ございます。」
一「まあ、大丈夫だぞ。……俺もたまに仕事中に遊びたくなって会議中とかうpとかに向かって変顔するし。」
アイ「……それは違うかと思いますよ?」
一「あ、そう?」
違うのか。残念。
アイ「ふふっ……一様、ありがとうございます。……ボソッ。」
一「え?」
途中から聞こえなかった。一体何を言ったんだ?
アイ「あ……いえ、なんでもないです。」
そう言うと、微笑みを浮かべながら、俺の前で飛翔する。
アイ「それでは、一さん。 ここに手を置いてください。」
一「ああ、わかった。……一体何をするんだ?」
アイ「ふふっ、それは秘密でお願いします。」
そうか、とりあえず指示通り床に手を置く。
一体何が始まるんだ? そう思っていると、俺が置いた右手の上にアイが両手を乗せ、言葉を紡ぐ。
アイ「コマンド・マジック・プログラム、実行。」
一「え、本当に何してんの?」
俺の手の上に、普段アイが転移してくる時によく見る魔法陣が描かれる。
アイ「対象、"キマイラ【オリジン】"の"熾天使.魔王.人間"。認証コード、00005。……承認。」
魔法陣には見慣れない文字が流れてゆく。
アイ「……終了です。ありがとうございました。」
一「あ、ああ……どういたしまして? ……いや、今何をしたん アイ「それは秘密です。」……ああ。」
アイ「一さん……」
一「なんだ?」
アイが、モジモジしながら近づいてくる。
一「な、なあ、近くないか?」
アイ「だ、大丈夫です。」
俺の目の前で飛ぶ。
アイ「あの……もう一つだけ、私の、悪いプログラムのわがままを言ってもいいですか?」
一「え……いいけど。」
アイ「ありがとうございます。」
アイが、顔を真っ赤にして、話す。……俺もちょっとだけ、顔が熱い。
アイ「初めてお会いした時、私の事をアイ、と呼んでいただいた時があるじゃないですか。」
一「ああ、本っ当に最初の頃だな。」
たしか十月だったっけな?
アイ「はい、あの時、とても嬉しかったんです。今まで、他の方々は始祖様とか、アイアムフェアリー様、と呼ばれていた私の事を、アイ、と、親しく呼んでいただいて……」
そう考えると昇式命名法も悪くないな。AIからアイとかシンプルだしな。
アイ「……あの後、フレンド登録をしていただいた時や、ピアスを貰った後、かわいいって言っていただいた時、とても嬉しかったりしました。」
ああ、今もつけているピアスだな。……そうか、その時からずっと付けてくれてるんだな。
アイ「あの時、とても満足感と幸福感によって、わたしはある想いを抱きました。」
アイ「その想いは、一さんとふれあうにつれて、どんどんと、強くなって行きました。」
おう……何だ? アイがどんどんと呼吸が荒くなっていく。
アイ「ふぅ、ふぅ……一さん。私は……」
一「うわっ、アイ!?」
アイが俺の首元に飛び込んで、抱きついてくる。
アイ「私は、一さんが、大好きです。」
…………え。
一「え、それは、その アイ「わ、わたしは、はじめさんを、こころから、あいしています。」おう……」
【プレイヤー モブC が倒されました】
【プレイヤー モブF が倒されました】
モブC「ぐはぁ……」
モブF「無念……」
やべえよ、いったいどう返答するのが正解なんだよ……そう考えていると、パネルと共に、二人が天井から落ちてくる。
一「え。」
アイ「あう。」
モブC「……え?」
モブF「あー……すみません。お取り込み中でしたか。俺達目と耳を塞ぐんで、続きをどうぞ 一「できるかぁ!」」
アイ「あうあう……」
その後、誤解を訂正して、アイに、一旦、「ちょっと考えるために、大会が終わった後に返答してもいいか?」というと、「はい、わかりました。」と言い、俺はよく考える事とした。
はい、まさかのシリアス+ラブコメ?回です。 書けねえ! シリアスもラブも苦手だから辛ぇ! 今回、いつもより文が歪かもしれませんが、許してください。
ちなみに、アイちゃんの本名は2.5話から決まっていました。やっと言えた……
次回、ようやっと次の戦闘いけるかも?
追記、誤字修正しましたぁ!




