100.5話 動き出す最強
はい、.5話なので後書きです……まあ、厳密に言うと前回の続きってだけですけど。
さて、今回ですが、主人公視点よりもこの子視点で見せた方がいいんじゃないかな? という経緯から今回の話が決まりました。
それでは、どうぞ〜。
【プレイヤー 一 が倒されました】
一さんの無線より、そのようなメッセージが届きます。
「一さんが……ジークですね、恐らく。」
やられた一さんの作戦を思い出しながら考える。……おそらくジークが不意をついたのだろう。当然でしょう。一さんがまともに戦って閉鎖空間で負けるわけないですからね。
【キャラクター I が倒されました】
あ、アイさんがやられ……? 今、アイさんの名前変な言い方でした? というか少し遅いし……
二人やられた事で警戒心が増えた私はスキル【特殊】の索敵を使い、敵の位置を捕捉する。
「あー……そろそろ来そうですね。」
どうやら下の階からゆっくりと足跡を立てないように歩いて来るのがわかる。
私は一旦安全な位置で潜伏してたが、砦の屋上の範囲を全て狙い攻撃をある程度避けられる迎撃用の位置へと移動をする。
ただ、この際相手に見つかっても面倒なので、「ステルス」を使用して、バレないように行動する。
「これ本当便利なのになんでみんなスキル【隠密】取らないんでしょうか……」
【隠密】にある隠密行動の「ステルス」は、相手から視認されてない状態にする事が出来る技。この技を使えば戦闘中一瞬だけ敵の目から逃れたり、索敵から逃れたりできる。
「次は……一旦敵の情報の撹乱も兼ねてアレを使用しましょう。」
そして、次に先程兄さんから渡されていた一つの銃「スタン・グレネード・ランチャー」を装備します。
え? 兄からそんな物を貰ってたのかって? いや、その……ダンジョン攻略の後兄さんに欲しいってお願いしたらさっき渡して貰えたので……いつか何かでお返ししなきゃとは思ってますが……
閑話休題。
これは二発装填可能でダメージは10、ですが閃光と音響攻撃による、視覚、聴覚を攻撃して、敵の無力化を狙うという武器です。
……と言うのが本来の目的ですが。
「これを装填……よし、自分に600ダメージですね。」
そう、自分で弾を装填する際、私達魔導人形はHPを消費してしまう……いや、消費できるので、これで種族特性「紅葉」を使い、AGIを上昇させることができます。普通の弾だとそこまで減らないので欲しかったんですよね。
「これを……とりあえず二発とも階段にうちましょうか。」ポンッ ポンッ
小気味良い音を立てて階段の上と階段の横に落とす。それと同時に頭を伏せ耳に手を当てる。
「うわっ!」
ううっ……耳鳴りが酷いですが、直撃をもらったであろうジークよりはマシでしょう。びっくりしてましたし、当たってるはず。
「さて、最後は……」
最後に自身の腕を普通の狙撃銃に変化させま す。なんだかんだ安定しますし、そこまで火力も必要が無いと判断しました。
私はHPを六十減らし、弾を六発手に入れます。
さて、色々と準備を済ませ、後は。
「……」
待ちます。
かなり待ちます。
そうとう待ちます。
これでも、だいぶいい方ですけどね。さっきの戦闘とか何もやってないですから……
敵が現れるまで待つ。すると下の階から、ターゲットのジークが、どこか焦るように後ろを振り向きながら、階段を上る。
「隙だらけですね。」ダンッ
敵の……ジークさんの頭部へ命中。【1315ダメージ】表記を確認。……どうやら倒したようです。(生命奪取)でHPが吸収できた様ですから。
「ふう……やっぱり地面は良いですね。」
私は腕を戻して迎撃ポイントから屋上へと足をつける。……え? 今までは何処にいたんだって?
まあ、シンプルに言うと外壁に(壁移動)で張り付いて行動していました。最初は敵砦の反対の二階くらいの位置ですね。……流石に分からないと思いますからね。
【プレイヤー モブC が倒されました】
【プレイヤー モブF が倒されました】
うーん状況が悪い? というかモブCさんとモブFさんですか。……少し一階層の状況も気になりますね。……ですが、今戦ってるモブBさんとモブDさんとモブEさんに話しかけて良いものかと……ん?
「うぽつちゃん、今大丈夫?」
誰かから無線が……この声はポーーさんですね。
「はい、どうしました?」
「いや、今下でドンパチやっててさ。混ざろうと思うんだけど、どう?」
なるほど、そういうことですか。
「ええ、いいんじゃないですかね? こちらも何人かやられましたし。」
合計で四人ですからね。元々人数がいないのに更にそれなりにやられましたからね。いかに負けそうな状況か。
「えっ? そうなの? ちなみに誰が?」
ああ、あの【倒されました】の無線は私しか知らないようですね。
「はい、一さんとアイさん、それとモブCさんとモブFさんが。」
「いや結構やられてるねそれ。ヤバいよね?」
ちょっと行ってくる。そういうとすぐに無線が切れる。
「ふう、さてと……あ、良い事思いつきました。」
一さんの作戦では、私が一度攻撃をした時点で私の攻撃方法は対策されてしまうから自由に動いて良いらしいです。
そして、このまま待ってても受けたダメージ量で負けてしまうかもしれません。
という事で。
「ここから相手のリーダーを撃ち抜きましょうか。」
そうと決まれば話は簡単……かどうかはさておき。物は試しにやってみることにします。幸い敵の砦は近いですし。
「とりあえず見える範囲にリーダーは……」
私は砦を見ていく。……流石に屋上には居ませんね。
一さんの戦い方を知っている人ならお分かりでしょうが、一さんは空を飛び魔法を放つ、という戦い方なので屋上にいると狙われてしまうかもしれませんから。……まあ、最近一さんは室内の方が強いって言ってましたけど。
閑話休題
屋上には居ないので、次は下の階の窓に……
「窓に張り付く様に見ているあの方はリーダーでしょうか?」
そこに居たのは外を食い入る様に見ている一人の女性が。というか……
「あれ、おそらくリリィですね。」
リリィ、ジークの取り巻きの一人で聖人君子とか言われている方ですね。……まあ、今回は敵なので聖人だろうとなんだろうと関係ないんですけど。
「さて、とりあえず……」
私はリリィを狙撃するのにちょうど良さそうな砦の端に立ちます。
そして、私はここで対物ライフル……ではなく。
「せっかくですし、新しい銃を試しましょうか。」
私と兄さんは二十レベルになった時、新たな種族に進化することができました。
兄さんは……教えて貰えませんでした。
私は三つの中から選び、
一つはAGIに大きな補正が付く電磁式狙撃銃。
一つはDEFに大きな補正が付く盾付き狙撃銃。
そしてもう一つが私が選んだ……
「あんまりこの姿は好きじゃ無いですけど、強いから仕方がないですね。」
私の右腕を狙撃銃に変化させ、腕を上げ、発動させる。
「モードチェンジ、対戦車狙撃銃!」
私の右腕が私の三分の二も占める全長、普段の狙撃銃の倍の重さ、何より圧倒的な長さの銃身。
これが、対戦車狙撃銃、である。
「うっ、重い……」
地面に叩きつけるように降ろした後はHP200を消費し、弾を一発装填。対象に狙いをつける。
「そこで動かないでくださいよ……」
この一撃で勝負が決まる。おそらくやつがリーダーだろう。その一点のみで敵を狙い、
そして、破滅の凶弾が放たれたのであった。
【18240ダメージ】
【敵リーダーを倒しました】
【貴方のパーティの勝利です】
「よしっ! よしっ!」
一発でリーダーを倒し、嬉しいのか小さくガッツポーズを決める。
その後、意気揚々と待機室へ戻ると、そこにはお通夜の様な雰囲気の一さんが座っていた。
うぽつ「一さん……大丈夫ですか?」
一「はぁ〜……あ、お疲れ様。勝てた?」
そう聞かれたので、自信満々に答えます。
うぽつ「はい、砦から対戦車ライフルで敵のリーダーを倒しました!」
ちょっとドヤっとしてしまう。
一「……え?」
モブD「それほんと?」
ポーー「おいおい……おいおいおい……」
……あれ?
うぽつ「みなさん、どうかされましたか?」
一「あー……その……なんだ。」
モブF「もう全部うぽつで良いんじゃないか。」
モブC「うんうん……」
え、あ、あの……
うぽつ「私、何かとんでもないことやっちゃいましたか?」
私のその問いかけに、なぜかポーーさんとモブFさんが大笑いしました……
昇「強すぎだろぉ!」
一「一発一万とかマジで……」
華「……あの、一ついいですか?」
昇&一「どうした?」
華「……二人の方がダメージは出ますよね?」
一「え?」(光粉+天界の裁きで3,600+ 180,027ダメージ)
昇「いやいや……」(45話時点で重機関銃で秒間338,853ダメージの確認……!?)
主「はあ!? 出過ぎだろ!?」
ここにまた新たなトリビアが生まれた。
うpは強い。




