あんたぁっ! 浮気しとるじゃろぉ!
くそー、思わずまた少しちびってしまった。
だが、ビビったのは、俺たちだけではなかった。マルソン隊長も同様にびっくりしていた。いや、びっくりというか、この世の終わりみたいな顔をしている。先ほどのオーラも消え去っている。
「はわわわわわわ」
マルソン隊長は剣を地面に落とし、全身をプルプルと震わせている。
「ん? どうしたんだ? あの隊長、急におかしくなったぞ」
その大声の主は、大通りから砂埃を巻き起こしながらこちらへと走ってくる。
「誰だ? んー? 女性……だな。けっこう、でっかい」
その大きな女性は震えるマルソン隊長の元まで走ってくる。
「お、おおおお、おまえ、ど、どうして、こここ、ここに?」
ん? おまえ? もしかして、マルソン隊長の奥さんか?
俺が二人の左手の薬指を見ると、おそろいの金色の指輪をしている。結婚指輪だな。間違いない。あの二人、夫婦だ。
でも、どうしてここに? なんでマルソン隊長は震えてる?
バッチコーン!
「ぶへらぁっ!」
奥さんはマルソン隊長の横顔に、強烈なビンタをぶちかました。まるで力士のような体格の奥さんの一撃は強烈だった。
隊長は勢いよく地面に倒れこむ。
「あんたぁっ! 浮気しとるじゃろぉ!」
「いいいいいええええええ。しっ、してませんっ」
「うそつくなやぁ! この恋文、なんねぇ! キララってどこの女じゃぁ!」
奥さんの手には手紙が握られている。
あっ、もしかして。
俺は、秘書っぽい女騎士はどこだ、と視線をさまよわせた。
お読みいただき、ありがとうございます。
この下にある『ポイント評価』をしていただけますと幸いです。。




