フォル・トゥナ! そこにいるのはわかっている! おとなしく投降しろ!
俺はそんな感慨にふけりながら、カフェ・グッドラックの窓から大通りを眺める。
ザッザッザッ。
「あれれ?」
俺の目の錯覚と幻聴だろうか。
大通りから、俺たちの店の方行へ、大勢の騎士たちが行進しながらやってくる。
みんなそろいの鎧姿だ。三十人くらいいるだろうか。
「あらー、コスプレの大会でもあるのかしらん?」
俺がのんきに感想を述べていると、その騎士たちは、俺たちの店の前で回れ右をした。
隊長らしき騎士が、サッと手を挙げると、騎士たちはすばやくグッドラックを包囲してしまった。
「あらあら、まあまあ、あれはアカラ王国軍の兵士たちですわ」
ヒミさんが俺の隣に立ち、窓から外を眺める。
「へー、兵士かい? でも、なんで俺たちの店の前に?」
「ほー、騎士どもか。三十人くらいいるな。団体さんだな。チキンステーキ、足りるかな?」
「あー、追加発注しとけばよかったかな」
「ちょっとマッチョにジンゴロウ!、そんなのんきなこと言ってる場合じゃないだろ! あの装備と包囲網、どうみてもあたいたちに別の用事がある様子だろ!」
「ど、どどど、どうしたの? 一体何?」
のんきな俺とマッチョ、そしてマイペースなヒミさんと対照的に、ラルとフォルは慌てていた。
俺たちは事態を飲み込めずに、ただ店内の窓から外の様子を見つめるしかなかった。
お店と、その前の大通りは、兵士たちによって完全に包囲されている。
「フォル・トゥナ! そこにいるのはわかっている! おとなしく投降しろ!」
突然、騎士団の隊長らしき人物が大声でフォルのフルネームを叫んだ。
「なに言ってんだ? あの騎士?」
俺たちはみんなポカンとしていた。
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