ここには俺をいじめる人はいない。借金はあるけど、毎日暖かい生活がある。
ラル曰く、理由はこうだ。
「フォルは幸運の女神だろ。あたいは一応、戦士だ。でも、ジンゴロウは、無職だろ? この際、カフェ・グッドラックの店長っていう肩書くらいあった方がいいぞ」
ということだ。むむむっ、と思ったが、実際、無職だったから言い返せなかった。
◇
「よし! 今日も一日、頑張ろう!」
「「「「おー!」」」」
開店前の簡単なミーティングが終了した。
ヒミさんとマッチョが加わり、ますますパワーアップしたカフェ・グッドラックは好調そのものだった。
「ヒミさんもマッチョも、すっかり慣れたね」
フォルがまぶしい笑顔で話しかける。フォルは念願のカフェを開けたことがとても嬉しい様子だ。そして、毎日俺たち五人で働けることが、とても楽しいみたいだった。
「ええ、そうですわね。もう働きだしてずいぶん経ちますものね。毎日、いろいろなお客様とお話もできますし、とても楽しいですわ」
「がはは! そうだな! 俺はこれまで、用心棒やらガードマンといった仕事ばかりをしていたが、実はこういう料理が向いていたのかもしれない、と、最近思うくらいだ。がっはっは!」
二人がカジノをクビになった、と聞いたときは、本当にどうしようかと思ったけれど、すっかりカフェ・グッドラックになじんでくれてよかった。
俺たち五人は、休日にはアカラの町のあちこちへと遊びに行ったり、食事に行ったりと、とても仲良くなっていた。
もうずうっと昔からの知り合いみたいな気分だ。
不幸続きだった俺だけど、異世界に来て、フォルとラルに出会って、運勢が変わった気がする。
ここには俺をいじめる人はいない。借金はあるけど、毎日暖かい生活がある。
本当にありがたい。
こんな日がずっと続いたらいいなぁ。
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