ハイヒールにも、蹴られ、踏まれまくったが、別に興奮なんてしていないことを、ここに表明する!
ドサッ。
「フォル様―、お届け物でーす」
ホテルのロビーのソファに優雅に腰かけていたフォルに、肩に荷物を担いだマッチョが声をかける。
「あっ、はーい。そこへ置いといてくださーい……って、あら、マッチョさん、お久しぶりです。なんですか? その布の塊は?」
マッチョが無造作に布の塊を床に置く。
「ああ、これね、それがねぇ。実はカジノでねぇ……」
「うぅ……」
俺は布の隙間からもぞもぞと顔を出した。
「キャーッ、ジンゴロウ君? どうしてそんな姿に? 大変! 大怪我してる! 大丈夫? 何があったの?」
カジノで用心棒たちに袋叩きにあった俺は、ぼろ布でぐるぐる巻きにされてカジノからたたき出された。
ちなみに、着替え途中のバニーガールのお姉さんたちとセクシーなディラーであるヒミさんのハイヒールにも、蹴られ、踏まれまくったが、別に興奮なんてしていないことを、ここに表明する!
本当だぞ。
ぼろ布でぐるぐる巻きになったまま、動けない俺を不憫に思ったのか、顔見知りになった丸坊主の用心棒、マッチョ(本名)がそんな俺を担いで幸運の女神様であるフォルのところへと連れてきてくれた。
どうやらマッチョは俺とフォルとラルが、このホテルに泊まっていることをあらかじめ知っていたようだった。町の事情通にはもう知られているんだな。
フォルが心の底から心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。なんて優しい顔なのだろう。まさに女神様だ。ああ、女神様、あなたが本当は幸運の女神様じゃないって疑って、ごめんなさい。
そんな気持ちになる。
「誰か―! 早く来て―! ジンゴロウ君が大変なの! 大怪我をしているの!」
フォルの大声を聞きつけ、素早くホテルのメイドさんたちが集合してくる。
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