あちゃー……。どうしてこうなったんだか
脱ぎかけのヒミさんの美ボディに思わず、敬語でワケの分からないことを口走ってしまう。
「お客様? 何をなさっているのですか?」
ヒミさんは眉をピクピクさせながら、丁寧に質問してきた。
「あー、ハイハイ。更衣室、ね。分かりました。あれですね。コロコロ転がるメダルを追いかけていたら、いつの間にか、スタッフ専用のエリアに入ってて、偶然、着替えのロッカールームに入っちゃったって。よくあることですよね。てへっ、失敗、失敗」
俺は自分の頭を拳で「こつん」と叩く仕草をして、目の前のセクシーディーラー、ヒミさんにウインクをしてみた。
だが俺の小芝居もむなしく、更衣室にはバニーガールたちの絶叫がこだました。
「ギャー! 変態よー!」
「痴漢よー! 助けて―!」
「用心棒さーん! 助けて―!」
バーン!
更衣室の扉が開き、先ほどのメダルをくれたスキンヘッドのマッチョと数名の用心棒がやってきた。
用心棒たちは俺をぐるりと囲み、バニーガールたちは俺を軽蔑のまなざしで見つめている。
だがなぜか、あの丁寧な仕草のセクシーディーラーのヒミさんだけはにっこりとほほ笑んでいた。
……なんか、ドキドキするな。
あっ、いや、違うぞ。変態じゃないからな!
用心棒たちはボキボキと拳を鳴らしている。
「あちゃー……。どうしてこうなったんだか」
事情をなんとなく察したマッチョは、手で顔を覆った。そして静かに合掌をした。
「悪く思うなよ。仕事なんだ」
◇
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