俺はあっさりとウソをついた。
「あっ、ようやく私のことが幸運の女神だってわかってくれたみたいですね。でも、私お金持っていませんから」
「そ、そんな! 頼むよー! 野宿はイヤだよー!」
ガチャリ。コロコロ……。
その時、ラルの部屋の扉がわずかに開いて、一枚の硬貨が転がってきた。
「地下、物置、反省しろ、ジンゴロウ」
ラルはそれだけ言うと、再び扉を閉めた。どうやらこの硬貨で泊まれ、ということらしい。
こうして俺はラルの好意によって、地下の冷たくてかび臭い物置で一泊することができた。
「とほほ、幸運の女神さまとの契約者なのについてねー!」
◇
いま俺はピッチピチのかわいいバニーガールやら、筋肉ムキムキの用心棒やらに囲まれている。
だがバニーガールたちは軽蔑の目線。用心棒たちは、拳をボキボキと鳴らしている。
どうしてこうなったのだろうか……。
「あのう、すみません。ちょっと手伝っていただけませんか?」
ホテルの物置のかび臭さで目覚めた俺は、気分転換にダバラの町を散歩していた。そこで一人の老婆から、重そうな荷物を運ぶのを頼まれた。
え? なんで俺? 他にもたくさん人いるよね?
荷物に目をやると、いかにも重たそうだ。冗談じゃない。
自慢じゃないが、体力はないんだ。
俺には今日、いろいろとやることがあるはずなんだ。大借金を返すための計画を練り、行動を起こさないといけないんだ。
朝っぱらから疲れていたら、何もできないじゃないか。それにもし、重い荷物でぎっくり腰にでもなったらどうするんだ。無一文の俺は絶望に陥ってしまうだろう。
「あー、すんませんけど、俺、いま、急いでいまして」
俺はあっさりとウソをついた。
お読みいただき、誠にありがとうございます!
皆様の「ポイント評価」と「ブックマーク登録」が、とても励みになります!
もしよろしければ、下の 【☆☆☆☆☆】 を【★★★★★】にして『ポイント評価』をお願いいたします。作者が喜びの舞を踊ります。
↓この下に 【☆☆☆☆☆】欄 がございます。




