第十九話『役目』
『ラストです』
『それでは本編へどうぞ』
流石に……落ちるとは思わなかったけど……
「まぁ、これで……思う存分やれる」
手を伸ばして指を鳴らす瞬間にレーザーが化け物の頭上目掛けて落ちてくる
「まぁ、耐えるよね」
斧を手に一気に走る。流石に……無理出来ないから、短期で決着付けたいが……殺すのは何時でもいい……
問題はどうやって足止めし、このクエストがクリアになる条件を探すかだけど……
「伏せろ」
声が響くのと同時に伏せると私の頭上から槍が飛んで化け物が壁に突き刺さり動けなくなるのと同時に引き寄せられて
「待たせたな」
その声だけで誰か分かる。取り敢えず……
「寝る」
それだけ言ってフードの男に身を任せる
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扉の中に入ると彼女を下ろして近くの椅子に座る
「彗星……」
少し変わっていたが……理性ある分は大丈夫。理由も後で聞けばいい……取り敢えずは……
「あの化け物を知ってるのか?」
ぼーっとしてる彼女に聞く
『友達だった……
今は違う……
全て……悪い人のせい……』
悪い人……
「その悪い人は誰だ?」
彼女が俺の方を指さしたのと同時に振り返ると人影が振り下ろしたのが目に入るのと同時に、衝撃が……
来ない
「なるほど……」
彼女に逃げる様に指図すると彼女は物陰へと隠れて。そのまま人影を……いやいやながらも止めてくれた旧支配者が弾いて、そのまま剣を抜いて振り下げた
黒い影は血を流しながら部屋から出ていく。俺は後を追うとしたら彼女が目を伏せていて
「なるほど。君の役目はそれか?」
彼女は黙って頷いていた。俺は彼女を見てからそのまま走って追いかける
確実に俺を狙ったのは確か……となると……
「いい加減力を貸してくれねぇか?お前が必要なんだから」
旧支配者にもう一度聞く。暫くの沈黙の後に折れた剣が普通の剣となって
「そうこなくっちゃな」
そのまま一気に走った
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ゆっくりと起き上がる。頭を抑えながらフードを深く被った男を見て
「何処に行ってたの?」
私が聞くと
「リチャードの面倒事から逃げてたな
いや……
正確には……今、リチャード相手するには戦力が足りない。だからお前らを探してたが……」
フードを外すとレオニダスの顔……大体想像ついてたが……
「何でまたこんな所に?」
流石に黙るのも面倒だし……掻い摘んで説明した。流石に老兵とはいえ、軍人だろうし……話は分かるだろうと思ったが……
「なるほどな。確かにその方が早いが……お前の弟は?」
あー……
「上」
それだけ言うと
「だろうな。さて、戻るにしても……あの化け物をどうにかしないとならいな」
そこになるのか……
「で、事情も分かったし……合流するにしても、俺はリチャードの範囲から出れた訳じゃねぇ
把握されてるかな」
首を傾げると
「能力だとよ。ただ、お前とお前の弟には出来なかったようだが……」
弟に関しては推測は出来るが……私?
「まぁ、どっちでもいいが……化け物は任せろ。お前は合流でもしてろ」
私は頷いて扉を蹴破るのと同時に走った
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剣を手に思いっきり投擲し、逃げてる人物に向かって突き刺さるが、あっさりと引き抜かれてそのまま曲がり角に曲がる
そのまま追うが消えていて、落ちてる剣を見て
「どっちだ……?」
その瞬間に、思いっきり吹き飛ばされて床へと転がり、剣を構えて見ると
「全く……しぶといですね。君は……」
リチャードが立っていた。それも……着物とかじゃなく、黒を基調にした服を着ていて
「それがお前の正体か?」
彼は俺を見て
「全く……彼女は大切な実験体ですから、無闇に連れ回さないでもらえるかな?」
そう言うと角からいつの間にか囚われていた彼女を連れた化け物が歩いてきて
「何が目的だ……?」
俺が聞くと
「あの頃の実験の続きですよ。ただ、完成した奴は何処ぞの馬鹿が殺してしまったから、予備を使いですよ」
……
「人間だろ?。お前はとことん化け物だな」
ゆっくりと立ち上がると、足に痛みと音が響いていて、膝を着いてしまう
「おっと、動かないで貰えるかな。神話を相手にして、生き残ってる化け物を実験材料にしたいからさ……
無闇に殺させないで欲しい」
……
「クソ野郎が」
剣を投げ捨てた
「可愛い顔で汚い言葉を……本当になってないですね。まぁ、そんな事はどうでもいい……
それじゃ、これでお暇させてもらいます」
そう言ったのと同時に何かを操作して消えていく。俺は壁に拳を叩いて
「やってくれたな……
それよりも……」
あの画面……プレイヤーの画面じゃない……
となると、外?。でも、それは無駄な……
「信者か……」
このファンメイドゲーム……はなから実験の為のゲームかよ……やってくれたなぁ……
「大丈夫?」
声が聞こえて振り返ると少女が立っていて、剣を向ける。誰かも分からない存在で得体の知れない……
恐怖の存在……
そんな空気感が強く伝わってきて
「安心して。敵でも無いから。それよりも……君はどうしてここに?」
……
「お前こそ……何しに……?」
彼女は俺の手を取り起き上がらせてくれて
「たまたまかしらね……まぁ、目的もあって来ただけど……まぁ、それはおいおい分かるから今は安全な場所に行こっか」
そう言って彼女の手を借りながらその場を後にする事に
「私はアズ。ただのプレイヤー。まぁ、目的はほぼ達成の様なもんだから」
目的……?
「その目的て何だ?」
俺が聞くと彼女は目を伏せていて
「死んだ友人の為。それだけ」
そう答えると立ち上がり
「私はそろそろ行くわ。それじゃ」
そう言って歩いて何処かへと行ってしまう。何だったん……ろ?
考えて仕方が無いし……取り敢えずはリチャードを止めないと。彼女が心配だし……姉の事も……
「良かった……て、大丈夫!?」
噂をすれば……か
「聞きたいが……彗星だよな?」
俺が聞くと
「説明は……まぁ、怒られるけど、後に。それよりも……レオニダス!」
……
あー、動けねぇのに、頑張って動くしかないのかよ……
「分かった」
それだけ答えて立ち上がり姉に着いていく事に
『つまらないと思うけど……一応必要なので……我慢してください』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』