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【漫画連載決定】Reason for tears  作者:
past and future
4/50

4話 生きるか死ぬか


外に出た私たちは想像していたより遥かにひどい現実を見た。


家は燃え、気分が悪くなる程の生臭い空気の匂い。見渡すとそこら中に人が転がっていた。手には銃やらナイフを持っていた。 


人が死んでいることの予想は出来ていた。もう戦いは始まってるのだから。


でも想像を絶したのはこの光景ではなかった。


もう既に戦いが終わった後のような静かさと生きている人間が誰一人いないゴーストタウン状態になっていることだった。叫べばどこまでも届きそうなぐらい静かだ。


「おい...どういうことだ?死体だらけじゃねーか。」


「ひ、ひでぇなこれは。ついさっきまで生きてたって感じのやつもいるな。出た瞬間襲い掛かってくるやつがいると思ったが…。」


臭いで気分が悪い..。


私たちは手の甲で鼻を抑えるようにして歩いた。


気持ちを固めて出てきたつもりだったけど、この現実に頭が一瞬で真っ白になり、足が震えてしまっていた。


みんなが私の肩に手を置いた。


「大丈夫だ。俺たちがついている。」 


「ええ。そうよ。今はとりあえず目的に向かって進むだけ。ティナそうでしょ?」


口ではそう言っていても手が震えているのが伝わってきた。私だけじゃない。みんな私と同じように感じている。


私は、軽く頷いた。  


『進むしかない。』 


私たちは焼けた死体、殺し合った死体。自決したであろう死体。抵抗も出来ぬまま殺された親子の死体を横目に歩きつづけた。 


直視はせずそれが一体なんなのかを確認する程度に。


すると、爆発音が響き渡った。


私たちは一目散にコンビニの中に逃げ込んだ。 


爆風で逃げ込んだコンビニの窓ガラスが割れ、並んでいた商品が吹き飛んだ。


「おい、無事か?」


「う、うん。ちょっとガラスで指を切ったけど大丈夫。」


「それにしても爆弾まで使ってんのか。」


「本当に日本かここは…。無茶苦茶しやがるぜ。」 


「ちょっと待って!誰かこっちに近づいてきた。」


私たちは商品棚の隙間から入り口を見た。


こちらに向かって男2人女1人がナイフのようなものを武装して近付いてきた。


【やらなければやられる。】


まさにそんな状況だった。


3人はコンビニの中に入ってきた。


すると陳列された商品をカバンに詰め込みだした。


(こんな状況だ。盗みなんて大した問題ではない。) 


私たちは息を殺しながら隠れていた。その時、ヒマリが小さく口を開いた。


「今がチャンスだと思う。」


「え?なにが…?」


「やるなら今だと思う。油断してる今なら殺れるよ。」


ヒマリが言い放った言葉にみ最初は一瞬戸惑ったけどすぐに理解した。 


そしてなにより先に見つかる前にやれば逃げられるリスクも回避できる。逃げられて応援を呼ばれる方が面倒だ。 


やるなら一発で仕留める。


「わかった。殺ろう。まずレンは飲料売り場にいる男を。イオリはレジを漁ってる男を。」


「トイレに行った女は...私が殺る。」


私はもう既に覚悟を決めていた。


「わ、わかった。じゃあティナは女を頼む。やばくなったらすぐ加勢するからな。」


「うん。」


自分達以外はここにいないと思って完全に油断している。


私はしゃがみながら本棚に移動した。


後ろを一瞬見るとイオリが男の口を押さえ首を絞めていた。


(もう戦いは始まっている。)


イオリのその姿に気持ちが完全に固まった。


レンは飲み物をカバンに詰め込んでいる男の背後にゆっくり近づこうとしている瞬間だった。


その時だった。飲料水が入っている冷蔵庫のドアガラスにレンが一瞬映ったのか、すぐに男は振り返った。


「だ、誰だ!てめぇは!」


レンはすぐに男の口を塞ぎ首を絞めた。


その声にトイレにいた女が気付いた。


「どうしたの?!」


私はすぐにトイレに向かい女が出てくる瞬間を襲った。


わたしとその女は目があった。


『あ、お前は!みんなティナって女がい…た…。』


一瞬の出来事だった。私はその女の背後に周り口を押さえながら持っていたナイフで首を掻っ切った。


女の声が掠れて(かすれて)いった。


私もとっさの行動で自分がなにをしたのか女が息絶えるまでわからなかった。


血しぶきもあがり周りは血に染まった。


すぐにみんなかけつけてきた。


レンとイオリは気絶した男2人を引っ張りながら連れてきた。


「ティナ!大丈夫か?!」


最初に一言放ったのはレンだった。


「私は大丈夫。でも殺しちゃった…。」


「仕方ねぇよ。もう俺たちはこうするしかないんだから。」


「そうだね。でもまさか叫ぶとは思わなかったんだ。」 


「…。」


いきなりレンがナイフを取り出した。


「え?」


レンはさっき気絶させた男の喉元をナイフで切った。 


すると同時にトオルも男の喉元を切りつけた。


「これでもう1人殺ろうが、2人殺やろうが関係ない。これからはこんなことが当たり前になる。今のうちに慣れておかないといけない。」


「う、うん。」


それを後ろから見てたトオルとヒマリは私を見てこくりと頷いた。


「俺たちは食料をカバンに詰め込んでくる。」


「わかった。」 


レンとイオリはトイレの中に3人の死体を隠した。


「これからも襲ってくるやつ、敵対するやつは同様にやらないとな。」


「そうだな。気絶させるなんて生ぬるいことを考えている場合じゃない。こいつらの私物を見てみろ。」


「銃...?」


「そうだ。従うものには国から銃が支給されてんだ。。」


「平気で向こうも殺しに来てるなら容赦はいらねぇってことだな。」


(そう。わたしがしたことは間違っていない。戦争とはそういうものだから。)


私は女が持っていた銃を手に取り奪った。


「おいみんな食べ物を詰め込んだぞ。これだけあれば食料の心配はなさそうだ。」 


「すぐに他のやつらもここにくるはずだ。場所を変えよう。」


「そうだね。敵なのか味方なのかを確認する方法はないかな。」


「それなんだが、1つ見極める方法があった。」


「心当たりって?」


「これを見てみろ。」


ワッペンみたいなバッジを見せてきた。


「これは?」


「さっきのやつらが肩に付けていた。恐らく国が配布してる忠誠の証みたいなもんだろ。」


「ってことはこれを付けてない人は...。」


「そう。国に反発して除外された俺たちと同じ立場の人間ってことだ。」


「肩を見れば敵か味方かすぐにわかるってことか。」


「そうだ。向こうだって数が半端じゃないからこういった目印がないと仲間撃ちが起こってしまうからだろうな。」


「じゃあ判別の方はなんとかなりそうだね。」


「うん。そこでこれからなんだけど私は一回、近代町に一回戻ってみようと思う。もしかしたら 抵抗してる人たちがまだいるはずだと思うから。」 


「わかった。俺は病院へ向かおうと思う。親父の友人に会えればもっと情報と仲間が見つかるはずだ。」 


「確かにあの規模の病院なら治療も出来るし逃げてきた人たちも多そうだな。」


「だがこの人数でいくのは流石に目立つ。そこで近代町ルートと病院ルートに分けようと思う。」


「わかった。振り分けは私が決めてもいいの?」


「ティナちゃんに任せる。」


「ああ 決めてくれ。」


「ティナ俺も近代町に行く。母さんの安否を知りたい。」


「わかった。」


「それじゃあ、ヒマリとイオリとトオルは病院に。」


「私とレンは近代町に行く。」


「明日の夜7時にわたしとレンは病院の方に向かうからそこで合流しよう。」


「わかった。それでいこう。」


「じゃあ早速 行動に移そう。 暗くなってきたから少しは歩きやすいと思う。」


「じゃあまた病院で。」


そういうと私たちは軽く手を振り逆の道を歩き出した。


その頃 ~同時刻 近代町~


【ティナに殴られた男が任務のためまだ近代町にいた。】



(従ったやつは約400人ってとこか。)


(抵抗したやつは30人と少なかったが、任務とはいえ人を殺めるのは慣れんな。)


(俺にはまだ小学生の娘がいる。妻は3年前に亡くなり、今は娘だけが生きる希望だ。)


(この計画に対して反対派だったがこれに従わないと家族までも国は手にかけると言った。そう俺たちはただの捨て駒であり、逆らえない立場。)


(仕事として割り切るなら簡単だ。だが、もう俺の中でこれが仕事として呼べるものではなくなっていた。)


(そういえば あの女の拳はすげぇ強烈だった。体格もふつうの女と変わらなかったのにどこからあんな力が出るんだ?)


【それにあの目…。】


(なんであの時、俺を殺さなかった?もし国が言うように本当に危険なやつならあそこでとどめを刺すはずだ。なのに何故俺を生かす必要があった?)


「ふっ。ガキに弄ばれるぐらい俺もなまったってことか。」


「おい!なに休んでるんだ!」


「もう選別も反逆者の始末も終わったとこだ。」


「そうじゃない。たった今、偵察班からの連絡であの女と男1名がこちらに向かっていると連絡があった。」


「なに?!あいつがこっちに戻ってきているだと?」


「ああ。だからお前も来い。あのお方が来る前に奴を始末できれば俺たちはきっと昇進だぞ。」


「わかった。先に行っててくれ。」


「今度は油断しない。次会ったら殺してやる。」


(それにしてもあのお方って誰なんだ一体。上層部が直々にここまで来るのか。)


「こっちの数は50人弱。相手は二人。馬鹿な連中だ。もう引き上げたとでも思っているのだろう。」


「いくら強くてもこういうとこはガキだ。俺が行くまでにもう殺されているだろう。」


俺は銃を持ち、あの女がやってくるであろう山道へと向かった。


(組織が待ち伏せしているのも知らないティナたちは近代町に戻るため、また山道を歩いていた。)

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