第七話「断罪される救世主」5
ダイニングテーブルで真奈と二人でカップラーメンを食べている時だった。
BGM代わりに付けていたテレビから、衝撃的なニュースが舞い込んできた。
「―――本日、プリズムクリエイティブ所属のタレント、天海聖華さんが活動4か月目にして療養期間に入ることが所属事務所から発表されました。記者会見などはしない模様で、現在のところ、活動休止は関係各所への情報伝達から判明しているもので、ファンに向けての報告は、本人からのメッセージと共に、公式サイトから追って発表されるとのことです」
「えっ……唯花?」
普段なら聞き流すようなニュースキャスターの音声だったが、俺は唐突に唯花のタレント名称である天海聖華の名前と所属事務所の名称を聞き、反射的に視線をテレビに向けた。
あまりに事前情報がなかったので、すぐに報道されている内容が頭に入って来なかったが、画面を見つめながら、その内容が徐々に現実のものとして認識できるようになっていき、そのままアナウンサーの読む原稿に釘付けになった。
「所属事務所からの突然の発表はグループ内でも衝撃が走っており、ファンの間でも突然の発表に動揺が走っています。現在のところ、復帰の時期などは未定で、ドラマなどの出演作品は代役が起用されるなど対応が検討されており、天海聖華さんの体調に関しても詳しい状況は現在のところ分かっていません」
俺が黙ってアナウンサーの声に集中していると、真奈も気付いたのか、一緒にテレビを眺めていた。
「―――おねえちゃん、だいじょうぶだよね?」
カップラーメンを食べる箸を止め、真奈は心配そうに口にした。
俺は頭が混乱していた。あんなに真剣に頑張っていたアイドル活動の休止、ここまでの事態になるとはまるで想像していなかったのだ。
真奈にどう返答していいのかも俺は分からず、ただ茫然とテレビを眺め続け、全部嘘であってくれたらいいのにと思うことしか出来なかった。
報道された事実以外に思ったことは、唯花の心労は、おそらく俺が思っていたよりずっと深かったのかもしれないということだった。




