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すれ違いー妄想と現実のはざまでー

翔太と優子は海に着く。優子は翔太に手を取られバイクから降りる。

翔太「大丈夫?寒くなかった?」優子はうなずいた。

優子「大丈夫。バイクすっごい気持ちよかった」

仕事をして、家事をして、陽太郎と話して、寝る。優子は毎日のこの繰り返しに刺激を求めていた。

バイクに乗ったことで、すっきりした気分になる。バイクに乗っただけではない。

 翔太「..........っ...............!!」あの薄暗いバーの中でのキス...............


 翔太「ちょっと..........あるこっか...............」

 優子「うん。」久しぶりに優子は笑う。笑いながら、海岸沿いを二人で歩いた。

 優子は、翔太の左側を歩いている。優子はすっと翔太の右手に左手を絡ませ、支援と肩を組む。

 頭を方にもたれからせる。

 翔太「おいちょっと...............」優子「いいの。ちょっとこうさせて」

 二人は黙って、浜辺までの海岸を下りる。

浜辺に座る。翔太は優子に寄りかかっていた。波の音が二人の心をいやした。

 カモメが泣いた。とても現像的な雰囲気...............

 翔太が、優子の頭を上げた。ふたりの目が合う。今度は翔太からキスをした。

 優子「...............っ...............」

 キスが終わる。優子は潤んだ目で翔太を見つめる。ふたり見つめ合う。優子はつぶやいた

 優子「今日は...............かえりたくないな...............」

 翔太「...............奇遇だね...............」

 優子はパッと赤い顔をして振り返った。

 翔太「俺も同じこと...............考えてた...............」

 優子はニコッと笑った。ふたりが立ち上がる。

 翔太「いこっか...............」優子「うん。」二人はバイクでホテルに向かった。


 一方の陽太郎は白木屋で待っていた。

まどか「ごめーん。待たせちゃったね。」

陽太郎「いやいや。ぜんぜん。」

まどか「ちょっと熱いわね...............」

まどかはTシャツの胸の部分を引っ張る。それをじーっと見つめてしまう陽太郎。

まどか「あ?まただー」

陽太郎「..........へ...............」

まどか「またみてたでしょ。ここ」

陽太郎「...........ごくっ...............」

まどかはすっと立ち上がり、陽太郎の隣にいきなり座る。すっと耳打ちする。

まどか「あなたにならみられていいわよ。もっと見て」



まどか「ちょっと!!...............陽太郎君?大丈夫?」

陽太郎は振り返った。いけないいけないと現実に戻った。

陽太郎「ああ。大丈夫。大丈夫。」

まどかは前の椅子に座る。

注文をタブレットでする。

とあえずビール二つとフライドポテト枝豆を頼んだ。

陽太郎は時計を見る21:30になっていた。

陽太郎「こんなになるまで仕事、大変だね。」

陽太郎は、ただの会社員。

まどかの口から次々と飛び出す「会合」「プレゼン」「取締役」──まるで別世界の会話。正直、頭に入ってこない。


まどか「ちょっと!!」

陽太郎「…………へ?…………」

まどか「聞いてるのっ!!」

陽太郎「き、聞いてるよっ!!ちゃんと!!」

まどか「……また別のこと考えてたでしょ?」

陽太郎「えっ、別のことって……」

まどか「この後のよ・て・い……」

陽太郎「…………」

まどか「大丈夫よ。今日、翔太くん帰ってくるの遅いの……」

陽太郎「……ごくっ…………」

まどか「……やさしくしてね……」



店員「はい。ご注文のビールになりまーす。」

テーブルの上にドンっと置かれて、現実に帰る。

まどか「じゃあ。とりあえず。乾杯しよっか。」

まどかと陽太郎で、グラスを乾杯する。ビールを飲む。

ビールを飲むときのまどかさんの首元が動く思わず注目してしまう陽太郎。

まどか「ぷはぁっ。やっぱ仕事終わりのビールはいいわよね。」

お酒を飲むことで女社長というかぶったからがだんだん崩れてみだらになっていく。


店員の手が滑り、グラスの中身がまどかの胸元にこぼれる。

シャツが肌に張り付き、輪郭があらわになっていく。


店員「きゃあーっ!申し訳ありませんっ!!」

まどか「……いいのよ、大丈夫。」


陽太郎「だ、大丈夫ですか……?」

まどか「……ふふ。そんなにじっと見ないで。」


陽太郎は必死に目を逸らそうとするが……見てしまう。いや、視線が釘付けになる。


まどかは、濡れたシャツを少しだけ引き、陽太郎の視線を受け止めた。


まどか「……いいのよ」

陽太郎「……へ……?」

まどか「……もっと見て」

まどか「陽太郎くんだけ、特別なんだから……」


まどか「...............陽太郎君!!っ」

まどかが大きな声で呼びかけた。陽太郎は妄想ばかりになり全然話が入ってこない。

まどか「どうしたのさっきから、ずーっとぼーっとして大丈夫?」

大丈夫ではありません。あなたの色気と美貌で頭が現実から切り離されています。しかし

陽太郎は答えた。

陽太郎「大丈夫だよ。」フライトポテトと、枝豆が来たそれを食べる指先と口元もセクシーだ。

しかし、あることに気が付いた。

陽太郎(婚約指輪がない...............)

陽太郎「まどかさん?今日は婚約指輪はしてないの?」

まどかはそれを聞き、小悪魔な顔で笑いながら答えた。

まどか「うん。きょうはちょっと...............ね...............」

陽太郎の左手の薬指には婚約指輪が光っていた。

まどか「陽太郎さんは相変わらずしているのね。奥さんとラブラブでうらやましいわぁー」

板津らにほほ笑んだ。その顔も愛おしい。

陽太郎「いやあ。まぁー。」そういうといきなりまどかは陽太郎の左手をつかんだ

陽太郎「...............へ...............」これは得意の妄想ではない現実だった。

陽太郎の左手から感じる、まどかの右手のぬくもり...............

まどか「フフフ...............陽太郎さん可愛い...............ちょっと貸して」

左手を見ながらまどかは指輪をよく見る。

まどか「可愛い指輪ね」

陽太郎「ああ。ふたりで、横浜の桜木町まで気に入ったの選んで買いに行ったからな。」

陽太郎の手の奥にまどかの顔がある。お酒が入り赤くなっている。自分も入っている為陽太郎の胸も高鳴る。

まどか「...............ねぇ...............」

陽太郎は頭がくらくらしていた。妄想と現実の境目がなくなろうとしていた。

まどか「...............その指輪...............私がはめてみてもいい...............」

陽太郎は驚くしかし、断る暇もなくまどかは指輪を外した...............

陽太郎「まどかさん...............ちょっと...............!!」

まどかはその指輪をはめる。左手の薬指に、そして微笑む。

まどか「ホント...............きれいね...............」

陽太郎「...............」指は話はめながら眺めているその姿に陽太郎は目を奪われていた何も言葉が出てこない。

まどかは自分の左手の薬指から指輪を外し、陽太郎に返す。

陽太郎の左手にはめようとしたときにその手を引っ張った。

陽太郎とまどかの顔が近づいた。唇と唇が重なる。

まどか「...............」 陽太郎「...............」

また妄想かと思った。違った。唇から陽太郎にまどかのぬくもりが伝わって来た。

頭が真っ白になる。現実が薄れていく。優子の顔が...............消えていく...............

まどかすっと離れた。

まどか「ありがと」陽太郎「え?」

まどか「指輪...............」

陽太郎はもう振り回されている。目の前の女社長の色香に。そしてとんでもない提案をされた。

まどか「私...............かえりたくないの...............」もう妄想か現実かわからなく、陽太郎はうなずくしかなかった。

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