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312.斜坑

 一行が鉄格子を潜ると斜坑が現れた。その斜坑は地下空間からの換気口の役割があるようであった。しかし、そんな弱点があるのに公爵はなぜ弱点を放置しているのか疑問に思っているとヨワイムはこんなことを言い出した。


 「この斜坑を見つけたのはこのわしだけなんだ。だから連中は知らないはずだ。でもな・・・」


 「ヨワイムさん、でもなんですって?」


 タクヤは聞いてみると、斜坑の壁を触った。すると指にコケのようなモノがこびりついた。


 「このようにヌルヌルしているんじゃ、だから滑りやすいんだ。だからな」


 そういって鉄格子に鉄縄を巻き付けると安全ベルトをかけて、こういった。


 「本当はワシが先頭に行くべきだが、ベック悪いがきみが行ってくれ!」


 指名されたベックは怪訝な声色で聞き返した。するとヨワイムはすまないなあといった表情で彼女の固い肩をポーンと叩いた。


 「それはなあ、君が体重が重いからだよ! 青銅人形なんだからな、今は! 悪いが」


 それを聞いたベックは地団駄を踏んで不満な感情を示した。


 「そりゃ、そうですよ! なにもこんな身体になりたくてなったわけじゃないんですよ! 本当に腹が立つ!」


 「ベックさん、可哀そうですよ、なんでですか?」


 アサミは聞くとヨワイムはアサミにも肩を叩きながら、またもすまないなあという表情をしながら答えた。


 「それはな、滑りやすいんだよ! だから下敷きになった場合持ちこたえそうなのを先頭にしないと、滑り落ちた時に圧死しちゃいけないからな。特に君! 訓練なんか何もしていないように見えるからな」


 そう名指しされたのはタクヤだった。剣を使う以外にこれといった魔道力がなさそうにしかみえなかったから、仕方なさそうであった、

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