256.黒装束の老婆の告白
白い閃光の中に消えていった二人の前には確かに”死の女神”の骸があった! その骸と一緒に消えてしまった。後に残されたのは得体のしれない箱だった。その箱にさきほどの連中が殺到し始めた。この連中の目的はこちらのほうだった。
「お嬢さん、そこにいるんだろう? 結界を破ってくれてありがとう。わしらの目的はこっちだったんだ。これは”死の女神”を拘束するシステムだったんだよ。その中には破綻戦争以前の失われた多くのモノがのこされているんじゃよ、きっと。だからありがとうな。
そうそう、この青銅の塔も用済みだから壊すからね。いまごろ塔の下に爆破装置をセットしているころだからな。せいぜい消えた二人を探し出してから逃げる事ですなあ。お前さんは一人で逃げる真似はしないだろうから」
黒装束の老婆は勝ち誇った声で話していた。これだけの兵隊人形ならその気があるならメイファンを葬ろうとしているはずなのに、しようとしていなかった。って、ことは用済みということらしかった。
「あんたたちねえ、メルキュアを何故沈めたんだよ? あの潜水艦なら相手にならなかったはずなのに!」
「メルキュア? ああ、あのギルドのボロ船ね。ちょっと標的にしただけさ。なあに、しばらくすれば、この世界にあるギルドもギルドの僕になり下がった諸邦も同じ運命さ」
「あんたたちって、まさかこの世界をひっくり返そうというわけなの?」
「そうさ! こんな管理された世界なんか壊れてしまえばいいんだよ。そうすれば、この”死の女神”を支えていたお方の遺志を実現できるわけさ」
「”死の女神”を支えていた奴? それを知っているという事は、もしやあんたたちの・・・首魁?」
「そうよ! でも教えてやらねえからな。もうすぐお嬢さんたちは最期を迎えるんだからな。まあ、無事に脱出出来て再度会う事があれば、ヒントぐらいは教えてやるからな!」
黒装束の老婆はそういって引き揚げて行った。メイファンは追う事が出来ないのがくやしかったが、それよりも大事な事をしなければならなかった。アサミとタクヤを探さないと!




