248.死の女神の間
ここ、青銅の塔の階段は、傾いていた。それは崩壊したのが、奇跡的に残ったためだが、その場の空気も歪みがあった。それは結界によるものだった。
過去の青銅の塔に関する調査では、時間とともに移動することがわかっており、幾度も探検家が行方不明になっていた。それもこれも”死の女神”が原因であるとされていた。彼女が滅してから何百年も影響が残っている原因はわからなかった。
一行は途中で崩れ落ちた塔の上にあった女神像の下部にたどり着いた。像は胸の下辺りからした残っていないため、そこから灰色の空が見えていた。像は中空だったのだ。
「メイファンさん。これから行くのはどこなの? 早く目的地に案内してください」
「そんなに急がないでもらえない? 目的地は真上よ!」
メイファンが指を指し示したのは中空になった女神像の腰あたりにある繭のような物体だった。それはガラスのように半透明になっていた。その中になにかが輝いているように見えた。
「あそこが”死の女神”の居室があったといわれているところよ。俗に死の女神の間ともいわれているのよ。
この青銅の塔はいたるところトレジャーハンターに荒らされているようだけど、あそこだけが略奪にあったことがないといわれているんだよ。
そこは結界が強力でね。いままで記録上では二度進入できた魔道士がいたそうだけど、短時間で跳ね飛ばされたそうよ。
その短時間でわかったのは今も”死の女神”の骸があって、切り離された首にはティアラを被ったままだそうよ。それが何の力を持っているのかはわからないけど、指示書によればティアラを持ち出さないといけないとのこと、されているわ。でもね・・・」
「でもね、って何なのさ。さっきから聞いていたら俺とアサミに墓をあばけとでも言っているようでいい気がしないぞ。いったいギルドは何が目的なんだよ」タクヤはそういって剣を出していた。剣は怪しげな光を放っていた。
「その理由は・・・わたしもわからないわ。でも、もし危険があると思ったら逃げ出しましょう。一応上陸に使ったボートには短距離なら三人を乗せて飛行できる魔法気球のセットがあるから。さっきメルキュアを沈めた奴から逃げれるかもしれないから」
タクヤはそんなものがあるなら今すぐ逃げてもいいんじゃないかと思ったが、それでは船長が浮かばれないとも思った。とにかく死の女神の間に入ることになった。
メイファンはギルドから貸与された強力な結界破りである”ヴァリンスの盾”を持ち出してきた。そして三人で一気に突入することにした。三人が進むごとに結界の圧力が強まっていったが、三人は跳ね返そうとしていた。しかし次の瞬間、盾を持ったメイファンだけが跳ね飛ばされ、アサミとタクヤが結界の奥深くに引きずり込まれてしまった。




