247.振り向いで戻ってはダメ!
青銅の塔から白い水柱の中で「メルキュア」が粉々になるのが見えた。老朽船なので物理的攻撃の前ではひとたまりもなかった。
その時、船長はどうなったのかはわからなかったが、脱出できたようにはみえなかった。「メルキュア」の大きな残骸はすぐに鉛色の海に沈み細かいものは浮遊物になっていた。
「いったん戻りましょう! 船長さんを・・・」アサミはそういったが、すぐメイファンが押しとどめた。
「それはダメ! 残酷なようだけど。戻ったとしても私たちには沈めた奴と戦う術はない! それに青銅の塔でのミッションを貫徹しましょう。その方が船長さんのために・・・」
メイファンがそう言ったのは正しいと言えた。ここまで乗ってきた魔法船も「メルキュア」のすぐそばに係留していたので、たぶん被害を受けているのは間違いなかった。いま一行にあるのは上陸用のボートしかなかった!
「たぶんメルキュアが最期を迎えたときに救難信号を発信しているはずだからギルドの警備艇が駆けつけtくれるはずだから・・・」そういったもののメイファンは不安で仕方なかった。襲ったやつらの正体がわからなかったからだ。
老朽船とはいえメルキュアを葬った魚雷を持っていて姿を見せないのはたぶんそれなりの大型の潜水艦だとおもった。しかし潜水艦を持っている国家が忌の海で活動しているはずはないから、もしかすると闇の・・・
「メイファンさん! それじゃあ私たちはどうすればいいんですか? このまま続けろと」窓を眺めていたタクヤはやるせない雰囲気を漂わせていた。タクヤのもつ剣では海の中にいる奴を退治することはできなかった。
「わたしも、船長さんが不憫だけど・・・とりあえず目的の部屋に速く行きましょう。奴らが来る前に!」
メイファンに促され一行は先を急いだ。この青銅の塔の上層部に続く階段はまだまだあった。




