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元ホームレス・タクヤとネコ耳娘アサミ魔道伝!  作者: ジャン・幸田
第一四章 ”死の女神”の残滓
245/313

245.エントランス

 青銅の塔のエントランスと呼ばれているところは議場であったといわれているが、現在ではそれが何であったかは問題でなかった。酸化した金属の塊が床にころがるだけであり、もはや何の役にも立たないからだ。そうここは永遠に向かって朽ち果てていくだけの場所だった。

 この青銅の塔も徐々に海へと沈み込んでいっているので、そのうち姿を見ることは出来なくなると言われていた。もっとも現在この世界に住む住民からすれば、そんなものが見えなくなっても社会になんら影響を与えるものではないし、関係のないことだった。


 ただ、その青銅の塔に”死の女神”の遺物、しかも現在の秩序に悪影響を与えるものがあると知られたら大変な事になるところであった。

 その”死の女神”の残滓がここにあった。どの程度かはわからないが”死の女神”の転生体であるアサミと、その”死の女神”を操っていたからくりだ。その両者を引き合わせなければならない事情があったので、今回のミッションが急遽行われることになった。


 エントランスには古い装置が置かれていた。それには魔導士ギルドの紋章が描かれたものだった。それは何かの観測機器を収めているようだった。

 その装置からはケーブルが伸びていており、ちょっとした宿泊施設があった。それにを見たアサミもタクヤもこんなところに泊まりたくないと思っていた。その周囲には棺のようなものがたくさん置かれていたからだ。


 「この棺は、塔の中で発見された遺骸が治められているのよ。本当は水葬にでもすべきだけど、この忌の海に葬るわけにはいかないので、いつか外部に運び出す予定だったけど、貨物船ですらこの青銅の塔への航海を拒否するから頓挫してね、そのままなのよ」


 メイファンはそういってくれたけど、たとえ棺がなかったとしても、ここの空気は重くマイナスの瘴気のようなものを感じていた。エントランスでこの嫌な空気だったから、奥の方はもっと厳しそうだった。


 それにしても地下のダンジョン、難破船の次のミッションがこんな陰気なところだというのは嫌だとアサミは思っていた。それに今回のミッションが自分のいくつかまえの前世にかかわりあうと思うと、気がめいってしまいそうだった。


 エントランスの残骸をよけて一行は階段を登り始めた。塔の中央にはエレベーターを通すために設けられていたハチの巣上の空間があったが、その周囲に階段があった。ただ数百年も風雨にさらされていたので、階段のいたるところが砂のように崩れてしまうので、登るのが困難なところもあった。


 メイファンが地図を見ながら案内していたが、塔の真ん中まで登ったときに沖合に異変が起きた。巨大な白い柱があがっていた。その水柱の中央には一夜を過ごした「メルキュア」だった。

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