第28話
ルキくんを保護した私たちは今、もうひとつの依頼をしにアンラの森に向かっていた。
「ははっ、早いや」
「そうだね。早いね」
「どこに向かうの?クレハ」
「ん? アンラの林にドラゴン退治」
「え! ドラゴン!」
「なんだ、ドラゴン退治が」
「なんでそんな反応なのさ!レイは。ドラゴンだよドラゴン」
「それがどうした」
普通は驚くよね。
「大丈夫よ。強いから」
「過信してない」
あら、辛口の評価。
「ふふ、平気よ。そうそう、二匹いて縄張り争い中らしのよ」
「やばいよ!もっと危険感もとうよ!」
「もうすぐだぞ」
「わかった」
グギャーー
「あら」
「出たー。アヤバドラゴン!」
アヤバドラゴン、気性が荒く炎系統のドラゴンだ。
「ルキくん、しっかり捕まっててね」
「え?! うわ!」
ドラゴンが翼を動かすとすごい風が吹く。
「さーて、どうするかな」
「まずは、翼からだろ」
「そうだね。レイ」
「ファイアーブレス」
「サンダーブレス」
「スゲー」
私たちはドラゴンの翼めがけてブレス技を放った。
ドラゴンは翼に穴が開いて飛べなくなり落下してきた。
「ローライ」
レイは魔剣ローライをだし、アヤバドラゴンの弱点のお腹めがけて剣を突き立てた。
それから尻尾まで真っ二つに切り上げた。
「な?!ありえない! アヤバドラゴンの鱗は普通の剣より硬いのに」
「普通の剣じゃないからね」
レイの剣は魔剣、なんでも切り上げる能力のね。
「さって、解体しますか。まっててね」
「ああ」
「なにこの人たち……」
ふふ、ドラゴンのお肉っておいしいって聞くから食べるの楽しみだな。
そんなことを考えながらドラゴンを解体していった。
「解体終了っと」
「次のドラゴンはどうするんだ」
「ん?もとからここを縄張りとしているドラゴンだから話し合いで終わればいいな」
「そうか」
「俺、この二人の会話についてはいけないわ」
「さーて、行くよ」
アヤバドラゴンの退治が終わり、私たちはアンラの森の縄張りの長レジューダルドラゴンに会いに向かう。
「さてと、レジューダルドラゴンに会いに行くわよ」
「場所わかるの?」
「なんとなく」
「なんとなくって……」
「フェンの鼻もあるし……」
「レジューダルドラゴンに臭いはわからないぞ」
「うっ」
「だめじゃん」
「仕方なかろう」
「でもさ、レイって、蛇!」
「まだ、紹介してなかったな。使い魔のヨルだ」
「よろしくね」
「よ、よろしく」
「早く、置いてくよ」
「待ってよ。どうせ場所わからないでしょ」
む、そこまで言うなら見てらっしゃっい。
見つけてやる‼
「にしても、整備されてるな」
「この森は貴族や旅人が頻繁に通るから」
「ふーん。詳しいね」
「うん。まあ」
やっぱ、貴族の出かな。
ん?神眼で通常の魔力より多くある場所がある。
あれは……。
「あっ、あっち行こう」
「まって、そっちは行き止まり」
ルキくんの言っていることを無視して私は走った。
「はーはー、待ってよ。クレハ」
「洞窟」
「え?!洞窟?」
「ここに?」
「うん」
私は洞窟の中に入った。
「え!ま、待ってよ」
レイ、ルキくんと続いた。
「ファイアー」
洞窟の中は暗い、レイは炎をだし周りを照らす。
ライトを使えるけと今はルキくんがいるから。
「お主ら、何ようだ」
そこには鱗が白く髭が長いドラゴン、レジューダルドラゴンがいた。
「私たちはギルドの者だ」
「ふ、私を討伐しに来たか」
「半分はだ」
「半分?」
「ああ、アヤバドラゴンは討伐済みだ」
「そうか」
「おまえは基本人間を襲わない。だから話し合いで終わらせたい」「人間か」
もしかしたら私たちの正体に気づいているかもしれない。
「よし、よかろう」
「そうか」
「クレハって、交渉術にたけてる?」
「かもな」
「私はいつも通り生活しておれば良いのだな」
「私の判断上な」
「そうか」
よかった、成立して。
「私の名はアルバーラ。そなたは」
「クレハよ」
「クレハか、また遊びに来るといい」
「うん。またね」
私たちは洞窟から出た。
「クレハはすごいね」
「えへん。当然よ」
「帰るか」
「フェンの載ってけばヒット走りよ」
「明日のこともあるしな」
「明日?」
「学園に通う準備」
「え!学園に行ってなかったの!」
「うん」
「クレハ、ソレイユ学園については説明してほしい」
「は」
ルキくんが何言ってるのって顔している。
「色々な学園が集まった場所が学園都市、店も市場もあるからちょっと変わった街だと思って。ソレイユ学園はその学園都市の学園の中の1つ。戦闘を始めとする色々な分野が組み込まれたカリキュラムが特徴の名門校よ。学園は学園都市以外に国お抱えの学園もあるわ」
「わかった」
「なんで当たり前に説明してるの」
仕方ないよ。
私たちは魔族だもの。




