第24話
「やって参りました。ターニャ!」
私たちは今、ターニャにいます。
「やけにテンションが高いな、クレハ」
「好奇心旺盛だからな」
「そっか」
レクターさんがほほえましくこちらを見ていた。
「皆、護衛、ご苦労様」
「いえ」
「ここでバンさんとお別れか」
「そうかな? クレハちゃんたち、何かあったら私を頼りなさい。それと、必要な物があったら買いにおいで」
「うん」
「これを持ってなさい」
「これは?」
バンさんが私たちにひし形と五角形のチャームがとおった輪を渡してきた。
「それがあれば個人に対して転移ができるよ」
「それってメヤ石!」
「よく知ってるね」
「さすがはアナリ商会ですね」
「ああ」
メヤ石と聞いたエバンさんたちは驚いた。
当たり前たね。
メヤ石は基本軍部がしようしている石だからめったに手に入らない。
さすが世界のアナリ商会。
だが、魔族領には普通に売っている。
私もサフェート兄さん行きのメヤ石もがある。
「もうひとつはレイくんたちのメヤ石だよ」
「え?」
「いいのか?」
「いいさ」
「わー、ありがとうございます」
でも、すでにレイ行きのメヤ石あるんだよね。
くれた石は転移対象ができるまで大切にとっとこう。
「どういたしまして。レクターくん、ギルド支部長にこの手紙を渡してくれ」
「わかりました」
「ふふ、じゃあまたね」
「また?」
そう言ってバンさんと別れた。
「俺たちはギルドに行くぞ。クレハたちもだ」
「私たちも?」
「登録するんだろ」
「そっか」
私たちはギルドに向かった。
◇◆◇◆
「ねぇ、あの銀髪の人格好良くない」
「ほんと、格好いい」
「声かけない?」
「でも」
「なあ、今の見たか」
「見た、美人だし、胸がでかかったな」
「一緒にいる奴らが羨ましい!」
周りの女、男が私とレイを見てさわいでいた。
「すみません。一緒にお茶しませんか」
「近くに美味しいコーヒーと紅茶をだすお店があるんです」
美人に分類されるだろう二人がレイに猫なで声で話かけてきた。
うわー、勇気ってか怖いもの知らずってかよくレイに話かけたな、女の人たちにすごく睨まれてるよ。
「くー、顔がいいとこうだ!」
「ユージたちもイケメンだと思うけど」
「そ、そうか」
「うん。ただ、レイの方がスペックが高かっただけだよ」
「おまえ、慰めなのか汚したいか」
あや、慰めのつもりなんだけど……。
「他をあたれ」
「いいじゃないですか」
「そうですよ。あんな女より私たちといた方が楽しいですよ」
「なぜ、そこで私がでる」
「一緒にいるからだろ」
「ですよねー」
「断る」
「えー」
女の一人がレイの腕に大きな胸を押し当てた。
ただデカパイなだけじゃん。
私も充分大きいけど……。
「しつこい」
「奢るからさー」
「はぁ、ヨル」
「シヤー」
「キャー」
「へ、ヘビ! イヤー」
レイの呼びかけでヨルが顔を出したら、女たちはすぐさま逃げてった。
「サンキュー。これからからまれたらこうするか」
「はは」
確かに効果的だ。
「そこの嬢ちゃん、リンファはいらんかね」
果物を売ってる屋台のおじさんに声をかけられた。
「リンファ?」
「知らないのか。今の時期が旬でうまいぜ、ひとつどうだ?」
図鑑でしか見たことないな。
「頂戴!」
「はは、美人だから二つおまけすんぜ」
「わーい、ありがとう」
「クレハ」
「レイもいる?」
「もらう」
「寄り道してるとギルドにつけないぞ」
「はーい」
◆◇◆◇
「って、すぐそこじゃん!」
私はさっきの買ったリンファを食べている途中なのに。
「はは、ここがターニャのギルド支部だ」
「説明は中でするよ」
中に入ると宴会モードだった。
「ギルドはいつもこんななのか」
「そうだよ」
レイは少し驚いいているようだ。
「すみません」
「はい」
「アテネ商会の護衛の依頼、完了しました」
「わかりました。カードを貸してください」
レクターさんたちは受付の人にカードを渡した。
そして、何かしら手続きをして返した。
「お待たせしました」
「あと、バンさんから支部長に手紙を預かってきました」
「わかりました」
受付の人は手紙を受け取って奥の部屋に言った。
「クレハたち、登録の方、少し待っててくれないか」
「いいけど」
「そうか、ギルドについて先に説明するな」
「はーい」
レクターさんがギルドについて説明し始めだ。
「ギルドはティターニア・ドラゴンテイル・サウザンドアイズ・エンジェルハートの4つあり、どれかに所属してもらう。支部は所属ギルド関係なく依頼を受けられし、パーティーも組める。ギルドカードは所属ギルド・ランク・お金の管理・依頼の確認ができる。財布になるし身分証明書になるからなくさないように、なくしたらお金がかかるからな。なくしても本人しか使えないから安心だけど。依頼はそこにの依頼ボードにランク分けがしてあって自分と同じかそれよりは下のランクの依頼が受けられる。指名依頼もあるぞ。報酬はギルドに入ると銀行の口座ができるからそこに送られる。ここまではいいな?」
「うん」
「ランクは下からE・D・C・B・A・S・SS・SSS。Sから二つ名がつけらける。ギルドには帝がいて、今は八人いる。帝はギルドマスターになれない。また、逆もだ。それは何か合った時に動けるようにするためだ。月に一回、四人のギルドマスターに帝たちの会議が行われる。これで説明は終わりだ」
「説明終わったか」
レクターさんの説明が終わると誰かが割り込んできた。
「俺はここの支部長のダンラークだ。バンさんからそこの二人の推薦状をもらってな、実力を見たい」
「それはいいですけど……、後ろのおばあさんは?」
私は支部長の後ろにいるおばあさんがずっと気になっていた。
このおばあさん、ただ者ではない。
「私はアンジェラ。支部長に少し用事があってね。それにおもしろいものが見れそうだから観覧させてもらうよ」
「レイ、いいよね」
「ああ」
「では、修練場に行こう」
私たちはダンラークさんの後に付いていった。




