それぞれの休日
今日は一日完全休養とした。
明後日からプロジェクトが始めるので、今日はみんなにはゆっくりと休んでもらうつもりだ。
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ムースの場合
マスターから休みと言われました。
しかし、休みと言われても何をすればいいのでしょう?
家事をやろうとしたら、「休みだからムースものんびりすればいいよ」とマスターに言われたので、現在することも無く自身の部屋のベッドに腰かけて何をすればいいか考えております。
本当に休みとはどう過ごせばいいのでしょう?
考えていても仕方ないので、今日は少し早いですが毎日書いている日記を書くことにします。
ホムンクルス一族は当主様から日記を書くことを推奨されております。
一日に何が起きたのかを書くことにより、今日より素晴らしい日を明日迎えられるとのことですが、まさにその通りです。
例えば3日前の日記では、
『本日マスターと158回目線が合った。マスターは命令するのが苦手なのか、いつもお願をしてくる。そんな心やさしいマスターのためにも私がいち早くマスターの心を理解して、言葉にする前に行動しなくてはいけない。
言葉と言えば今日はマスターと合計で1時間32分41秒も話した他にも……(以下6ページほどに亘り書いてあるので省略)……………、本当に今日は素晴らしい日だった。
明日もマスターのために頑張ろう』
と書いてあったが、昨日の日記では、
『今日はマスターの言葉にする前にマスターが飲みたいであろうお茶を出すことが出来た。お茶を出したとき吃驚とした顔をしていたが、すぐに笑顔で感謝の言葉を言ってもられた。あの笑顔を見れただけで私は満足だ。マスターの視線を読むことで何を考えているか察せられるようになってきた。マスターの視線がときどき私の胸にいくこともあるので、求められたらいつでも大丈夫のように、いつも綺麗な下着を身に着けてはいる。
下着と言えばマスターはどんな下着が好き……(以下13ページほどに亘り書いてあるので省略)…………、本当に今日も素晴らしい一日だった。
明日もマスターのために頑張ろう』
そう私は日々マスターのことを理解して、毎日を幸せに送れているのだ。
そうだ、日記を見て思いついたが、せっかくの休みなのだからマスターが気にいるような仕草を練習しよう。
ホムンクルス一族の家訓にもこうある。
『さりげない仕草から出る色気に、男は虜になる』
マスター待っていて下さい。
あなたのムースが、マスターを虜にしますから。
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ヤードの場合
(あ~、気持ち悪い)
ベッドに横になりながら頭を押さえる。
せっかくの休みだって言うのに、昨日飲み過ぎたせいで頭が痛い。
(まさか二日酔いになるとわな、こんなこと酒を覚えたころ以来か?)
痛い頭でそんな事を考える。
まだ酒を覚えたばかりの頃は、自分の限界を知らずついつい飲み過ぎては翌日今みたいに頭を押さえる羽目になっていた。
そんな経験を繰り返すことで自分の限界を知り、今では翌日に尾を引かない程度に酒を味わいながら飲む事が出来るようになった。
(昨日は楽し過ぎて、つい限界を超えたからな)
鍋会で仲間たちと楽しく食事をし、その後主と杯を交わした。
やっと理想の相手に巡り合え、杯を交わせたのが嬉しくてその後部屋に帰って一人で飲みまくってしまったのだ。
(こんな情けない姿他の奴らに見られないだけよかったと言えばよかったんだが……)
休みのおかげで誰にも会わなくて済むのは幸いだった。
こんな二日酔いに悩む姿など見られたくない。
だが―、
(休みの日を二日酔いで潰すってのも情けないよな~)
ヤードはこの日、一日中ベッドで横になっていた。
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メーサの場合
今日は一日休みなの!
だからメーサは仲間たちと一緒に湿地エリアに遊びに来たの。
眷族の蛇達も湿地エリアに行くって聞いたら嬉しそうについて来てくれたの。
みんなが嬉しいとメーサもとってもとっても嬉しいの!!
湿地エリアに入るとまたカウフロッグ達が元気に鳴いてるの。
その鳴き声に惹かれて、蛇達も嬉しそうになくと一斉に襲い掛かったの。
みんな元気イッパイイッパイなの!!
そんな姿を見ながらメーサはキングとクイーンのもとに近寄るの。
二人とも少しぐったりしているみたいだけど大丈夫なのかな?
メーサが心配して近寄ろうとすると、体を震わせ元気よく飛び跳ねたの。
アハハハ、元気、超元気なの!!!
それからメーサとキングたちの鬼ごっこが始まったの。
カウフロッグと蛇達が鳴くまくる湿地エリアを、メーサとキングたちは元気に走り回るの。
追いかけると、すごい勢いで飛び跳ねて逃げ出すの。
仲間を踏みつぶしても気にしないほど勢いよく逃げてるの。
楽しいの、メーサすっごい楽しいの!!
こんな状態なんて言うんだっけ?
マしゅターが前に教えてくれたんだけど。
え~と……、あっ思い出したの!
【阿鼻叫喚】って言うんだった。
メーサ好き、阿鼻叫喚の今の状況大好き!!!
メーサとキングたちの鬼ごっこはメーサが帰るまで続き、その後再びキングとクイーンは子孫繁栄に励むことになった。
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スーラの場合
(うぬ、今日は落ち着いて修行に励めるでござる)
森林エリアで槍を突く動きをしながらそんな事を思う。
ここ数日色々なことが一度に起こったため、しばらく一人で修業が出来なかった。
(なまってはおらぬが、まだまだヤード殿には届かぬでござるな)
ともに主に仕えるスーラにとって、ヤードは友でありライバルに当たる存在なのだ。
(某にもっと腕があれば主も安心できるであろう)
先日主が言った言葉、もし自分達が頼りになっていればそんな考えは出てこなかったのでは?そう思ってしまう。
だからこそこうやって自由な時間が出来た今、少しでも腕をあげようと修行に励むのだ。
それから数時間後、一人で槍を振り続けたスーラは休憩のため近くの木に根元に腰をかける。
「ん?」
そんなスーラに木の影から次々と魔狼達が集まってくる。
「どうした、今日は訓練はしないからゆっくりしていてよいぞ」
そう声をかけるが魔狼達は変えるどころか逆にスーラに近寄り、体を横に倒す。
そうして横になりながらも、その目は何かを訴えるようにスーラを見上げる。
その目を見たスーラは苦笑を浮かべながら、ゆっくりと体を撫で始める。
「まったく、仕方ない奴らだな」
そう言いながらスーラ一匹一匹丁寧に撫でていく。
この触れ合いが自然とスーラが群れのリーダーと認識された要因なのかもしれない。
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神無月黒(DDM)の場合
最初部屋でゴロゴロしながら万魔事典やパソコンを見ていたのだが、やがてそれも飽きてきたのでスラりんの体を堪能するためにダンジョンに向かうことにした。
「お~い、スラりんどこだ~」
密林エリアでそう声を出しながら探すが姿が見えない。
もしかしたらもっと遠くにいるのかもしれない。
そう思いダンジョンを進もうとしたとき木々の間からゴンラが姿を現す。
「あれ?主殿、どうしたのですか?」
「ちょうどよかった。ゴンラ、スラりん何処にいるのか知らない?」
「知ってますよ」
よかった。
スラりんと仲のいいゴンラだから知っているかもと思い声をかけたが、予想通り知っていたか。
「それじゃあ、スラりんに合いたいから案内してもらっていい?」
そう言ったらゴンラが少し困った顔になる。
「いいですけど……、どっちのですか?」
「へっ?」
どっちってどういうことだ?
スラりんは一匹しかいないだろう。
「あ~、スラりん先輩この間分裂したんですよ。
だから今スラりん先輩二人います」
「えーーーーーーーー!!!!!!!!!」
ゴンラの言葉を聞いた瞬間、俺は密林に響き渡る驚きの声をあげていた。
その後、それぞれのスラりんを見に行ったけど姿形はまるっきり同じ、ステータスもまったく同じのスラりんが二匹いた。
せっかくなので両方一変にその感触を楽しむことにした。
やっぱりこの感触たまらない。
しばらく感触を楽しんだ後俺は十分スライム分を充電し、元気よく自室に帰っていった。
それぞれどうやら思い思いに休日を楽しめたようだ。
明日で準備期間も終わる。
みんな頑張って行こう。
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これからも頑張っていくのでよろしくお願いします。




