四月上旬 その目から、町
裏設定みたいな、過ぎたこと。
※オール台詞です。
「ねぇ、この町、素敵だと思わない?」
「ああ……気味悪いな」
「安らぎの町だわ。幽霊のための町よ。死後をこんなに穏やかに過ごせるなんて」
「不気味だ」
「好きな時に生まれ変われるのよ。眠るだけ。それで次の生へと歩けるの」
「お前が受けたのは文学部だったか?」
「違うわよ」
「あ……また消えた」
「え?」
「ほら、あっち。ありゃ隣街だな。ここじゃねぇ」
「ああ……。あっちの街は大変ね。次から次へと消されて」
「どの時点で消えるって言うのかね。あ、まただ」
「ほんと……、って、ちゃんと前見て運転してる?」
「してるしてる」
「まあ、こんな誰も居ないような道で事故起こすことはないかもしれないけど」
「そうそう。あれ……? ……つーかさ、さっきから思ってたんだけど、暗くね? もうちょっと明るくても良さそうなモンなのにな」
「あの辺は明るいわね」
「コンビニじゃねぇか。街頭とか、そういうの少なくねぇか」
「米軍基地でもあるんじゃない」
「ねぇよ」
「冗談」
「わぁってら。……んー……」
「あら、そ」
「なぁ、やっぱさ、俺道間違えてるわ。神社着いたぞ」
「なんで? 神社と家までちょっとした距離あるわよ」
「マジ? どれくらい?」
「歩いて五分」
「……歩ける距離じゃねぇか。っつーかいつどうやって計ったんだそんなモン」
「今。地図見て、目測で」
「地図って、アプリじゃねぇか。ホントに五分か?」
「酷~い。じゃあアプリに計ってもらう。何神社だっけ?」
「レイホ神社。幽霊の霊に、保護の保」
「幽霊に優しい町ね、ほんと」
「正直ここ来るまで見た人型、幽霊の方が多かったぞ」
「……名前だけじゃ出してくれないみたい。ここの住所分かる?」
「家の住所なら」
「距離わからないじゃない」
「もういいよ。行こうぜ。俺もう眠ぃし」
「寝ないでね。黒いミンティー食べる?」
「……いや、いい。家まで後歩いて五分の距離なんだろ、目測で」
「馬鹿にしてる?」
「いーや?」
「あ痛。急に動かさないでよ」
「また消えたぞ、隣町」
「うん……。あ、あっちは普通の幽霊よ。……不良?」
「……懐いな、学ランとか」
「ね」
「あんな高く昇って……成仏するんだな」
「ね。……あら⁉ 落ちてきた‼」
「なんで⁉ しかもかなりのスピードだぞおい」
「…………変な町ね」
「…………ああ」
「あの子が落ちた場所、家の目の前じゃない?」
「……まあ、なんだ。会ったら仲良くしよう」
「うん」
「ところで、後部座席の和装少年はどうするべきなんだ」
「……さー。あら、お豆腐いいわね。お味噌汁にしようかしら?」
「おー、いいね。じゃあ俺先に風呂使っていい?」
「うん。ねえ、お豆腐一丁くださいな――」




