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17日 こんなところに

「ふー。すごい、こんな場所あったんだねぇ。極楽極楽」

 ……何ここ。何ここ。こんなんあったん? 嘘やん。温泉とか。嘘やん? うちぜんっぜん知らんかってんけど。ま、まぁ、洞窟ん中やし? ってことにしとこ。そんな深ないけどな。洞窟いうても。ちょっと雨しのげるかーくらいの。

「……ほんまシルて美人よな」

「あら、ありがとー。どしたの突然」

「んや、何か絵になるなー思た」

 小さい温泉に、一人でぽつんと浸かってるだけやのに。……ま、身体に鱗あるの見たときはちょっと引いたけど。それも温泉入ってしまったら見えへんし。背中とか足の付け根らへんとかにかけてやったから。なんか、黒っぽい青がずらっと。そんだけ、ちょっと気持ち悪かった。

「あ~っ、いいなぁ、温泉~。シルってば、なんでこんな時間にくつろいでるの~?」

 うんまぁ、午後二時とか、風呂入るにはちょっと変な時間よな。誰やこの子。この子も可愛い顔しとんなぁ。何やねん。

「暇なんだもん。あ、レイ。こっちあたしの妹のヒルデガート。ヒアって呼んだげて」

「この間あったよね~。マシロちゃんたちがケンケンパしてたっけ」

 ごめん、覚えてへんわ。

「私も温泉入る~」

「どうぞ?」

「わ~い」

 ……外国人ってさ、温泉入る時も水着やねんて。この子ら普通に裸ならはるんやけど、温泉の入り方知ってはっての行動なんか、これ。

「うわ……やっば」

「ん~?」

「ヒアの鱗、めっちゃ綺麗やん」

 あわい虹色? 乳白色に薄くいろんな色乗せたような感じ? 絵具水の上に浮かべて紙に写し取ったみたいな。そんな感じの鱗。脚の方から肩まである。……何なん、人魚の生まれ変わりやあるまいし。

「ふふ~、いいでしょ~。売ったら高いよ~?」

 売るなよ‼ もったいなさすぎるやろ! ってか、少なくとも一回売ったんやな? そうなんやな⁉

「皆まだ働いてる?」

「うん。まだまだ完成しないって~」

 ……その中抜けて温泉入ってる自分らって何なん? そんな偉いん? ……ってことはないか。若いしな。

「そかそか。ガンバレ、レイチェル、リオ、その他の皆さん」

「地味にすごいことしてるよね~。なんだかんだですごい人なんだよね~」

 うん、別に偉いわけちゃうねんな。

「ジンに言わせたらただのバカなのにね」

 鬼さんやっけ? あの人どんな偉いねん。

「それなりに馬鹿だも~ん」

「まあそだね」

 あれ? 結構お二人も舐めてる感じ? 

「結局あの人は何しに来たんだ。まーさか本気で町の守護じゃあるまいし、ねぇ?」

「それだったらキヴやシルだけでも十分だもんね~」

「うんうん。っていうか、魔法使えない分今すっごく暇になったって言うね。別に町見て回らなくてもジンが暇つぶししてくれてるし」

「私に至っては本気で何のために呼ばれたか分からないんだけど~……」

「魔力の微調整じゃない?」

「それだけ~⁉ むぅ。帰っちゃおっかな~」

 ……とりあ、目の保養にはなると思うけどな。

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