第9話 射撃と狩り
投稿が、遅くなってすみません。
どうぞ、お読みください。
〔デイ・ノルド王国〕首都 〔ハルマ―〕王宮 中庭
キリ キリ キリキリキリ キリ ビューン カッン
王宮と後宮の間に広がる中庭に、弓を引き矢が飛び、的に当たる音がこだましている。そんな中、僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドもまた兄弟子たちに交じって的に向かって矢を射っていた。
キリ キリ キリキリキリ キリ ビューン カッン
僕が、放った矢は、的の上に命中し中心に当たらなかった。それを確認した僕は、一旦気持ちを落ち着かせて再び矢を手に取り、弓に番えた。
そしてゆっくり呼吸をして弓を持っている手を上げ、それを降ろしながら引いて行く。
キリ キリ キリキリキリ キリ
そして最大限まで引きながら、的をしっかりと見据えた状態で、更に引き絞り、力を蓄えていく。そして的に狙いが定まった瞬間、手から弦を離した。
ビューン
弓から放たれた矢は、回転をしながら的へ向かって飛翔していく。そして僕は、次の矢を番えるため弦を的側に向けることなく止めていた弓に矢を番えながら、矢が当たる瞬間を待った。
カッン
と言う音と共に矢じりが、木で出来た的の中心に当たった。それを確認した僕は、最後の矢を再び弓で引き絞り、再び的に射て、命中を確認すると、的の方向に向かって礼をして、次に須針師匠の方へと向き、礼をして、弓を待って弓を射る場所から離れたのであった。
僕が、弓を射る場所を離れて、休憩をする場所に戻り、持ってきていたタオルで顔と頭の汗を拭っていると、須針師匠の声が、聞こえて来た。
「よし、今弓を射ている者たちは、次の矢で終わりじゃ。射終えたら礼をしてワシの前に座りなさい。そして今休んでいる者たちは、すぐにワシの前へ座りなさい。」
そう言い終わると師匠は、胡坐を解き、正座に座りなおした。そして僕たちも師匠の言うとおりに動き、数分もしない内に僕を含めた弟子一同が、師匠の前に揃ったのであった。
それを確認した師匠は、「うむ。」と頷くと、こう言いだした。
「まずは、エギルよ。この二月の間に弓矢の型を習得したこと、真に天晴である。これまでの鍛錬が、良い結果を齎した。ただしこれに奢ることなく更なる修練を重ねるのだぞ。よいな。」
この言葉を聞いて僕は、「はい、頑張ります。」と答えると、師匠は、こう続けた。
「うむ、明日よりは弓の新たな稽古を始める。動いている的を射る。分かったな?」
僕は、そう言われてこう答えたのであった。
「はい、分かりました。」
師匠は、その答えに笑みを浮かべると、兄弟子たちにも僕と同様に稽古の評価や、アドバイスなどをしていった。
そして全員に伝えることを伝えると、背を伸ばしてこう言った。
「それでは、今日の稽古を終わる。」
その言葉を受け兄弟子の一人が「礼」と言って、皆で師匠に頭を下げると、師匠も頭を下げてお互いにこう言ったのである。
「ありがとうございました。」
そう言い終えると僕は、立ち上がり、中庭から後宮へと戻り、師匠たちは、父上から与えられた離宮へ戻ったり、そのまま仕事に行ったりしたのであった。
そして僕は、後宮に戻ると自室へ行き、部屋着を取ってくると汗を流す為、浴室へと向かい、そこで汗を流して、部屋着に着替えて、ダイニングルームへと向かい、少し遅い朝食を食べ終えて、勉強をする為、リウム先生の部屋へと向かったのであった。
一方その頃、とある場所でこんな事が起きていた。
〔デイ・ノルド王国〕東部 元〔ドルパース伯爵領〕
ここは、元〔ドルパース伯爵領〕に存在する森林である。地元の人たちからは、一の森と呼ばれており、この領内において最大の森林である。
その森の入り口に背中に矢筒と小さなバックを背負い、短弓を手に持った男が、立っていた。その出立から狩人だと思われる男は、履いている靴を点検し終えるとバックを降ろして中身から弓の弦を取り出すと、それを弓に掛け、いつでも射ることが出来る状態にすると再びバックを背負い、森の中へと入って行った。
狩人の男は、森を歩きながら、上を見たり下を見たりと視線を上下させながら、何かを探している様である。しばらく森の中を歩いた狩人は、何かを発見したのかしゃがみ込むと地面に落ちていた物を確認した。
「これは、ラースラビットの糞だな。この近くにいる様だ。」
そう言うと狩人は、近くに登れる木が有るか探した。そしてちょうど近くに、丈夫な枝を生やした木が立っており、狩人は、そこに登るため、登るためフックが付いたロープをバックから出し、目的の枝に向かって投げた。
投げたロープは、枝に引っかかり、引いても落ちてこないのを確認した狩人は、ロープを登り、枝へと到着した。
枝に到着した狩人は、その鍛え抜かれた目を発揮して、獲物であるラースラビットを見つけると、肉に臭みが出ない様に一発で仕留めるため、矢を弓に番えて、頭に狙いを定め、矢を放った。
「キュッ」
矢はまっすぐに飛んでいき、ラースラビットの頭に命中し、か細い鳴き声を上げて絶命した。
それを聞き取った狩人は、枝から降りると、獲物の状態を確認しに行った。そして綺麗に頭に刺さっていることを確認し、矢を抜くとラースラビットの足を縄で結び、肩に掛け、その場を後にしたのであった。
狩人は、その後も獲物を獲る為に森を進み続けた。そして森の奥へと進んでいる時、違和感を感じて地面を見だした。
狩人は、その地面が余りにも整いすぎているのに不信感を覚えた。この先に何かが在ると感じた彼は、その好奇心に従って、その道を進みだした。
そしてしばらく進み、それを見た時、意識が途切れたのであった。
その後数日して、狩人の死体が、一の森のはずれで発見されたのであった。
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