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ピ厳拓安


「うあー!もうどうして突然三人が三人とも別方向に走り出すかなぁ?!」


「誰を追いかけていいかわかんないじゃん!!

てか拓斗はともかく厳蔵のおっさんやヲタクの兄ちゃんはいい年した大人なのに

なんで突然奇声発してつっぱしっちゃうの?もおー!お姫様やポンとパンに僕が怒られるじゃんー!!」




肩辺りで無造作に切られた黒い髪、今は困惑と焦燥で忙しなく動かされている黒い瞳。

風になびく踝まである黒いローブと同色で胸辺りまでのケープを纏っている。


ピストニカは今城下町の上空を飛んでいる。

足下に見える商店街や小路地を懸命に眺め白いローブの3人を探す。

通常魔法使いが街中を飛ぶ事はまれなので露店の商人や買い物客が珍しそうに見てくる。


「あー…、もうどーしよおぉ~」


半泣き半笑い。

いったん城に戻ってお姫様とパリラに相談してみるべきか?




『ん!なんかすっげえイイ匂いする!異世界のお菓子か?!』


『おいっ!そこの亀の甲羅背負ったおっさん!今俺にガンつけやがったな?!やるかテメー…あっ逃げる気かっ!!』


『ふひょほおおおぉ?!

い いまそこの角曲がった人影はもしやナツコメの聖戦(汗は地獄の香り)の巻で生き別れになったミシェルの双子の妹シャロル?!』



…それとも3人が口走っていた言葉をたよりにもう少し探してみるべきか?

しかし3人のセリフを思い起こしてもサッパリわからない。


「あーもー埋葬用の白いローブなんてとんでもなく目立つ服装なのに

どうして見つからないんだろう――――――――?!」


街中を低空で飛ぶのは結構神経を使う。

看板があったり建物と建物の間に紐をはって洗濯物が干されてたり足下から「なんかあったのー?」とか噂好きのおばさんが声かけてきたり。


「うあっ!」


きょろきょろ余所見しながら飛んでいたら何かが顔面にぶち当たってきてピストニカはべちゃっと地面に落ちた。


バサバサバササ…


どうやら鳩に激突されたらしい。

黒いローブに白い鳩の羽をあちこちに付けてピストニカは盛大に溜息をはいた。



「だから嫌だったんだよこの3人の案内…」


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