2ページ目 顔合わせ
「・・・わ、・・・・た!」
声が聞こえる。
自分しかいないはずの部屋で他人の声が聞こえる。
おかしいな、俺は自分の部屋でゲームをしていたはずだ。確かに家族に呼ばれることは多々あるけど時間は深夜、さすがにこんな時間に呼ばないだろう。それとも寝落ちして朝になったのか?
とりあえず起きよう、さっきから声はずっと聞こえているし無視し続けると怒られて面倒くさい。
目を開けるとそこは、知らない部屋だった・・・。
見回してみるとかなり大きな部屋だった。大きくて豪華なベッドが2つ、机が2台、本棚、ソファー等々・・・。
うん、アニメとかラノベに出てくる貴族様のお部屋ですね。なんでこんな部屋の中心にいるんですかね?
最近はアニメ・ラノベを一気に消化していたからそれの処理の為に見てる夢ですかね?
そんなことを考えていると声の主が後ろから話しかけてきた。
アニメキャラの様なかわいい声だった。
「ねえ、あなた名前は?」
見回したときに自分と声の主以外いなかったので自分にだということはすぐに分かった。
しかし、ここで少し迷う。夢であれ何であれ素直に名前を教えて良いものか?
現代では個人情報は大切です。どこで悪用されるかわからない。何かの契約の際の情報が流出し、知らない多額の請求がきた という話もよく聞くし、魔法か何かで召喚だされて本名を名乗ることで縛られるという契約ネタもよく読む。
例え夢でもその辺の対策はしておくべきだろう、自分の身を守るのは自分なのだ。
声の方を見ると女の子が嬉しくてしようがないといった感じでコチラを見ている。
あ、美少女だ。
良かった、俺の見る夢は大抵が逃げる(化け物から)、襲われる(化け物に)、落ちる(高所から)がほとんどなので美少女が目の前にいるのはうれしかった。
「ねえ、聞いているの?」
返事を催促されたので、答えることにする。ここで時間をかけて相手が化け物に代わっていつもの追いかけっこが始まってはたまらない。美少女が出てきてくれる夢なんてほとんど見ないし。
「ん、ああ、俺は玄って名前だけど?」
「クロ・・・クロ・・・クロ・・・」
何やらブツブツ呟いている、そのまま相手のアクションを待っていると
「センス無いわね」
ぶった切られた・・・。さすが俺の夢、容赦がない。名前にセンスとかあるのか、まあ玄で覚えられたみたいだし問題ないだろう、これがキラキラネームだったら呼ばれる度に死にたくなる。
どうせ、文字に起こさないし書くとクロかな、夢の中でなんでそんなこと拘ってるんだ俺。などと考えながら相手の名前を聞くことにする。
「君の名前は?」
「ああ、ごめんなさい。私はリーズ・エラインよ」
人の名前をぶった切った少女はこちらの質問に答えてくれる、改めて見ると本当に美少女だった。
アニメやラノベのヒロインのような整った顔立ち、きれいな髪、今まで夢でも見たことのない完璧な美少女だった。
こんな美少女と一緒に居られるのならもう少しこの夢が続けば良いのにと思う。
いつも良いことがあろうとすると直ぐに終了する俺の夢にしては中々良い感じに続いている。
どうせ夢なのだし襲ってみようかという黒い感情が芽生えてくる。が、
「それじゃあ、私の使い魔としてよろしくね、クロ。」
・・・・
・・・
・・
「へ?」
俺は間抜けた声でそう返事を返すことしかできなかった。
だってそうだろう?いきなり使い魔宣言とか・・・・
はい、お約束の展開です。