3ページ目 使い魔契約
「それじゃあ、私の使い魔としてよろしくね、クロ。」
・・・・
・・・
・・
「へ?」
【ファミリア】、確か眷属とか使い魔みたいな優劣順位がはっきりとした位のはず、つまり・・・
使い魔→主人に絶対服従→奴隷?
こんな図式が成り立った。
いくら自分の夢でもこれはあんまりだった・・・。
自分の夢で自分が奴隷とか自虐にも程がある。
「いやいやいや、いくら夢でもこれは無いわー」
思わずそう呟くと、リーズさんがツカツカと寄ってきて、
パン!
思い切り引っ叩かれた、痛い。
夢では痛みは無いって聞いたことあるし、夢じゃ無いのか? とか考えていると
パンパンパンパン!!
今度は連続ビンタだ。人の顔って、こんないい音出るんだと思うほどいい音がした。頬をさすりながら顔を上げると、更に次弾の準備をされている。
「あわわわ、待った待った待った」
これ以上叩かれてはたまらないので、全身でやめてくれアピール。
「ふぅ、これであなたの夢じゃないと分った?」
物凄く良い笑顔と優しい声でそう言われたのだけれど、まるで安心できない。
これはアレだ、優劣をはっきりとさせる為の躾だ。このまま行けば本当に奴隷みたいになりかねない。
なんとか主導権を俺のモノにしなければならない。幸い、まだ呼び出されて名前(偽名)を教えただけだ。正式に契約っぽい事もしていないし、体に違和感もない。
まだ、大丈夫なはずと思いながら体を確認していると・・・
「アレ?」
何か、体が細いよ?特にお腹部分、無駄な肉が無くなってスッとしてる。声も高くなってるし、まさかねー・・・
「すいません」
「何よ?」
「鏡あります?」
リーズさんは少し不審がりながら部屋の隅の大きな鏡を指さした。
鏡の前に立って自分の姿を確認して、何かもう色々諦めた。
うん、さっきキャラクリしたキャラのまんま。パソコンの画面にフラグ回収とか出てたもんね。
まだ夢である可能性は捨てきれないけれど、ガチで召喚されたという事で考えていこう。
アニメやラノベではよくある展開だ、ならさっさと現状を把握して今後の事を考えよう。
「気は済んだ?」
リーズさんが少し不機嫌そうな声で聞いてくる。
「はい、夢でないということは分かりました」
「そう、ならさっさと契約をしたいのだけれど?」
契約する以外に道がないし契約の内容もの予想は付いているが、契約内容を確認しなくては・・・
「契約って何をさせられるんでしょうか?」
とりあえず、丁寧に。少しでも好感度を上げて好待遇に持って行かなくては!
「ああ、私の生活のパシ・・・手伝いよ、手伝い」
・・・
ああ、どうやらお約束通りにパシリをさせられるようである。
逃げようがないので気になったことを聞いていく。契約前に少しでも良い条件になるように誘導しなくては!馬小屋生活とかだったら嫌すぎる。
「あの、」
「ああ、衣・食・住はちゃんと確保するし、少ないけどお給金も出すわ」
聞きたいことを先に言われて戸惑っていると
「いくら使い魔と言っても、人なんだからその辺りはちゃんとするわよ。
というか、奴隷のように扱ったら私の品格が疑われるもの」
どうやら人扱いはしてもらえる様だ、内心安堵する。
「ならさっさと契約するわよ」
大きな魔法陣が床に現れる。コチラの返事を聞くつもりは無い様だ、魔法陣の光に包まれて目を閉じ祈っているようにさえ見えるリーズさんはとても神々しく見えた。
そんなリーズさんに見惚れていると、だんだんリーズさんの顔が近づいてき・・・・
たので、手の平で口元を遮った。うん、凄いね。舌がかなり激しく動いてる。
ディープキスというやつだろうか?勿体無いことをしたという気持ちもあるが、はっきり言ってまだ彼女を信用していなかった。当然だ、出会って1時間もたっていない。彼女のキスが契約のカギとなるのなら、場所は別にコチラの口でなくてもいいだろう?
違和感に気が付いたのか、目を開けたリーズさんは
「何で手で防いでるのよー!!」
「いや、だって恥ずかしいし・・・」
契約の縛りが軽くなったりしないかとか、信用できないとか思っているのがバレないようにしないと。
お約束から考えるとロクでもないことに巻き込まれていくのは目に見えている。なら、それに対する自由な選択肢が取れるようにしておきたい。無駄かもしれんけども・・・。
「私だって恥ずかしいんだから、我慢しなさい!」
そう言って手を払いのけ、急に頭を両手で掴んで強引にキスをしようとしてくる。
何とか反応して必死に顔をよじった結果、右目に思い切りキスされました。
瞬間、俺の中に何かよく分からないものが流れ込む感覚がした。
どうやら契約は成功したらしい。




