表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/78

騎士団

ブクマ登録100件越えありがとうございます!!

やばい、やばい、やばい!!

今日は学園の入学式と騎士団の入団式がある。

学園に行かないといけないし、入団式も遅れたらやばい。

私は騎士団の制服の上からドレスを着た。

普段の筋トレのおかげか太っては見えない。

とりあえず、これで行こう。

私は準備を手早く終わらせて外へ出た。



もう、ミリアナとマリアンヌがそこにはいて、

「どうしてあんたみたいな汚らわしい子と同じ馬車に乗らないといけないの!」

マリアンヌは不服そうだった。

「お姉様!そんな言い方よくありませんわ!!」

ミリアナは怒った様子でマリアンヌに反論した。

「あんたも汚らわしい平民じゃない。人のこと言えないわよ!」

マリアンヌも馬鹿にしたように言い返す。

前途多難。

私こそ、このメンバーで同じ馬車に乗るとかきつすぎる。

まず、学園も馬車で行く距離じゃないでしょう。

なんたって、学園は城から徒歩5分のところにある。

イーディス侯爵家から城まで徒歩30分なんだから、歩いてだって行けるっつーの。

そう思いながらも、馬車に乗り込む。

「はあっ、あんたって本当にブスね。同じ血を引いてるなんて思われたくないわ。」

まだ、嫌味を言ってくるマリアンヌにうんざりしながらも黙っていると、

「お姉様、だからそんな言い方は…!!」

ミリアナが私を庇った。

「汚らわしい平民の分際で私に話しかけてこないでくれる?」

マリアンヌは顔を歪めながら言い放った。

はあ、こいつは『汚らわしい』としか言えないのか。顔は綺麗なのにな。流石、悪役令嬢。

顔が綺麗といえばミリアナはThe ヒロイン!!

という感じだ。

ストロベリーブロンドの肩をちょっとこえた髪にピンク色の目。可愛い顔立ちで守ってあげたくなる雰囲気を持っている。

これなら、攻略対象をメロメロにしたのも納得できる。

そんな事を考えているうちに、学園についた。

今は8時。8時半から入学式で9時から入団式だ。

間に合うかは結構微妙な所。まあ、私は入学式は途中で抜けようとは思ってる。

だって、着替えないといけないし、メイク落とさないといけないもの!!

実はこの地味メイクは結構時間がかかるのだ。

落とすのにもまあまあ時間がかかる。

無理に落とすと肌が荒れてしまうからだ。

それは実証済み。



「さあ、お姉様。一緒に行きましょう!」

ミリアナが私に手を差し伸べてきた。私はもうミリアナが転生者だと確認できたから、ゲームの展開を目で分かるような変え方をミリアナの前でするつもりはない。

「あ、ありがとうございます…。」

その手を取って私は馬車を降りたのだった。



非常にまずい。

「ですから、皆さんには貴族のあり方などを学んでもらい…。」

学長の話が長すぎる!!

かれこれ15分以上は話している。

何でそんなに話す事があるんだというぐらい1つの内容をペラペラと!!

「以上です。学園生活を楽しんでください。」

やっと話が終わり、動き出す。

私は1番後ろに座っていた為、そそくさとその場を抜けた。

講堂を出て、トイレへと立て篭る。

うう。速くしないと!

急いでドレスを脱ぎ、手洗い場で持ってきたクレンジングを出してメイクを落とし始めた。

このそばかすが落ちにくいんだよ!!

ゲームの容姿にできるだけ近づけるためにやってみたけど、めんどくさいからもうやめようかな。

それでも何とか落として長い髪をポニーテールにした。

よし!完璧!!

最後の確認をして、私はトイレを後にした。

学園の外に出て、時間を確認すると8時55分を指していた。

ギリギリじゃん!!

私は急いで走り出した。



何とか間に合い、入団式に間に合った。

「あんたが最後だよ。速く入んな。」

外に立っていた人にジロッと睨まれてしまった。

私が入ると、全員整列していた。

私はその最後列へと並ぶ。

「これから入団式を始める!」

列に入って数秒もしないうちに、式が始まった。

本当に危機一髪だ。

国王陛下、騎士団総長、第一騎士団から第四騎士団の団長までの挨拶が終わり、『騎士の誓い』をたてて入団式は終わった。



「所属先を発表するから、呼ばれた者は返事をして前に出ろ!!」

そして、所属先をの発表となった。

確か、第一騎士団団長が1番のエリートなんだっけ?新人はほとんど起用されない少数精鋭の。

「第一騎士団、ゼン!」

その瞬間、場がざわついた。

「マジかよ。っていうか、家名がないって事は平民?」

「新人で第一騎士団って。」

「何のコネだよ。」

などなど。

でも、私はそのあとのことに驚いた。

「はい!!」

だって、前に出たのがあの時のいけすかない奴だったから。

やっぱり、強いんだな。あの動きを見ればコネなんて誰も思わないだろう。

そして、皆もまた別の意味で前に出てきたゼンを見て驚いていた。

「イケメン…。」

「顔良すぎじゃね。」

「背、高っ!」

顔を褒める声がたくさん聞こえてきた。

まあ、あの顔だもんね。

そして、

「続いて、セリス!」

またしても第一騎士団に名前が呼ばれた。

セリスって誰だろ。

いかにも、強そうな名前…。

ん?セリス?

わ、わ、私じゃん!!

「は、はい!!」

私は慌てて前に出た。

やばい。緊張する。私は心臓をバクバクさせながら前に立っていた。

「女じゃん!!」

「めっちゃ美人じゃね?」

「第一騎士団って顔よかったら入れるとか?」

緊張のあまり、他の人の声は全く聞こえていなかった。



所属先の発表も終わり、それぞれの場所へと移動することになった。

というか、何で私が第一騎士団?

緊張しすぎてあんまり考えてなかったけど。

「おい、固まってんなって。行くぞ。」

私が固まっていると急に声をかけられた。

顔を上げるとあの時のいけすかない奴が立っていた。

「あっ、あの時のいけすかない奴。」

思わず声に出してしまって慌てて口を押さえる。

案の定、は?という顔でこっちを見ていた。

「とりあえず、行くぞ。」

そして、何故か引っ張られた。

「ちょ、ちょっと待って!どこ行くの!?」

「所属先だよ。聞いてなかったのか?」

そういえば、そんな事を言っていた気がする。

私が黙ると、

「最初に会った時もその後も思ってたけど、お前って馬鹿だよな。」

本当に馬鹿にしたように言われてカチンっとくる。

「はあ?馬鹿じゃないし!!」

私が言い返すと、

「いや、馬鹿だろ。入団式も遅刻しかけてたし。」

鼻で笑われる。

何で、遅刻しかけてたの知ってんだ。こいつは!

「うるさいな!色々、あったんだよ!」

言い合いをしていると、所属先へとついた。

「とにかく、そういう所がいけすかないの!」

「はいはい。そうですねー。」

「本当に腹立つ!!」

私達がなおも言い合いをしていると、

「おい、お前ら。何で喧嘩してるんだ。」

体格の良い男の人が呆れたようにこっちを見ていた。

どこかで見た事があるような…。そう思いながらも、

「「こいつのせいです。」」

お互いを指差して答えた。

「仲が良いのは分かったから、ちょっと黙れ。」

男の人はやれやれといった様子で言う。

「「別に仲良くない。

  別に仲良くないです!」」

また、声が被って睨み合う。

「だから、黙れ。」

男の人のゲンコツが頭にふってきた。

それで、私達はやっと言い合いをやめたのだった。



「もう知ってると思うが、改めて俺は第一騎士団の団長をしているガンナー・ベイリーだ。」

団長が気を取り直したように自己紹介をした。

「で、こいつが副団長のカイラー・デイビス。」

そして、副団長を紹介してくれた。

「第一騎士団は他の団と違って人数が極端に少ない。お前ら2人を含めて12名だ。あとの説明はアルに任せる。」

そう言って団長は副団長を連れて出て行った。

番外編挟みます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ