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悪党には死を 理不尽な暴力が嫌いな男  作者: 慈架太子


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第三部 東の大陸 第三十七章 新たなる大陸


 東の大海を越えて三日。


 俺は新たな大陸に到着した。


 東の大陸――エルドラ大陸。


 俺がいた西の大陸とは比べ物にならないほど広大で、強力な魔物が多いと聞く。


 そして、冒険者のランクもより高度に分類されているらしい。


 俺は海岸に降り立った。


 港町が見える。


 西の大陸とは建築様式が異なる。


 より東洋的な雰囲気だ。


 俺は港町に向かって歩く。


 町の名前は「カナミ」。


 エルドラ大陸の東端にある交易の町だ。


 町に入ると、人々が俺を見る。


 西の大陸からの来訪者は珍しいのだろう。


「おい、あいつ西大陸の服装だぞ」


「珍しいな。わざわざこんな危険な大陸に来るなんて」


 俺は無視して、冒険者ギルドを探す。


 すぐに見つかった。


 大きな建物。西のギルドよりも豪華だ。


 俺は中に入る。


 受付には若い女性が立っている。


 黒い長髪、東洋的な美しい顔立ち。


「いらっしゃいませ。冒険者ギルドへようこそ」


 女性が丁寧に頭を下げる。


「俺はレオン。西大陸から来た」


「西大陸から!それはようこそ。私はユキと申します」


 ユキが笑顔になる。


「冒険者登録をお願いしたい」


「かしこまりました。ギルドカードをお持ちですか?」


 俺は西大陸のギルドカードを見せる。


 Sランクのカードだ。


 ユキが驚く。


「これは……Sランク!?西大陸でSランクとは……」


「問題あるか?」


「いえ、ありません。ですが、東大陸のランク制度は西大陸とは異なります」


 ユキが説明を始める。


「東大陸では、Sランクの上に、SSランク、SSSランクがあります」


「なるほど」


「そして、冒険者の実力を正確に測定するため、魔力測定と実技試験が必要です」


「分かった。受ける」


 ユキが奥の部屋に案内する。


 そこには巨大な水晶球がある。


「こちらに手を当ててください」


 俺は水晶球に手を当てる。


 水晶球が光り始める。


 そして、徐々に光が強くなっていく。


 青、緑、黄、橙、赤……


 そして、紫。


 さらに光が強くなり、白くなる。


 水晶球が激しく振動する。


「な、何!?」


 ユキが驚愕する。


 水晶球が割れそうなほど振動している。


「これは……白色!?伝説級の魔力!?」


 俺は手を離す。


 水晶球の振動が止まる。


 ユキが呆然としている。


「あなた……一体……」


「問題あるか?」


「いえ……次は実技試験です。こちらへ」


 ユキが俺を訓練場に案内する。


 広大な訓練場。


 そこには一人の男が立っている。


 筋骨隆々とした大男。身長は二メートル以上。


「こいつが新人か?」


 男が俺を見下ろす。


「俺はギルドの試験官、ゴウだ。お前の実力を測定する」


「よろしく」


「フン。西大陸のSランクか。こっちじゃAランクレベルだな」


 ゴウが馬鹿にしたように笑う。


「いいか、ルールは簡単だ。俺に一撃でも当てれば合格だ」


「分かった」


 ゴウが構える。


 その瞬間、ゴウの周囲に強大な魔力が溢れ出す。


 なるほど、確かに強い。


 西大陸のAランクよりも遥かに強力だ。


 だが、俺には及ばない。


「来い!」


 ゴウが吠える。


 俺は瞬間移動でゴウの背後に回る。


「何!?」


 ゴウが驚く。


 俺は軽く拳をゴウの背中に当てる。


 ゴウが吹き飛ばされる。


 訓練場の壁に激突する。


「ぐあっ!?」


 ゴウが壁に埋まる。


 俺は手加減した。


 全力なら、ゴウは消滅していただろう。


 ユキが駆け寄る。


「ゴウさん!大丈夫ですか!?」


「ああ……大丈夫だ……」


 ゴウが壁から這い出る。


 そして、俺を見る。


「お前……化け物か……」


「人間だ」


 ゴウが笑う。


「参った。完敗だ。お前は間違いなくSSSランクだ」


「SSSランク?」


「ああ。東大陸で最高位のランクだ。現在、SSSランクは三人しかいない」


「そうか」


 ユキが新しいギルドカードを用意する。


「レオン様、こちらがSSSランクのギルドカードです」


 俺はカードを受け取った。


 黒い輝きを放つカード。


「SSSランクになると、特別な依頼を受けることができます」


「どんな依頼だ?」


「国家級の危機に関わる依頼です。例えば、古代竜の討伐、魔王軍の撃退、大規模災害の阻止など」


「分かった」


「それと、SSSランクの冒険者は、他のSSSランク冒険者と会合を持つことができます」


「会合?」


「はい。年に一度、SSSランク冒険者が集まる会議があります。次回は一ヶ月後です」


「そうか。参加する」


 俺はギルドを出た。


 東の大陸。


 SSSランクの冒険者。


 新たな強敵。


 期待が高まる。


 俺は宿屋に向かった。


 明日から、また新たな冒険が始まる。


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