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悪党には死を 理不尽な暴力が嫌いな男  作者: 慈架太子


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第二十五章 深淵の王


 扉の先は、想像を絶する空間だった。


 無限に広がる闇。天も地も壁も見えない。


 ただ、闇だけがある。


 そして、その闇の中心に「それ」がいた。


 深淵の王。


 人型だが、全身が闇そのもの。高さは百メートルを超え、周囲に無数の触手のような闇が漂っている。


「よく来た……人間よ」


 王の声が響く。


 空間全体が震える。


「千年……いや、二千年ぶりか。ここまで到達した者は」


「俺はレオン。お前を倒しに来た」


「フフフ……倒す?我を?」


 王が笑う。


 その笑い声だけで、俺の体が重くなる。


 圧倒的な魔力。これまで戦ってきた全ての魔物を遥かに超える。


「我は深淵の王。全ての闇を統べる者。光を飲み込み、希望を消し、絶望をもたらす存在だ」


 王が手を振る。


 無数の闇の槍が出現し、俺に向かって飛んでくる。


 十万本以上。


 俺は瞬間移動で回避しながら、反撃する。


「アイスウォール・超多重展開!」


 百重の氷の壁が俺の周囲を覆う。


 槍が次々と壁に当たり、壁が砕けていく。


 だが、防ぎきった。


 俺は反撃する。


「メテオ・超大型、全力連続投下!」


 無数の超巨大炎球が王に降り注ぐ。


 だが、王の周囲の闇が炎を飲み込む。


「無駄だ。我が闇は全てを飲み込む」


「なら、これはどうだ」


 俺はアースクエイクを発動する。


「アースクエイク・最大出力!」


 空間全体が揺れる。


 王のバランスが僅かに崩れる。


 その瞬間、俺は攻撃する。


「フレア・極大、全力連射!」


 無数の極太熱線が王を貫く。


 王の体に穴が開く。


 だが、すぐに闇が穴を塞ぐ。


「ほう……やるではないか。だが、我が体は闇そのもの。物理攻撃は意味がない」


 王が両手を広げる。


 周囲の闇が渦を巻き、巨大な闇の竜が出現する。


 十体の闇竜が一斉に俺に襲いかかってくる。


 俺は迎撃する。


「絶対零度!」


 周囲の温度が急激に下がる。


 闇竜たちの動きが鈍る。


 その隙に、俺は攻撃する。


「アイススピア・超連射!」


 無数の氷の槍が闇竜たちを貫く。


 闇竜たちが凍結し、砕け散る。


 だが、王は動じない。


「我を傷つけることはできぬ。我は不死。我は永遠」


「不死?永遠?そんなものは存在しない」


 俺は全魔力を集中させる。


 これまで習得した全ての魔法を組み合わせる。


「複合魔法奥義――エレメンタル・アナイアレーション!」


 氷、火、水、風、土、全ての属性を融合させた究極の攻撃魔法。


 巨大な魔法陣が王の周囲に展開される。


 そして、全属性の力が一点に集中する。


 王の周囲の闇が消滅していく。


「何!?我が闇が……消えていく!?」


 王が驚愕の声を上げる。


 俺はさらに魔力を注ぎ込む。


 MPが半分以上減った。


 だが、効果は絶大だ。


 王の体が徐々に露出していく。


 闇の下には、骨だけの体がある。


「見たか。お前の正体だ」


「まさか……我が本体が……」


 王が動揺する。


 その隙を俺は逃さない。


「トドメだ!」


 俺は全ての攻撃魔法を一斉に放つ。


「熱湯ウォータージェット・最大出力!」


「フレア・極大!」


「メテオ・超大型!」


「アイススピア・超連射!」


「アースクエイク・直撃!」


 全ての攻撃が王の本体に直撃する。


 王の骨が砕け始める。


「ぐああああああああっ!」


 王が絶叫する。


 そして、俺は最後の一撃を放つ。


「複合魔法奥義――絶対消滅!」


 全ての属性を融合させ、対象を完全に消滅させる究極の魔法。


 王の体が光に包まれる。


「まさか……我が……消滅する……だと……!?」


 王の体が徐々に消えていく。


「馬鹿な……我は深淵の王……永遠なる闇……それが……人間に……」


 王の声が徐々に小さくなっていく。


 そして、完全に消滅した。


 深淵の王、撃破。


 俺は膝をつく。


 MPが完全に枯渇している。


 だが、勝った。


 周囲の闇が晴れていく。


 そして、巨大な宝物庫が現れる。


 金貨が山のように積まれている。


 そして、中央に一つの王座があり、その上に巻物と王冠が置かれている。


 俺は巻物を手に取った。


『深淵の王を倒した者へ。おめでとう。貴方は歴史上初めて深淵の迷宮を完全攻略した者だ。報酬として金貨五千枚と、深淵の王冠を授ける。この王冠は全ての属性魔法の威力を倍増させる伝説の装備だ。そして、貴方には「深淵の覇者」の称号を授ける』


 俺はステータスを確認した。


【ステータス】

名前:レオン

年齢:26歳

レベル:100

職業:冒険者

ランク:B

称号:深淵の覇者


HP:5000/5000

MP:7000/7000


【能力値】

体力:280

筋力:285

魔力:380

敏捷:287

知力:283


【魔法スキル】

・氷魔法(最上級)

・火魔法(最上級)

・水魔法(最上級)

・風魔法(最上級)

・土魔法(最上級)

・熱湯ウォータージェット(最上級)

・フレア(最上級)

・メテオ(最上級)

・アースクエイク(最上級)

・高圧ウォーターマスク(最上級)

・高圧ファイヤーマスク(最上級)

・高圧ソイルマスク(最上級)

・絶対零度(最上級)

・アイススピア(最上級)

・アイスストーム(最上級)

・アイスウォール(最上級)

・アイスバインド(最上級)

・アイスバリア(最上級)

・エレメンタル・アナイアレーション(初級)←NEW

・絶対消滅(初級)←NEW


【念動力・召喚スキル】

・念動力(最上級)

・ゴーレム創造(最上級)

・ゴーレム自律制御(最上級)

・多重召喚(最上級)

・ゴーレム変形(最上級)


【移動・知覚スキル】

・瞬間移動(最上級)

・飛行(最上級)

・レビテーション(最上級)

・透視(最上級)

・透聴(最上級)


【補助スキル】

・治癒魔法(最上級)

・魔力感知(最上級)

・危機感知(最上級)


【特殊スキル】

・ステータスオープン

・アイテムボックス


【装備】

・深淵の王冠(全属性魔法威力×2)


 レベルが100に到達した。魔力が380まで伸びている。


 新たに複合魔法奥義「エレメンタル・アナイアレーション」と「絶対消滅」を習得した。


 そして、称号「深淵の覇者」を獲得した。


 俺は金貨五千枚と深淵の王冠をアイテムボックスに収納した。


 合計で金貨六千枚以上を獲得したことになる。


 深淵の迷宮、完全攻略。


 俺は出口へ向かった。


 テレポートで一気に地上へ戻る。


 外の空気が心地よい。


 空が青い。太陽が眩しい。


「終わった……」


 俺は深呼吸をした。


 そして、ギルドに戻る。


 リリアが驚愕の表情で俺を見る。


「レオンさん!?生きて……いえ、無事だったんですね!!」


「ああ。深淵の迷宮を完全攻略した」


 俺は証拠として深淵の王の魔石を見せる。


 伝説級を超える、神級の魔石だ。


 リリアが目を丸くする。


「これは……神級の魔石!?そんな……」


 ギルド内がざわつく。


 冒険者たちが俺を見る。


 ギルドマスターが走ってくる。


「レオン!本当に深淵の迷宮を……!?」


「ああ。完全攻略した。深淵の王も倒した」


 ギルドマスターが深呼吸をする。


「信じられない……歴史上初めてだ……」


 ギルドマスターが叫ぶ。


「皆、聞け!レオンが深淵の迷宮を完全攻略した!深淵の王を倒した!歴史的快挙だ!」


 ギルド内が歓声に包まれる。


 そして、リリアが俺に報酬を渡す。


「レオンさん、報酬です。金貨五千枚……いえ、ギルドからの追加報酬として金貨千枚を追加します。合計金貨六千枚です!」


 俺は報酬を受け取った。


 アイテムボックスの中の金貨は一万枚を超えた。


 もう一生働かなくても生きていける額だ。


 だが、俺の目的は金ではない。


「リリア、次はAランクへの昇格試験を受けたい」


 リリアが笑顔で頷く。


「はい!でも、レオンさんなら試験は必要ないかもしれません。この実績なら……」


 ギルドマスターが口を挟む。


「レオン、特例だ。Aランクへの昇格試験は免除する。今日からお前はAランク冒険者だ」


 ギルドマスターが新しいギルドカードを渡してくれる。


 カードには「Aランク」の文字が刻まれている。


「おめでとう。お前は今、この王国で最も優れた冒険者の一人だ」


「ありがとうございます」


 俺は新しいギルドカードを受け取った。


 Aランク冒険者。


 力のない正義は戯言だ。正義無き力はただの暴力だ。


 俺は両方を持つ者として、この世界で戦い続ける。


 そして、さらに強くなる。


 悪党には死を。


 理不尽な暴力には、さらなる力で応える。


 俺の戦いは、まだまだ続く。



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