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悪党には死を 理不尽な暴力が嫌いな男  作者: 慈架太子


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第二章 魔法の修行


 俺は魔法が使えない。


 剣と魔法の世界なのに、俺には魔法の才能がなかった。十一年間、何度も挑戦したが、一度も魔法を発動できたことがない。


 だが、前世の記憶を取り戻した今なら、何か違うアプローチができるかもしれない。魔法の修行をやってみるか。


 俺は街の図書館に向かった。魔法に関する基礎的な書物を探す。


「魔法の基礎理論……魔力の流れ……イメージの具現化……」


 本を読み進める。前世の知識と照らし合わせながら、魔法の原理を理解しようとする。


 この世界の魔法は、体内の魔力を制御し、イメージを具現化することで発動する。多くの人間は子供の頃から自然に魔力を感じ取り、使えるようになるらしい。


 だが、俺はそれができなかった。魔力を感じ取ることすらできない。


 ふと、前世の記憶が蘇る。前世では超能力というものがあった。サイコキネシス、テレキネシス、テレパシー……科学的には証明されていないが、多くの人が信じていた力だ。


 もしかして、魔法で超能力を具現化できないか?


 俺は考えを巡らせる。サイコキネシス(念力)、テレキネシス(念動力)、テレパシー(念話)、クレヤボヤンス(透視)、クレアオーディエンス(念聴)、リモート・ビューイング(遠隔透視)、フォアサイト(未来視)、プレコグニション(未来予知)、サイコメトリー(念視)、ポストコグニション(過去視)、レビテーション(空中浮揚)、ソートグラフィー(念写)、ヒーリング(超能力治療)、パイロキネシス(発火能力)、テレポーテーション(瞬間移動)、アポート(物体取り寄せ)、アスポート(物体送信)、ピュリフィケーション(浄化・精製)、ピュリファイ(浄化する、清める)、そしてクエイク(地震)……


 これらの超能力の概念を、この世界の魔法として再現できれば……


 数日間、図書館で勉強した後、俺は街の外れにある森に向かった。人目のない場所で、実際に魔法の修行をするためだ。


 森の中の開けた場所に立ち、目を閉じる。


 まずは魔力を感じること。それが第一歩だ。


 深呼吸をして、意識を内側に向ける。体の中を流れる何か……エネルギー……生命力……


 前世では気功や瞑想について読んだことがある。その知識を応用してみる。


 一時間……二時間……


 そして、ついに感じた。


 体の中心、丹田と呼ばれる場所に、温かい何かがある。それが魔力だ。


「これか……」


 俺は慎重にその感覚を追いかける。魔力を手のひらに集めるイメージを描く。


 手のひらがじんわりと温かくなる。


 目を開けると、手のひらに小さな光の粒が浮かんでいた。


「成功した……!」


 小さな一歩だが、確実な一歩だ。俺は初めて魔力を制御することができた。


 それから毎日、森で修行を続けた。少しずつ、魔力の量を増やし、制御の精度を上げていく。


 一週間後、俺は小さな火球を作り出すことができるようになった。パイロキネシス……発火能力だ。まだ実戦で使えるレベルではないが、確実に進歩している。


 さらに修行を続ける。次はテレキネシス……念動力だ。小さな石を浮かせるイメージを描く。


 魔力を石に集中させ、持ち上げる。


 石がゆっくりと浮き上がった。


「これも……成功だ」


 俺は様々な超能力の概念を魔法として具現化する実験を続けた。全てが成功するわけではないが、いくつかは形になり始めている。


 特にヒーリング……超能力治療は重要だ。冒険者にとって回復能力は命綱だ。俺は自分の傷を治すイメージを描き、魔力を傷口に集中させる。


 傷がゆっくりと塞がっていく。


「これは使える……」


 二週間の修行で、俺は基本的な火球、念動力、そして治癒の魔法を習得した。


「力のない正義は戯言だ。魔法も使えるようになれば、俺はもっと強くなれる」


 俺は修行を続けることを決めた。そして、実戦でこれらの力を試す時が来た。



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