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スイーツ巡りのぶらり道中  作者: das
遥けき夏の霜妖魔 ~カシューナッツのカッサータ~
19/32

(完) それぞれの


山賊王ニーチェは、霜妖魔家畜化計画頓挫の結果報告を、驚きなく受け止めた。それ自体は予想していた結末の1つであった。

しかし、続くその詳細を耳にすると、さすがに顔色に変化を来した。夕焼け色の瞳が、険しい眼光を放つ。


報告する秘書官は僅かに身をたじろがせたが、帰還した連中がわめく責任転嫁の泣き言から聴取して取りまとめた情報を主君に報告するという義務は、放棄しなかった。


「……何分、わからぬことも多々ございますが、概ね、このような事情を経たとのことです」


「ヴェスプめ……芽吹かぬ種なれば土を変えればあるいはと思ったが、うまくはいかぬものだな。……ガスパロの行方はまだわからぬか?」


「近隣の街の『遠目』からはまだ何も。現地の連中もガスパロの動向は把握していなかったとのことです」


「……彼奴のため込んでいた研究資料は?」


「そちらも、(よう)として知れず。念のために拠点の跡地を捜索させましたが、ガスパロの部屋には無かったとのことです」


山賊王ニーチェは覇気を失って、ため息を漏らした。


「……いずれか1つは成ると見込んでいたが、全て取りこぼすとはな。よもやヴェスプとガスパロのみを喪い、搾りカスのような連中のみ送り返されるとは」


霜妖魔の家畜化が成就するなら、よし。

たとえそれが成らずとも、ヴェスプが将器に目覚め、一身の処罰を覚悟しても部下を護るために撤退の勇気を示せれば、よし。

あるいは魔術師ガスパロの妄想する空論が躍進を遂げて実用化への道筋を得るか、一向に芽吹く兆しのない『混沌魔法』研究からの宗旨替えをする契機になれば、よし。

それであっても、手下の中でも粗暴なだけの、今後の経済活動において扱いづらい連中を、体よく磨り潰せれば、よし。


「廃材の有効処分を図っただけの無害な企てとはいえ、ここまで成果が無いと、流石に始末に困るものだ。……おそらく偶然の結果であろうが、してやられたという苦味は否めん」


ニーチェは冷笑的に嘆き、次の陰謀の企てに思考を向けた。




フユッソ村唯一の食事処兼雑貨屋の『ルベル亭』で焼き菓子の盛り合わせをつまみながら、村娘たちは歓迎とは程遠い態度で応えた。牧畜や農耕の役目に区切りをつけた夕刻、

いつものように3人で談笑しているところに、セルヒオが声をかけてきたのである。


「リコッタチーズ? チーズ作るときの水を煮込んだヤツよね」


「おう。お前ら、他に何か売れそうなの、思いつかないか?」


セルヒオの顔つきが真剣なのと、予期しない話題が振られたことに、娘たちは互いに顔を見合わせる。村の産物を街に売り出しに行くというのがセルヒオの企画であった。娘たちは率直な感想を内輪で語り合う。


「あんなの、わざわざ外に売りに行くの?」「……バッカじゃないの?」「誰が買うのよ、あんなもの」


「どうとでも言え。けどな、アレは意外と街の人にはウケると思う。新鮮な牛乳が手元に無いとそもそも作ろうってハナシにならないモノだからな。なにより原価が安い。ほとんどタダみたいなもんだし。……いいんだ、最初は売れなくても。街には無い珍しいものを売ってるって、俺の顔を覚えてもらうだけでもいい……そうすれば、次につながるはずなんだ」


「すぐ腐っちゃうでしょ、アレ」


「……あー、その点については心配ない。少なくとも道中は保たせられる。俺……じゃないけど、俺がなんとかする。承諾はもらえたし、協力してくれると思う。街の案内と引き換え……だけ、ど……」


リコッタチーズの鮮度保持について請け負ったセルヒオであったが、不意に襲う空耳が語尾を弱々しいものに変えた。


――侵略者をアテンドすんな、馬鹿


と、やたら外見だけは人を惹きつける、はち切れんばかりのうさんくささを溜め込んだ銀髪の少年の叱責が、セルヒオの脳裏をかすめたのである。しかし、すぐに打ち消す。霜妖魔は侵略者じゃない、敵じゃない、敵にしない、敵にさせない……その決意は断固たるものとして、何かとぶれがちなセルヒオの思考の筋を保つための揺るがぬ支柱となっていた。


そんなセルヒオの心境は知らず、娘たちは気ままな放言を続ける。それでも根気強く娘たちの会話に耳を傾けるセルヒオの態度をみて、娘の1人が思いつくままの案を出した。


「なんのこと?」「しー、せっかくやる気だしてるんだから、放っておきましょうよ」「……ストマフィリアがいいんじゃない?」「北の山でいっぱい採れるけど、すぐ枯れちゃうのよね」「うちの羊もよく食べてるわよ。村の家畜が病気しないのは、ストマフィリアがおかげなんですって。お母さんが言ってた」


今後はセルヒオが首をかしげた。ストマフィリアは村の近隣で採取できる食用の野草である。滋養に良く、腹持ちに優れており、万病への備えになるとされている。収穫期には家庭の食卓に並ぶこともあるが、夏が過ぎるとすぐに枯れてしまい、乾燥すると著しく食味が落ちるため、その大部分は家畜の餌となっているのが実情である。


「あんなもん、摘んだら1週間でダメになるだろ。収穫シーズンも長くないし」


「秋には枯れちゃうけど、あれ、冷やすとすごく長持ちするわよ。春まで新鮮なんですって」


「ですって、って……なんでお前が知ってるんだ?」


「カルロさんが言ってた。枯れる前に刈り取った後、氷洞に置いておくんですって。非常食として」「へぇ、さっすがカルロさん。物知り~」「ときどきカルロさん、季節外れのハーブわけてくれてたけど、そういう仕組みだったのねぇ」


「カルロさん……が……」


カルロの名がセルヒオの腹部に鈍い苦味を差し込んだ。優し気な、柔和な微笑を湛えた老人の姿を思い出し、喪ったものの重みを痛感する。

吐き出して、泣き出して、投げ出してしまいたい――そんなセルヒオの弱音の芽を摘み取ったのは、精悍な益荒男から託宣のように告げられた言葉であった。


――関雲長が保証する、この道を往け


悲しみを包み隠し、背負い続け、それでもなお歩みを止めない。

セルヒオが関羽から授かったのは、男の矜持の在り方であった。


「先はなげぇなぁ」


「なにへこんでんの?」「馬鹿なりにいろいろ考えてんじゃない?」「放っておきましょうよ」


遺された老婆ロセに全ての真実を明かしてしまおう、そして下される罰に身を投じよう――その誘惑は今でも断ち切れていない。しかしそれはならぬと教えられた。詳細はわからないが、名誉は回復されているとのことであり、もはやセルヒオの干渉する余地はない。しかしそれは関羽の優しであり、厳しさでもあることが、セルヒオにも理解できた。


セルヒオは、セルヒオのできることをするしかない。

続けるしかないのである。止まれば永久に償えない。

這いずるような後悔を吞み込んで、心の蔵に押し込み、いつ得られるとも知れぬ結果の訪れる時まで、進み続ける。


「すまん、助かった。……またいろいろ教えてくれ。あ、あと、俺のダメなところとか……あんま無いと思うけど、気づいたらこっそり教えてくれよな。頼むよ」


「……はぁ?」「どうしたの、あんた」「きっとあのおじさんに叱られたのが効いたのよ」「……おじさん? だれ?」「ユーリン様の後ろとか横とかに、そんな感じのヒトもいたじゃない」「あー、そういえば……居たような気がする~」「あーあ、ユーリンさん、また来てくれないかなぁ」「あたし、付いていきたかったなぁ」「ねー、さみしいわ」「……襲っちゃえばよかった」「きゃー」「捕まえられなかったって、お母さんが言ってた」


セルヒオは天を仰ぎ、けれど天ではなく関羽に祈った。


(……ウンチョウさん、本当に頼みますよ)




霜妖魔の王国。その最奥に建立された氷の宮殿の王座の間において、霜妖魔エクロは頭を伏して女王の言葉を待った。少年が携えていた(くだん)の刃物が、約定に違えて山中にて抜き放たれた次第を報告したのである。


―――約定か。そんなものもあったな


神の直系被造物として地上に現存する、霜妖魔の女王にして種族の始祖たるネージュは、エクロの報告に関心を示さなかった。最後までその内容に耳を傾けたのは、エクロの日頃の忠勤を尊重してのことである。冬空を染める雪雲のような色合いの声で、裁定を下した。


―――不問とする


女王の言葉にもエクロは微動だにしない。しかしその内心は安堵に包まれた。頭を垂れ、女王の裁定を厳粛に戴く。


――承知しましタ。ご寛容に感謝致しまス


形式に則ったエクロの言葉であったが、女王ネージュはこみ上げる自身の笑声を押し殺すという態度をとることで、その滑稽さをエクロに指摘した。

しかしエクロはその理由に気がつかない。女王はますます愉快になった。


理由を告げたのは女王の気まぐれであり、エクロの困り顔を鑑賞する遊戯に飽きたためでもある。


―――お前はいつからヒューマン族の助命に感謝する立場になった?


――これは……失言でしタ


―――不問とする。不快と愉快の伴ったヒューマン族であったが、アレが大層な器であること、(わらわ)もその点をあえて否定はせぬ。あの小僧についての詮議はこれにて(しま)いとする。……して、その荷のほうは、あの小僧に(ゆかり)のものか?


女王は話題を転じた。雪すらも凍てつくような氷の王座から、エクロの後方にある氷台に据えられた荷に視線を向ける。この謁見に際して、エクロが恭しく運び込んだものである。


エクロが話題の切り替えに間をおかず応えられたのは、エクロ自身がそれを望んでいたためである。


――愚弟子への見舞いと言う名目にテ、ヒューマン族の村の遣いから差し入れられた次第。……ヒューマン族どもの嗜好に合わせタ、甘味の包のようデ……


―――あの小僧の差し金か、つくづく生意気なことだ。……まぁよい。不問にする、と告げたばかりだ。あの徘徊者は喜ぶのであろうな。寛容を以て認めよう。キタンめに差し入れを届けることを許す


ヒューマン族からの貢物(みつぎもの)を受け取ることについて女王からの承諾を得られたエクロであったが、その喜びをごく短く打ち切った。氷柱から(したた)る雨水の(しずく)のように歯切れ悪く言葉を並べる。


――愚弟子へのご配慮のほド、ありがたきことに御座いまス……それで、その……併せて、どうしても、お伝えせねばならヌ次第が、伴いましテ


―――申せ


――このような注釈が付けられておリ……甚だ恐れ多くモ、陛下宛と思しき様式にしテ……


エクロは1枚の紙を差し出した。風が紙をすくい、女王の手元まで届ける。


『神代の尊き御方へ。のっけから略式キメる無官の庶民の無知と無礼に対して無難げなご寛恕願わしく存じます。陽子Noteのスイーツをご賞味ください。コレが現代の味です。~貧相な身体より~』


――― ……。()(がた)


女王の率直な所感がこぼれた。

エクロは即座に頭を床の氷にこすりつける。


―― お目を汚し奉る不首尾の次第、全て我の不手際にテ、何卒、この身を以テ……!


――― 不問とする。お前がアレに惹かれることを咎めはせぬ。アレは(わらわ)(これ)を許すと確信して寄こしたのだ。……忌々しいが、()()()()()妾の不覚であり、こうされれば妾が(これ)()()()ことを見透かされた妾の敗北だ。……アレの素行と境遇はさておき、アレが大言を吐くだけの器であるのに相違は無いのだ。素行はともかくとしてな


女王の言葉には暗夜の吹雪のような韜晦に覆われており、その心意をエクロが見通すことは叶わない。しかしそれを不躾な疑問として形にすることもなかった。ユーリンの遣いが届けた荷を乗せる氷台が、音もなく滑って移動し、女王の手元まで荷を運搬する。


女王は自ら手を伸ばし、指でたぐってその荷の結びをほどいた。その光景に思わずエクロが息をのむ。


女王の指が止まった。包がとかれて(あらわ)になった貢物に目が注がれている。微動だにしない。まるで氷のように硬直していた。


畏れ多くも、エクロが尋ねる。


―― 何か異変ガ?


―――古い馴染みを想い出した。それだけだ


エクロに対する応えではあっても、女王のそれが己の内に向けた繰り言であることは明白であった。エクロは沈黙という礼節を保ち、女王の反応を伺う。


女王の手のひらに氷が現れた。薄く、澄明な、円盤形である。手元の氷と包の内の物を見比べ、女王は考える。やがて思い直したように手元の氷を消失させ、新たな輝きを形にした。四角形の皿を象った氷である。それを氷台の上の包の横に並べて置いた。


―――そう、確かこのような型であった


包の中身――直方体を覆う油紙をめくりはがし、女王は手元の皿に乳白色のソレを展開した。女王の眼に驚きが差す。


―――……ほう、及ばぬが、迫ってはいる


両眼をつむった女王は、悠久ともいえる記憶の谷に意識を沈める。浮かび上がるのは、遥けき過去の一幕であった。

『スイーツは全身全霊で楽しむこと、口と鼻と、もちろん指も目もよ! 付いてるモンならチンポだって使っていいわ!』(かまびす)しい声とともに、その姿をも思い返すことができた。……できたことに、女王の胸を懐かしさが満たした。


―――アレも大層やかましい小娘であったな。……約定か。そんなものも確かにあった。忘却の彼方であった。……何と言う名だ?


眼を伏せたままの女王から唐突な問いがエクロに投げられた。非常に曖昧な問いである。回答に迷ったエクロは、関連する知る限りの名らしいものを並べた。


――麓のフユッソ村に住むロセというヒューマン族の老婆の手による『カッサータ』なるスイーツをセルヒオなる若造が届けて参りましタ


―――老婆、か。定命の者は、これだから


女王の関心は、カッサータの調理者であるヒューマン族の個体に向けられていた。エクロの疑問はつきないが、コレが機であることを直感し、かねてよりの構想を女王に上奏した。


――交易を……信用のできるヒューマン族の者とのミ……我らの益になる限りですガ……我らの氷は、魔法も扱えぬ脆弱なヒューマン族どもには貴重であリ、奴らに我らの廃物を押しつけるだけでモ、我らに有利な取引が望めましょウ


僭越による当然の処罰を覚悟していたエクロであったが、意外にもその時は訪れなかった。女王の眼が、ようやくエクロに向けられる。


エクロの見る限り――畏れ多くもそれは、寂しそうな表情と言えた。ただその声のみが、氷のように永遠に変わらぬ冷たさを保っている。


―――些事だ。好きにせよ


――謹んで我ら霜妖魔の冬のたメ、尽力致す所存


―――……。お前が甘味を求めておるだけであろう


エクロは俯き、女王の問いに応えぬ無礼を以て、その問いへの答えとした。




夏の陽光を浴びて、カルロの墓石が濃い影を地に落とした。黒く、いずれ訪れる夜の深さを暗示するかのようなその影模様を下に敷いて、鮮やかな乳白色のカッサータを墓前に添えた。


老婆ロセは膝をあげ、墓石に掘られたカルロの名を目でなぞる。


まるでそれを初めて見たかのように。

それがまるで違うものに感じられた。


「詳しくは聞かないよ。言わないのは、きっとアタシのためなんだろうね。でもわかるよ。アンタはあの人のために尽くしてくれた。……ありがとう」


老婆ロセは、振り返って霜妖魔キタンに言った。


キタンは震えながらも、足を前に進ませた。

泣き出しそうな顔をして、けれども逃げ出すような気振りもなく、カルロの墓前に立った。


「……ゴメ……グ……ガさイ」


キタンは膝をついて、左右の手でカッサータを両脇から包む。まるでそれを、温めるかのように。


蒼白い輝きが、遥けき夏の焼けるような太陽を迎えた。


いつかは溶ける。氷は溶けるのが道理である。

ほんの少しの変化を求めて、キタンは丹精を込めて、真夏の日差しの下で、氷を精製した。


たとえそれが、ほんの僅かな結果でしかなくても、それが本懐であった。

燦然たる陽光を浴びて輝く霜に包まれたカッサータが、少しでも長く、その美しい艶を保てるように。




いかなる史書の記録にも残されていないため、その会話があったことを知るのは当事者の2人だけである。


今は遥けき神代(パトリア)のうららかな昼下がりにおいて、聖帝カイロリンは私室で茶菓に興じていた。発酵茶葉の香りと合わせて、友人お手製のカッサータを堪能していたが、ふと手を止めて友人に声をかけた。その友人は長椅子を寝台代わりにして寝そべったまま、友達(ダチ)に応えた。その内容を知るのは、当事者の2人だけである。


「ヨーコさん、ひとつ質問をすることをお許しいただけますか?」


「なーにー、Myきんぐ? あたしにムツカシーことは聞かないでよね。せーじとか」


「ご安心ください。私にとっては難解でも、おそらく貴女にとっては容易な問いです。『なぜこのカッサータのレシピを、フユッソ域に限定したのですか?』 ……冷やすという工程に適正のある氷洞穴が近くにあることは知っていますが、もっと量産に適した気候風土の地もあるでしょう?」


「んー? ……んんー? まてまて待てマテ、ちょっと待って! ……氷洞穴? なにそれ!? ハツミミだわ……あのへん、そんなんあるの?」


「知らなかったのですか?」


「ぜんぜん」


「……失礼しました。質問を変えます。『どうやってフユッソ域でカッサータを作らせる算段だったのですか?』材料を冷やして固めるという工程は欠かせませんよね? というより、貴女自身がどうやってフユッソの村でカッサータを造ったのですか?」


「んー? わっかんないの?」


「……わかりません」


「あははは。カイちゃんもまだ若いなぁ」


「私は貴女より歳上ですよ、外見はともかく」


「……それって、あたしが老けてるって言いたい系のヤツ? お? 勝負すっか?」


「違いますよ、私が神授の不老の身であるという一般知識の確認です。……架空の私を握り拳で殴打しないでください……それよりもカッサータの話です。冷やすというのは、温めるよりも遥かに難しい調理工程です。まさか私のように『氷魔法』を凡庸な村人たちが常用するわけにもいきませんし……貴女の中で、何か構想があるのでしょう? それを知りたいのです」


「はぁ?」


「貴女に呆れ顔をされると傷つきますね。どれだけ歳をとっても、女性に失望されるのは、男にとって辛いことなのです」


「……あのね、カイちゃん、その凡庸な村人たちは、ちゃんと『答え』にたどり着いてたわよ。たぶんコレからも、ずっと、ソレを手放さない……」 


だって、あたしはそう信じてるし




遥けき夏の霜妖魔

(完)

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