≪ 綺麗 ≫
生まれた。ここに。こうして。
気付いた時、いや、生まれた時と言った方が正しいのだろうか?
俺には解らない・・・でも、全てを知っていた。
矛盾しているけれど、理解していた。
俺は、咲隼秀里に生み出された。
ぶっちゃけ、戸惑った。いや、生まれた事がじゃない。
咲隼秀里を好きになれるか?と言う事だ。
彼女はそう望んだ。いや、正確には友達をだが、もしかしたら恋人なんて事にもなるかもしれない。
俺は悩んだ。
・・・そうだ。名前・・・俺の名前どうしようか?
何にも考えて無かった。いや、彼女が考えてくれていれば・・・まぁ、しょうがない。
適当に・・・田中?佐藤?林?石田?中田?斉藤?加藤?高橋?
どれもしっくりこない。いっそ、珍しい名字にしようか?
期央・・・。中心って事だし、響きも良い。まぁ、中心って言っても少し意味は違うが。
名前は・・・今日・・・助。今日助。
だが、少し漢字を変えた方が?期央じゃーちょっとな。
喜びの中央で、喜央。強引だが、良いだろう。
名前はカッコいいので良いか。京・・・助。
まぁ、妥当だろうな。
じゃー俺は今日から、喜央京助だ!
夏が終わる頃。けれども、暑さは終わらず、続いている。
「屋上に居るのは辛いな・・・」
あぁ~暑い。菓子パンじゃなくて、飲み物にすれば良かったか?
でも何かキャラ付けとかないと印象薄いだろうし。
「暑いな・・・」
この場所から何か生まれるのだろうか?
少し不安だった。俺の存在はイレギュラーだ。いつ消えるか分からない。
それに、彼女がここに来るかどうかも分からない。
いや、来ない方が良いのかもしれない。いずれ消えるなら、俺の事なんて知らない方が良いのかもしれない。
けれど、彼女じゃないと俺を存在させる事ができない。
複雑だ・・・。
どんな・・・子だろうな。彼女の思いは分かる。辛さも分かる。そこから生まれたと言っても過言ではないから。
可愛い子だろうか?俺好みだろうか?俺の事を好きになってくれるだろうか?
・・・ふっ、何か、何か可笑しな悩みだ。
「どんな子だろ・・・」
気になる。会わない方が良いとか言ってはいるが、やはり会ってもみたい。
「優柔不断だな・・・俺」
苦笑。自分に。
すると、屋上の扉が開いた。
その扉から、綺麗な顔立ちの女の子が、現れた。
この子が・・・生徒会長で、俺を生みだした。
てか、顔知らないのに良くこの子がそうだと分かったものだな、俺。
いや、もしかしたら知っていたのかもしれない。
・・・・凄く、綺麗な人だな・・・。
おっと、何か言わないと。
・・・そうだな・・・。
「何でアンタ見たいな優秀な人がここに?」
少し皮肉を込めて。
目が合った。
・・・・本当に、綺麗だな。
今回は喜央目線で。
いや~次の次ぐらいえで終わりかな?
決まってはないけど。
それとぶっちゃけ話。喜央の名前の理由。後付けです。
まぁ~適当につけたんだけど、どうしよう・・・?とか思ったけど、まぁ~それっぽい理由を・・・(苦笑)
もう少し頑張るので、よろしくおねがいします。