周りから見たらこの状況は危なすぎるよね!?
乗り換えや駅校舎内を歩く二人。恵一と恵だ。前回でもわかるように、二人は面識がない。ただ、恵は恵一についていくだけである。そして、乗り換えた電車の横にも座ったりする。無表情で。言い方だけだとまるで催眠にかけられ怪しい奴についていってしまった人のよう…。勿論怪しい人についていってはいけませんよ。異世界転移してしまって、寝る場所に困っている恵だけが許される事ですから。
「なあ、あれは何て書いてあるんだ?」
電車が動きだしアナウンスが次の停車駅を知らせている。そんな中、恵は電工掲示板に書いてあることを聞いてきた。
「ん?あれは『次は調布』って書いてあるな。次の駅は調布駅で俺らが降りる所なんだ」
隣に座っていた巨乳の少女がそのやり取りを聞いて疑問感に包まれることとなった。理由は単純で大学生くらいの男性が隣の少女に次駅の説明しているのだから。しかし遠方からやって来た従兄弟という結論に至ってそれ以上考えることを止めた。
電車は西に西に進んでいき、地下に潜っていった。その一部始終を恵は見ていた。初めての電車に興奮していた。そしてまもなく次の停車駅『調布』に着こうとしていた。
「じゃ、降りるぞ恵」
調布駅に入線。電車の扉とホームドアが開いて恵一と恵は下車する。エスカレーターを上がっていくと改札に辿り着く。恵一はICカードで、恵は切符で改札を通過しそのまま地上に向かった。
「フム、この国はでかいと見た。城壁が見えない」
「この国は島国だから城壁はねーんだよ」
「なら、どこが国境なのだ?」
「その件についてはまた後で説明してやるよ。ここら辺人多いからはぐれんなよ」
「大丈夫。臭いでわかる」
「テメェは犬か!?」
調布駅から徒歩十分、暗くなった街の大通りを歩いて、漸く恵一の住むアパートに到着した。階段を上がって三階に到着すると、恵一が鍵を開け、中に入っていく。恵もついていった。
「異世界転移者には狭すぎる家かもしれんが我慢してくれ。あと、鍵かけんの忘れんなよ。そこの丸が縦に刺さってるみたいなやつを横に捻れば鍵が勝手に閉まる。そして下にチェーンがあるだろ。それを左の出っ張りに引っかければオッケー」
恵は言われた通りの動作をして鍵を閉めた。カシャンという音が部屋に響いた。
「この部屋。狭いな」
「うっさいな。俺の話聞いてた?」
ワンルームで家具はテレビとベット、小さなテーブルがあり、台所には小さな冷蔵庫があった。一人暮らしにはぴったりかもしれないが二人には少し狭いかもしれない。
密室の中に一人の青年と一人の少女。この状況はもはや危ないの言葉につきる。ま、まさか恵一は夜の野獣と化してしまうのか!?




