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19 オークに子供を孕ませられる

 朝起きて 朝食を食べ また眠る。


 しかし眠れなかったので冒険者ギルドへ登録に行くことにした。

 一階へエレベーターで降りロビーに出る。ロビーではすでに音楽が奏でられ優美な雰囲気を醸し出していた。その雰囲気に後ろ髪をひかれつつもホテルを出てギルドへ向かう。

 ホテルを出るとまだ早朝の喧騒の真っただ中だった。あーロビーに戻りたい。外は人が溢れていた。

 やはり寝るのが早いと朝も早い。日は未だ昇ったばかりでギルドのある東の方向へ歩くのは眩しくてたまらない。しかし、環状なので直ぐに眩しさは収まった。

 距離にして凡そ4km。一時間も歩けば着くだろうか。


 朝の街と喧騒を遊覧しながら歩いて行くと一時間ほどで到着した。中へ入るとまだ早朝だろうにもう建物内は冒険者でごった返していた。余りの人との多さと(せわ)しなさで冒険者ギルドの風物詩、新人潰しはお休みのようだ。


 安心してカウンターへ向かった。


 すると、世紀末には大発生しそうなモヒカン頭の男がにやけた顔でやって来る。

 よく見ると頭にZの文字が。どうやら新しい傷の様だ。


 絶対異世界から来た勇者がやったんだろう。グッジョブ( ̄ー ̄)bグッ!


 傷を凝視していたら怒られた(T_T)。


「こ、これは昨日勇者に付けられた傷だ。」


 やっぱり。


「お前で怒りを晴らしてやる。あなたの登録申請を受けつかました。あなたは今日からパーティーメンバーです。抜けたかったら体を差し出してパーティーメンバーを楽しませてください。」


「って、どこのワンクリック詐欺だよ。申し込んでませんから。それじゃ。」


「待てよ、お前は未だパーティーメンバーだぞ。」


 このままではパーティーを抜けるのに大金を振り込まされるかもしれない。


 すると身長2mはあるかと思える筋肉の鎧をまとった世紀末覇者の様な男がやって来た。


「俺はここのギルドマスターだ。お前はここで引かないと出入り禁止にした上にとんでもない事になるぞ。」


「わ、分かったよ。もう止めるよ。」さすが世紀末覇者、一撃だ。


 やはり悔いのない人生を送っているのだろう。これで高額な解約金を支払わずに済んだ。


「大丈夫ですか、ターニャ様。話はイサドヌイン会長から聞いてます。ここでは私だけの秘密にしておきます。」


「はぁー。」その秘密俺にも教えて欲しいんですけど。皆さん勘違いして教えてくれないし。


「本日は登録ですか。」


「はい、登録に来ました。」


「では、こちらのカウンターで受付をお願いします。ターニャ様は登録は初めてでしたね。ギルドランクは何がよろしいですか。取り敢えずSランクにしておきましょうか?」


「い、いえ、滅相も無い。一番下のランクでお願いします。」


「そうですか?勿体ない。」


 なぜあなたは俺よりターニャに詳しいのですか。とても聞けないけど・・


「彼女が受付のアレクシアです。彼女が説明しますので。何かありましたら二階の私の部屋へお越しください。それでは失礼します。」


 受付のアレクシアさん、ギルマスをじっと見つめてるんですけど。あれ、なぜこっちを睨むのでしょう。何か勘違いされてませんか。


 冒険者ギルドの受付嬢はご多分に漏れず美人を用意している様だ。

 名前を書いてカードが出来上がるのを待っていると名前を呼ばれた。


「ターニャ様、カードが出来あがりました。こちらへお越し下さい。」


 あれ?さっき睨まれたような気がしたけど気のせいだったのかな、満面の笑顔だ。美しい。


「これがギルドカードです。名前、職業、現在のレベル、ギルド内でのランクが表示されます。ギルドランクはギルドへの貢献度です。Gランクから徐々に上がっていきます。このランクはあなたの実力と言う訳ではありません。Gランクだからと言ってあなたの実力が低いと言う訳ではありません。レベルは現在のレベルです。こちらがあなたの実力を表しています。えっと、現在レベル1ですか。レベル1だと10歳のお子様くらいの実力ですね。冒険者になるには低いと言えるのですが、まぁ、大丈夫でしょう。お噂は兼ね兼ね聞いておりますし。なんでも盗賊を武器もなく退けたとか。やはり武器は色仕掛けですか?」


 口の端が片方上がって、鼻で笑われてるんですけど・・・


「レベル1でもそんな必殺技があれば冒険者としてやっていけるでしょう。私も持っていれば良かったのですが、因みに私はレベル36です。まぁ、くれぐれもオークに子供を孕ませられない様に気を付けてください。 」


 なんか、凄く虐められている気がするんですけど。

 その内スキルに『色仕掛け』が付くんじゃないか?それより、オークに子供を孕ませられるってそれフラグじゃないよな、オークに孕ませられたりしないよな。不安だ。

 仕方ないから、素直に返事をしよう。


「そうですね、避妊には気を付けます。」


「 (” ̄Д ̄ )チッ 」


 え??今舌打ちした?素直に返事したのに。


「ところで、レベルアップって直ぐ出来るのでしょうか?」


「一カ月もあれば上がるんじゃないでしょうか。なんせまだレベル1ですから。レベルが高くなると上がりにくくなりますが、なんせまだレベル1ですので、なんてったってレベル1ですし、所詮レベル1ですからすぐに上がりますよ。 」


 なぜ半笑い?もう、この人嫌味を前面に押し出してるよ。怖いよこの人。受付嬢は美人で優しいのがテンプレなのに、テンプレ基準法違反だよ。もしかして、俺がギルマスを盗ると思ってる?嫉妬?


 誤解を解かないと。


「あのぉー、誤解だと思いますよぉー」


「分かってますよ。安心して下さい。」


「何だぁ、誤解だと分かってたんですね。」


「えー、分かってますよ。レベル1じゃないですよね。スキル『色仕掛け』はもうレベル10でしょ。」


 モー結構です。お互いの溝が深すぎます。多分深すぎて底には人魚が住んでますよね。

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