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16ダイシズリポート①

ダイシの回顧録による補足です。

 俺は普通に冴えないサラリーマンだった。

 

 日本の労働環境を憎み、月曜の朝と痴漢冤罪を恐れる小市民。趣味はゲームや漫画やアニメや小説、たまに映画と言った感情移入娯楽を主食とし、現実逃避が大好きな33歳。

 

 俺は社員寮に一人暮らしで、両親は健在。姉は結婚して妹も彼氏持ちで幸せそうだった。

 しかし俺は少額のボーナスを握りしめ、風俗に行くくらいしか女性と接点を持てないでいた。

 

 そんなある日の日曜日の夜、俺はとても幸せな夢を見ていた。内容は覚えていないが取り敢えずとても気持ちの良い夢だった。

 

 ふと目覚めるとそこは全く見たことの無い場所だった。

 アドレニック帝国の城内にある【召喚の間】だ。

 

 俺が行方不明になった事できっとそれなりの心配はされているだろうが、それ程仲の良い家族関係ではなかった。

 俺としても家族にも会社や友達にも大きな未練はなく、今のところなんの後悔もしていない。

 

 【召喚の間】には俺を召喚儀式によって異世界転移させたジョロッチと部下三人がいた。

 

 アドレニック帝国宮廷魔道士長ジョロバケット。

 魔法剣士タウンゼント。魔道士ヨキームとビンスミ。

 

 この4人はアドレニックの魔道部隊の中でも特殊な存在で特に魔力の高い者達だ。

 

 この世界では呪文詠唱による魔法発動はほぼ無く、イメージと意識操作による魔法発動が体系化されている。

 研究や解析には詠唱理論が活用されるが、その専門職でないと理解が及ばない。

 

 特にジョロッチは帝国一の魔力量の持ち主で、召喚儀式、魔道研究、魔道部隊指導などの第一人者でありながら帝国の内政にも大きく関わっており、実のところ帝国において最重要人物だったりした。

 

 皇帝不在の内政はペロボック宰相が最高権力者として踏ん張っていたのだが、ジョロッチの手助け無しでは立ち行かなかったらしい。

 

 そんなジョロッチを性的な目で見てしまってごめんなさい。でも仕方ない事だしこれからもきっと性的な目でみます。

 

 

 

 そして、俺に最強の力を与えてくれた巫女っち。

 

 アドレニック西部に聳え立つ霊峰(神山)の頂き付近の神殿に居を構え、12歳くらいの非常に可愛らしい少女の姿だが中身は数千歳の超ロリババア。

 

 巫女神と呼ばれ固有名を持たずアドレニックでは皇帝より上の位の神位を持つ。

 普段は神山の神殿でほとんど寝て過ごしているらしいのだが、事ある度に俺らの周りをチョロチョロしてよく俺と喧嘩をする。

 かと言ってお互い嫌いではなく、良い喧嘩友達だ。

 

 巫女っちは決して戦闘能力は高くないのだが、俺が全く歯の立たない人物でもある。

 リューンの村でも見えない透明な縄で拘束されたが、あれが決して逃れられないのだ。

 

 確かに力を降臨させたやつが極悪な人間で、反乱でも起こしたら何の為に苦労して異世界から召喚したのかって話しになる。

 その為の抑止力として、巫女っちは俺達転移者には絶対の力を兼ね備えているのだ。

 

 因みに、巫女っちが与える【大いなる力】はこの世界の人間では元来持っている魔力や、スキル(特殊技術)が弊害となり与える事が出来ない。

 そのため、わざわざ魔力も何も持たない異世界の人間を召喚する必要があるとの事だ。

 

 とは言え、俺ほどこの力との相性がよく、フルで能力を発揮出来るのは初めてなのだとか。

 

 加えて、相性が良すぎたせいなのか俺の魔力量は底がない。

 リューンの村での狩りの時や、マクドゥル共和国との戦争の際、散々魔法を使ったが魔法使用による体内の魔力量の減少が全く感じられなかった。

 巫女っちやジョロッチに聞いてみたが、これと言った原因は不明で、まぁいいかとそのまま置かれている。

 

 

 

 そして俺の愛するユーチェアの村。エルフの村リューン。

 住人は56名と小さな村だが、エルフらしく弓矢を用いた狩猟で生計を立てている。

 しかし俺の中のエルフは他種族には排他的で魔法が得意と言う設定だったが、これは真逆だった。

 

 俺を快く迎え入れてくれたのは良いが、多くの村人は魔法が使えなかった。使える者も初級レベルの魔法しか使えず、かと言って俺も教える事が出来なかった。

 

 現金収入としては狩った獲物の革や牙、肉を近くのサテラの街から月ニで来る行商人との取引で得ていた。

 

 リューンの村とサテラの街はクライブ王国と言う国の所領で、アドレニックとは有効関係にあり空間転移門の相互利用も問題なく行える。

 

 今後も暇を見つけてはちょくちょく遊びに行きたいと思っている。

 

 

 

 

 俺が苦手としているのがアドレニックの将軍達だ。

 アドレニックは軍事政治でとにかく将軍達の発言力が強い。しかも、脳筋の奴らが多いので何時も会議は騒がしいし、なかなか結論がでない。

 

 なので大体いつもジョロッチやペロボッ君が落としどころを誘導しなければならなくなる。

 

 将軍一人につき八千から一万の部隊を統率する。

 将軍の下には千人将や百人将がつき、軍隊としては効率的な運用が可能となっている。

 

 軍の構成は指揮系統や特殊部隊は主に魔族や人間、亜人が担当する。

 主戦力の歩兵や騎兵は巨神兵やインプ等の魔物、スケルトンやグール等のアンデッドが固める。

 この構成がアドレニック帝国の強力な軍隊を支えている。

 

 アドレニックは大陸南部の平野の中央に位置し、多くの国々に囲まれていて四方を警戒する必要がある。マクドゥルを退けた事により今までの均衡が変化し、新たな戦略も必要な状態になった。

 

 俺と言う極大戦力を皇帝に冠した事も含め、更なる戦力増強が課題となっている。

 

 

 

 

 今でこそ大きな帝都を構え、安定したアドレニック帝国だが、歴史を遡れば典型的な侵略国家だった。

 その時々の大義のもと周辺各国を撃破し従属させ、国力を高めていった。

 

 マクドゥル共和国はその侵攻から逃れた様々な魔族の部族が寄り集まって出来た国家だった。

 

 先祖代々のアドレニックに対する恨みを根底に持ち、【凶黒の魔王】グランザムを頭に据えじわじわと力を溜めていた。

 

 そして先般、機が熟したと宣戦布告をしたものの、俺と言う予定外の極大戦力のせいで、あっさりと敗戦してしまったのだ。

 

 身体を真っ二つにされ、別々に幽閉されたグランザムだったが、魔人の気質のせいなのか圧倒的な力を持って制圧した俺に強い憧れを抱き、敗戦処理への全面協力とアドレニックと俺に対する魔法紋による隷属契約を受け入れる事により、自由(でもないが)の身となった。

 

 この辺の緩さというか大雑把さが魔族っぽいなと実感する。

 

 

 

 と言う訳で、人間でありながら魔族の国アドレニック帝国の皇帝となった俺は順調に魔王(魔皇帝)の道を進むのであった。

これでとりあえず第一章完結です。

ご要望など頂ければ続きを書きます。

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