■第79話 港町建設編 海を知る仲間たち
リアンたちとの交流が深まる中、さくやは師匠と爆音社長にリアンを紹介したいと考える。
西の岩山を貫くトンネルを通って南西の拠点へ向かう車内での会話から始まり、リアンの航路知識と海洋技術に注目が集まる。
■トンネル内での車窓会話
「よし、師匠と爆音社長にリアンを紹介しに行こう!」
さくやの提案で、みんなでトンネル内を走る小型車両に乗り込んだ。
車窓から見えるトンネルの壁面を珍しそうに眺めるリアン。
「すごいなあ、このトンネル!岩山をくり抜いたんやろ?」
「そうやで、みんなで3か月かけて掘ったんや」
さくやが誇らしげに説明する。
「3か月!すごいやん!リアンの島やったら、こんな大工事は無理やわ」
「リアンの島では、どのように移動していたでござるか?」
ジュウベェが興味深そうに尋ねる。
「基本は船やな。島と島の間は浅い海やから、小さい船でひょいひょい移動してたんや」
車両が少し揺れるたびに、リアンが楽しそうに身体を揺らす。
「でもな、このトンネル見てると、なんか船の中みたいな感じもするわ」
「船の中でござるか?」
「そうそう!暗くて、周りを囲まれてて、目的地に向かって進んでる感じが似てるんや」
■関西弁の伝染
車内でリアンが流暢な関西弁で話すのを聞いて、ジュウベェが気づく。
「そういえば、さくや殿も最近、関西弁が強くなっているでござるな」
「え?そうかな?」
さくや自身は気づいていない。
「爆音社長が毎晩タブレットで教えてくれてるから、リアンだけやなくて、さくやも一緒に聞いてるんやろ?」
リアンが嬉しそうに説明する。
「社長がな、『これが正しい日本語やで』って言うて、いっぱい教えてくれるんや。さくやも『ほんまにそうやな』って言うてたで」
「ほんまにそうやな…って、確かに言うてるわ」
さくや自身が驚く。
「拙者だけが標準的な武士言葉を話しているような状況でござるな…」
■海への憧れと期待
トンネルが終わりに近づくにつれ、リアンがそわそわし始める。
「もうすぐ師匠に会えるん?」
「そうやで、師匠は海のことにもすごく詳しいんやで」
「ほんま?それやったら、リアンも海のことをいっぱいお話したい!」
目をキラキラさせるリアン。
「リアンの知ってる海のこと、教えてくれる?」
さくやも興味深そう。
「もちろん!潮の流れとか、風の読み方とか、いっぱい知ってるで!」
「師匠もきっと喜ぶと思うわ」
「頑張って説明するわ!」
車両が西の岩山を抜け、明るい光が差し込んでくる。
「おお、岩山を抜けたでござる」
ジュウベェが安堵する。
「着いたで!師匠のオフィスはここや」
■師匠のオフィスでの対面
オフィスのドアを開けると、師匠と爆音社長が既に待っていた。
「師匠!社長!リアンを連れてきました!」
「あ!大きい人たちやん!こんにちは!」
いきなり手をぶんぶん振るリアン。
爆音社長が驚いて振り返る。
「おお!リアン上手に喋れるようになったやん!毎晩の特訓の成果やな!」
「社長のおかげやで!ありがとうございます!」
師匠が穏やかな笑顔で話しかける。
「はじめまして、リアン。爆音社長から君のことは聞いていますよ」
「はじめまして、師匠!リアン、海から来ました!」
■海図に興奮するリアン
師匠が大きな海図をテーブルに広げると、リアンの目が一気に輝いた。
「うわあ!すごい地図やん!これ、海の地図やろ?」
興奮したリアンが海図に身を乗り出す。
「そうです。まだ想定ですが、リアン、あなたの故郷がどの辺りにあったか教えていただけませんか?」
「あー!これやったら分かる分かる!」
リアンが海図を食い入るように見つめ、指で方角を示す。
「海の拠点から見て…南東の方やな!季節風がな、春と秋で向きが変わるから、その時期を狙って航海するんや!」
手をひらひら動かしながら風向きを説明するリアン。
「大きな船でも、風待ちして2週間くらいかかるけど、小さい船やったら風を読んで1週間で行けるで!」
■地形と気候の専門知識
「この辺りの海域はどのような特徴があるのでしょうか?」
師匠の質問に、リアンの目がさらに輝く。
「ああ!それやったら詳しいで!」
海図に指を走らせながら熱弁し始める。
「まずな、海の拠点から南に半日行ったところに岩島があるんや。ここは潮の流れが複雑でな、満潮の時だけ真水の湧き水が出るんや!」
身振り手振りを交えて説明するリアンが楽しそう。
「それから東に向かって1日…ここは浅瀬が多いから大型船は通れへん。でもな、この浅瀬にヤシの木がようけ生えてる島があって、実がめちゃくちゃ美味しいんや!」
「それから南東に3日行くと…」
リアンの表情が少し変わる。
「ここは深い海溝があって、潮の流れが急やねん。海賊船がよく隠れてるから危険やけど、魚もようけ取れる場所なんや」
■交易ルートへの情熱
「その危険海域を抜けると!」
リアンの声が弾む。
「大きな交易港がある島があるんや!ここがもう、すごいんやで!」
目をキラキラさせながら続ける。
「島全体が港みたいになってて、いろんな国の船が来るんや。北からは金属を運ぶ船、西からは香辛料、東からは絹や陶器…」
「季節によって来る船も変わるんやで!雨季には南の島々から果物、乾季には材木を運ぶ船がようけ来る」
爆音社長と師匠が顔を見合わせる。
■故郷への愛情あふれる説明
「リアンの故郷は、その交易港からさらに遠いのですね?」
「そうや!南東に1週間くらい!」
リアンの表情が一気に明るくなる。
「もう、めちゃくちゃ綺麗なんやで!珊瑚礁がカラフルで、透明な海に小さい島がぽつぽつと浮かんでて…」
手で島の形を描きながら説明する。
「島と島の間は浅い海で繋がってるから、干潮の時は歩いて渡れるんや。満潮の時は小さい船でひょいひょい移動して」
「それは素敵やな」
さくやが目を輝かせる。
「魚もな、虹色の魚やら、手のひらサイズのタコやら、ほんまにかわいいのがようけおるんや!」
「それでな、朝は島全体がピンク色に染まって、夕方は金色になるんやで!」
「まさに南の楽園でござるな」
■師匠と爆音社長の驚きの表情
師匠が感心して爆音社長を見る。
「これは…素晴らしい人材が現れましたね」
爆音社長も目を輝かせながら頷く。
「こりゃあ、とんでもない助っ人やで!海のことなら何でも知ってるやんか!」
二人が顔を見合わせて笑う。
「リアン、君の知識があれば、我々の造船技術も飛躍的に向上しますね」
「海洋交易ルートの開拓も現実的になりそうだ!」
■新たな可能性への期待
リアンの熱弁を聞き終えた師匠が、満足そうに海図を見つめる。
「リアン、これは非常に貴重な情報です。あなたがいれば、安全な航路での交易が可能になりますね」
「リアン、何でも教えるで!海のことやったら任せて!」
リアンが嬉しそうに手をパタパタ振る。
爆音社長も興奮を隠せない。
「交易港で新しい造船技術も学べるし、材料の調達もできる!」
「ただ、まずは海の拠点の港を完成させることが先決でしょうね」
師匠が冷静に判断する。
「そやな!まずはここをしっかりした港にして、それから冒険や!」
リアンも頷く。
「リアンも港作り、手伝うで!海のことやったら何でも分かるから!」
師匠と爆音社長が改めて顔を見合わせて笑う。
リアンの屈託のない笑顔と豊富な海洋知識が、新たな海洋時代の扉を開こうとしていた。
#小さきもの大海原物語
#岩山トンネル車内での移動会話
#爆音社長の関西弁特訓成果
#さくやにも伝染する関西弁
#リアンの海洋知識大披露
#地形気候航路の専門解説
#交易ルート発見の興奮
#師匠と爆音社長の驚嘆
#素晴らしい助っ人参加
#新たな海洋時代への扉




