表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
61/82

■第58話 帰還編 新たな冒険の始まり

地底の別れから始まる新しい旅路

頼もしい仲間たちとの再出発

西ルートで待ち受ける新たな試練


■新たな冒険の始まり

 朝陽が森の隙間から斜めに射し込み、湿った地面に光の斑点を描く。露を含んだ葉が風に揺れ、しゃらしゃらと涼やかな音を奏でている。

 リトルさくやは膝の上で地図を広げ、小さな指でルートをなぞった。

「よし、西から帰ろう」

 仲間たちがぐるりと囲み、地図に描かれた蛇行する線を覗き込む。山の等高線、谷の印、洞窟の記号──小さく丁寧に書き込まれた道筋が、これまでの冒険を物語っていた。

「行きは東寄りやったから、帰りは西寄りに」

「また違う景色が見られるな」 「でも、今度は道に迷わんといてや」 「それは私のせいちゃう!地図が分かりにくかっただけ!」

 全員がくすくすと笑い、期待で頬を染める。

 リトルさくやが深く息を吸い込むと、土の湿り気と新緑の香りが鼻腔を満たした。どこか懐かしく、それでいて新しい冒険への胸の高鳴りを誘う匂い。


■頼れる護衛隊の登場

 森の奥から、ずしり、ずしりと重い足音が響く。

 白トラの父親が堂々と歩み寄り、その後ろを3頭の黒豹が無音で追従する。背筋を伸ばした彼らの姿勢には、揺るぎない決意が漂っていた。

「おっ、護衛隊のお出ましや」

 リトルさくやが振り返ると、黒豹たちがさりげなく一歩前に出た。

「え、まだついてくる気?」 「私ら、もう完全に組織のボスみたいになってるやん」 「でも、黒豹の舎弟って、なんかかっこええな」

 父トラが「フンッ」と鼻を鳴らすと、黒豹たちも同調するように低く唸る。

「はいはい、分かりました。一緒に行きましょうね」


■緑の西ルートを行く

 西へと向かう道は、行きよりも緑が濃く、狭い獣道が蛇行している。足元の落ち葉がふかふかと沈み、踏むたびにかすかな湿り気が靴底に伝わる。

「この道、なんか秘密の通路みたいやな」 「冒険映画に出てきそうや」

 木の根に足を取られ、「うわっ」と声を上げて手をついた仲間を見て、

「そこ、罠があるって看板立てといて」 「看板立てる材料、どっから持ってくるねん」 「そこは気合いで」

 笑い声が木々の間にこだまして、鳥たちがぱたぱたと飛び立つ。遠くから小川のせせらぎが聞こえ始めると、リトルさくやの足取りが軽くなった。


■川辺での贅沢ランチ

 ついに辿り着いた川辺は、まるで絵画のように美しかった。透明な水面がきらきらと陽光を反射し、対岸の木々が逆さまに映り込んでいる。

「うわー、水や!」 「こんなきれいな川、久しぶりやな」

 リトルたちは思い思いに川縁に座り込み、大きな葉っぱを皿代わりにして即席の食卓を作る。

「贅沢ランチの開始やで!」 「贅沢って、おにぎりとお茶だけやけどな」 「でも、このロケーションよ。五つ星レストラン並みや」

 川のせせらぎが天然のBGMとなり、風が頬を撫でていく。手を水に浸すと、指先に冷たい感触がじんと響いた。

「あー、極楽や」 「このまま昼寝したら気持ちよさそう」 「昼寝して、起きたらワニに囲まれてましたってオチは勘弁やで」 「縁起でもないこと言うな」

 平和な時間が川面に流れていく。


■黒い影の気配

 ふと水面に目をやると、対岸で何かが動いた。

 三角形の黒い影がぷかりと浮かび、またひとつ、もうひとつと現れる。

「え…」

 リトルさくやの手が、おにぎりを握ったまま宙で止まった。



#創作小説

#ファンタジー

#冒険の始まり

#旅の物語

#仲間との旅

#西ルート

#リトルさくや

#冒険ファンタジー

#動物との絆

#note小説


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ