第17話「攻撃魔法」
あれから1週間がたった。時折り子どもたちから魔法についての質問などを受けたが、自分なりに回答していた。正解かどうか分からないが赤ちゃんの頃から魔法を使ってきて、行動から得られた結果のみを真理として伝えていた。
最初に見せた攻撃魔法が衝撃だったのかもしれない。1週間で明らかに皆の魔力量に変化を感じる。6回出来ていたことが8回へ。土を柔らかくする範囲が1mだったのが1m50cmへ。微々たる違いだったが、成長を感じられることに子どもたちは魔法にハマり始めた。
(そうだろうそうだろう、魔法はトモダチだよ)
しかしながら、魔力総量の増え方に年齢で差が出始めていた。個人差はあるものの、小さい子の方が伸び幅が大きい。大きい子も伸びてはいるが幅が小さい。
(これは……魔力成長と身体成長に何か関連性を感じる。もしくは年齢か……魔力総量が多いに越したことはない。やはり僕も魔力成長法を続けなくては)
僕は子どもたちに魔力総量を上げてもらう間、攻撃魔法のついて研究を開始していた。
(あの時は飛ぶ練習中だったから思わず空気砲出したけど、攻撃魔法と言えばやっぱり火の矢とか岩をバヒューンて飛ばした方が強いよね?)
「魔法はイメージだからな、火の矢だ火の矢、フレイムアローだ!」
ボッ!ビューーン!!
(おー、思ったより上手くいった!イメージは大事だ……ん?)
「うお!燃えてる燃えてる!」
魔法が突き刺さったあたりの草が燃え始めた。
(魔法で消せばいいか、水の矢だ、水の矢をイメージ!行け!)
「ウォーターアロー!!」
ヒュン………ベチャ
(あれ?届かない。魔力を強めにもう一回)
「ウォーターアロー!!!!」
ビューン、ジュワーーー。
(おお、届いた。やっぱ水は苦手だ。出なくはないが、威力を出すのに魔力を余計に使う。魔力を効率よく使うには得意な魔法を使うべきだな)
(風の攻撃魔法と言えば切るイメージが強いけど……そういえば例の忍者は圧縮して玉にしたり、手裏剣にして飛ばしていた。あんなイメージで何か……)
「そうだ!栗リンのあの技が出来ないか!?」
(思い立ったらイメージだ。でもこれ“気“じゃないよな、魔法だから…魔円斬が良いな、エアカッターとかなんか言葉の響きが弱そうだし)
(薄く薄く、かつ回転……もっと回転……草刈機みたいに……)
キュイィィイーーーン
「魔 円 斬!!」
魔円斬は地面から1mくらいの高さを這うように、土煙を上げながら猛烈な勢いで狙いを定めた木へ向かっていった。