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聖女のやる事じゃない件について  作者: 無月公主


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40話【大混乱だな】

アビスは静かな憤りを秘めた表情で、側妃の前に立ちました。 彼女はアビスの洗脳下におかれ、その命令に従わざるを得ない状況にあった。


「さて、欲しい情報をいただくとしよう」と、アビスは冷たく告げました。


側妃はその言葉に素直に従い、淡々と話し始めました。 彼女は手の内の者たちの活動や裏切りの詳細を赤裸々に明かしました。 反コレットを排除するための計画や裏工作、そして王家に対する不穏な動きについても語りました。


アビスは冷静にその情報を受け止め、計画を練るためにそれらを吟味しました。


翌朝、アビスは待ち望んだ瞬間が訪れました。 自分の分身体から現在位置と記憶を受け取る時がやってきたのです。アビスは分身体との心の繋がりを感じました。 彼は深呼吸をして、分身体の心の扉を開く準備をしました。

アビスの意識は次第に自分の分身体の記憶と融合しました。 まるで精巧な時計の歯車が噛み合うように、彼の記憶と感覚が交わりました。


アビスはアメリアの存在を確かめると同時に、ノエル・クラリアスの置かれた状況を把握しました。 彼は心に深い満足感と同時に、懸念が湧き上がっていました。 この問題を解決しない限り、アメリアとの平和な暮らしは望めないと感じたのです。


早速アビスは側妃から得た情報を元に、王城内に潜む裏切り者たちを一掃する決意を固め、容赦なく行動を起こすことを決断しました。


まず、彼はメイドや執事、そして私兵を徹底的に調査しました。 忠誠心のない者や裏で暗躍している者を一掃するため、彼は新たな人材を採用しました。 彼らは厳正な審査を経て選ばれ、王城の安全を守るために役立つことを約束しました。


アビスの指示により、王城内は一変しました。


アビスの目の前には、解決すべき課題が山積みでした。 彼はノエル・クラリアスの問題だけでなく、ルティー王子の教育や新人たちの指導も心配でした。


アビスは深い考えに沈みながら、これからの行動を練りました。 彼は自分がアメリアの魅了の力に取り憑かれる前に、自分達の未来のためにやらねばならないことを考えていました。


メロウト王国の民衆に向けて、彼の決断を知らせるべく、半年後の婚約式の予定を中止し、婚約式を内々で執り行うことを告知しました。 この決定は多くの人々に衝撃を与えましたが、アビスは王国の未来を第一に考えてのものであると説明しました。


そして、アメリアを待たせることを決心したのです。 彼は彼女を5年後に迎えにいくことを決意しました。 この決断は彼の心を苦しめましたが、彼は王国とその民のために自らの感情を犠牲にする覚悟を持っていました。


アビスはアメリアの安全を最優先に考え、 メリアライト帝国において、アメリアが自分と彼女の父によって囲まれた生活を送るならば、彼は彼女を安心して預けることができると考えたのです。

彼はその場所が彼女にとって最も安全な場所であると信じて疑いませんでした。 彼女を愛するあまり、彼は自らの感情を抑え、冷静な判断を下すことに決意しました。 その選択は彼の心に深い悲しみをもたらしましたが、彼は彼女との未来と安全を第一に考え、そのために自らを犠牲にする覚悟を決して曲げませんでした。


その後、アビスは日々の忙しさの中で、唯一の楽しみを見出すようになりました。 それは、自分の分身体から定期的に受け取る記憶でした。


彼はその瞬間に、自分の身体とは別の場所で、アメリアや王国の様子を垣間見ることができるのです。 その瞬間には、彼の心に安らぎと喜びが広がります。 それは彼にとって、彼の使命と責任を果たす力の源泉であり、心の支えでした。


ルティー王子とティアンナ王女は、アビスの苦境を察し、心から彼を助けたいという思いに駆られました。 彼らは、自分たちができる限りのことをすることを決意しました。

二人の熱意と努力は誰もが感心するほどでした。

朝早くから晩まで、彼らは書物に埋もれ、学問に没頭しました。 時には眠ることさえ忘れ、夜遅くまで議論を重ね、解決策を模索しました。彼らは1日でも早く、アビスを王国から解放しようと努力しました。


一方、メリアライト帝国の宮殿では、アメリアが優雅な部屋に座っていました。 その部屋は花の香りに満ち、優美な調度品が飾られていました。


その時、扉が軽くノックされ、ノエルがドアを開けると、ペルシカが姿を現しました。 彼女は銀色の髪をなびかせ、穏やかで親しみやすい笑顔を浮かべていました。


『な、なんでペルシカさんがここに!?この人って確かアビスのお母さんだよね!?』


アメリアはペルシカの姿を見て、心の中では驚きを隠せませんでした。 彼女は立ち上がる事もなくきょとんとペルシカを見上げていました。


ペルシカは微笑みながらアメリアに近づき、「貴女、転生者?」 と尋ねました。


『えーーー!!!アビス!アビス!!きて!アビス!!』


アビスはアメリアの呼びかけに応じ、静かにその場に姿を現しました。 彼の存在はまるで影のように、どこからともなく現れたかのようでした。


ペルシカはアビスの姿を見つめ、驚きを隠せませんでしたが、すぐに穏やかな表情に戻りました。 アメリアが話せないことを知り、アビスが通訳役を買って出るのを喜んで受け入れました。


『どうして転生者ってわかったの?』


アビスは、少し面倒くさそうな表情で、ペルシカに向かって問いかけました。 「では、お尋ねしましょうか。どうしてアメリアが転生者であることを知ったのですか?」 彼の声は優雅で、しかし同時に疑問を抱いていることが伝わってきます。


「え? だって、ヤードがノエルさんの娘さんだって言ってたから、 ノエル・クラリアスってデンデンに出てくる攻略キャラクターでしょ? その娘って、聖女じゃない? その子が今ここにいるってことは、貴女も転生者でフラグが壊れたんじゃないかなって思ったんだよ。」 彼女の口調は当然のように、そして少し興奮した様子でした。


『どういう事ー!!!ノエルが私のお父さんなの!?何それーーー!!どうしてデンデン知ってるのー!!!』


近くに立っていたノエルは驚愕し、思わず口元に手を当ててしまいました。 アビスもまた驚いて目を見開いていました。 そして、少し気まずそうに、「アメリアはとても混乱しています。その、ノエルさんの娘さんだとかくしていたもので・・・。」 と説明しました。


ペルシカは「え!?な、なんかごめんなさい!! そっちにも事情があるよね。」 と、少し反省したような顔をしながら言いました。


アビスはアメリアが混乱しているので代わりに「そうですね。とりあえずアメリアはその… デンデンだとかいう物語の中の聖女で間違えありません、中身は転生者です。 寒空の下で捨てられて、拾われるはずの女性に拾われず、ノエルさんの老い爺様に拾われてしまい、今ここにいます。」 とアビスは簡潔に状況を説明しました。


ペルシカは「そうなんだ。でも、そっちの方が良いよね。 その物語の聖女様は確か国外追放されるか、自らの命を絶つかだもんね。」 と言うとノエルが酷く動揺してしまいます。


『何がどうなってるの!?アビスどういう事知ってたの!?』


アビスは、呆れたような溜息をついた。 手で頭を抱え、混乱の中で次に何をすべきかを考え込んでいた。 彼の目には、やり切れなさと不安が交錯していた。


混乱の中、ノエルはついにその身を支えきれず、倒れてしまった。 その瞬間、部屋には静寂が広がり、緊張感が一気に高まった。 三人は呆然とした表情で倒れたノエルの姿を見つめた。

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