そういうお前は何者だって?
あーあ、まったく女の友情ってのは醜いねえ。
え? 友情じゃない? こいつは友達でもなんでもないって? ひっひっひ。
そんで互いを罵り合って、貪り喰ってるわけだ。
いいねぇ、いいねぇ。あんたら、本当に似た者同士だよ。
そうやって永遠に傷つけ合って憎しみ合い、苦しみぬくといい。堕ちて堕ちて真っ黒になった魂は極上よぉ。ひっひっひ。
んん? なんだい?
いいとこなんだから邪魔しないでおくれよ。
ああ? 代金のことを書いてないのは詐欺だって?
そういうあんたは誰だっけ?
ああ、そうそう。思い出した。
嫌な上司を呪い殺したんだっけな?
で? 呪い殺した上司に延々と恨み言と説教食らう気分はどうだい?
え? こんなことなら呪い殺さない方がましだった?
ひっひっひ。いちゃもんつけてもらっちゃ困るねぇ、お客さん。
昔から言うだろう? 甘い話にゃ裏がある、タダより怖いものはないってな。
ああ、それともう一つ。人を呪わば穴二つってのもあるさね。
人を殺す呪いだぜ?
何の代償もないなんて、馬鹿な話があるわけない。分かってた筈だろ、あんたもよお。
おお、おお。鬼、悪魔ってか?
ひっひっひ。なかなか鋭いじゃあないか、あんた。
え? おまえは何者なんだって?
さあて、鬼、悪魔、天魔、妖、数えきれねえ呼び名があるながなあ。
なんだっていいだろう? ひっひっひ。
ああ、また誰かが来た。
本当に便利な世の中になったもんだ。
儀式も道具もいらねえ。
自宅や出先で何時でも何処でもちょちょいのちょいなんだからよ。
お陰で食いっぱぐれることがねえ。
で? あんたは誰が憎いんだい?
ああ? 娘を騙したあいつ?
おやおや、まあまあ。そいつはさぞ憎かろう。
現実は法だのなんだのややこしいからねえ。心配しなくていい。これでぜぇんぶ解決だあ。
そうそう。名前を入れて、『呪い殺す』を押すだけさ。
ひっひっひ。たったそれだけで憎いあいつを呪い殺せるんだ。
な、簡単だろう?
毎度ありぃ。
ああ、そこのあんた。
今これを見てるあんただよ、あんた。
人を殺したいほど呪ったことはあるかい?