第87話 初めての苦痛
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カフェでの逆ハーレムを楽しんだ私は、さっそくジャンヌの家に行く。
カフェでは大量のお菓子が余ったので、私が頂いて帰る事になったのだ。
一応、平民女子達にもそれとなく持って帰るか聞いたのだが、そんな恐れ多い事は出来ないと言われたのだ。
まぁ、私の貧乏性を目の当たりにして居たので、若干引いて居たのもあるかも知れない。
貴族は基本的に店で頼んだ物が残れば、そのまま残したままにして、店側が処分するのだが、私が持って帰りたいと言って、店側に直談判をした。
店側も持ち運び出来る様な物が無いと言ったので、じゃあ私がどうにかするわ!と言って影に隠れてから、倉の中から箱を取り出して仕舞ったのだ、もちろん箱はこんな事もあろうと作っていた。
本当は持ち運び用と言うよりは、蔵にしまう時に箱に入れたいと思って作った物だ。
これに食べ物やらなんやらを入れるつもりだったので、まぁ用途としては一応合っている。
アイパンバの屋台で買った食べ物は、蔵でどうなって居るんだろうと気になった時に、そもそも蔵の中って綺麗なのか?という疑問から密閉された物を作ろうとしたが、まぁ作って正解だった。
ちなみに蔵から取り出す時は、いつもセセリから手渡しでもらっている。
中は覗く事は出来ない、時間の進みが中では一瞬でも、外では飛んでも無い時間が流れてしまう。
頭は若くても、身体は歳老けてしまう事になる。
そんな中を自由に行き来出来るだけでも、セセリと言う生き物が超常的な存在だと思える。
まぁ、セセリは時間の影響を受けないらしいが。
貴族男子のみんなとは、カフェで解散している、着いて来たそうにしていた生徒も居たのだが、これ以上はくどいので、やんわりと断って置いた。
平民女子の中では、当然方向が同じ人も居るので、今はその子達とお喋りをしながら歩いていた。
そんな女子との楽しい会話も、家が近づくに連れて人数も減り、最後の生徒ともお別れをして、私はジャンヌの家に向かった。
ジャンヌの家は、生徒の中では一番遠くにあった様だ。
そしてそれは、一人になって歩いて直ぐだった。
後方より殺気を感じた私は、直ぐにその場から飛び退いた。
その場を確認すると、途轍も無く長い腕が手のひらにナイフを持って、私を斬り掛かって来たのだ。
その腕は伸縮自在で、骨も無いのだろうか?ウネウネと蛇の様な動きをしている。
腕の出どころは今の位置からだと、確認する事が出来ない。
そして腕の動きは早かった為に、今はもう腕は居なくなってしまった。
その為に、私は腕が引っ込んで行った方へと駆け出した。
だが腕の先を見に行っても、そこには何も居なかった。
敵の存在を探る為に、私は毎度お馴染みの目を飛ばして街中を確認する。
だが目を使う特性上、目を人の目から隠す事が難しい為に、遠目からの確認だ。
それでも壁などに隠れて居れば、直ぐに敵の位置は把握出来るだろう。
そして、敵の攻撃が魔法でも物理よりで、相性的にも勝てるだろうと、ふと考えが過ぎったのが行けなかったのかも知れない。
少なくとも油断をしなければ、この戦闘中だけでもそれは起こらなかった可能性はある。
ジャンヌの身体が、ここまで辛いとは思っても居なかった。
前世の私は正直そんな重たく無かったので、ここまでしんどい経験をした事が無かったのだ。
症状が重たい人が、よく会社を休むなんて聞いた事があったが、そんなんで会社休むんだと内心では思っていたぐらいだ。
だが、これは確かに休む!正直この場で立って居るだけでもしんどいし、今直ぐにこの場にしゃがみ込みたい。
だが、敵はそんな状況の私を待ってはくれない様で、私を再度攻撃して来た。
また後方からの攻撃だ、今の私は防御に専念するしか方法が無かったので、相手のナイフを弾き返すしか無い。
でも、そのナイフを弾く力も上手く入らない。
そして、敵の腕がまた引っ込んで、視界から消えてしまった。
今は、もう目も飛ばせない状況というか、幻術魔法自体使うのが難しい。
幻術魔法は魔力の消費が少ない分、繊細なイメージを必要とする為に、集中力が必要だ。
今は防戦一方となっても仕方が無い状態で、幻術魔法が使えないのでは、相手のことを考える事しか出来ない。
むしろ、考える事すらも億劫なのだが、それはグッと堪えて頑張るしかない。
セセリにはお菓子を届けて貰おうと思って、先にジャンヌの家に行ってもらって居る。
こんな事なら、最後まで私と一緒に居て貰うべきだったと反省する。
いや、今はそんな事を考えても仕方ないのだ。
まずはどうするかを考えなければ、自分の力を充分に出せないのが、これだけ大変だとは思っていなかった。
生理がこれ程に、私をネガティヴな状況に追い込むとは知らなかったとは言え、どうにかしなければ。
痛みで考えがまとまらない、もうこの場から動きたくない。
だが、そうだ!敵は待ってくれない!こうやってまた、私を攻撃して来るのだから。
私は一瞬思考がゆっくりとなり、集中力が完全に切れて居た。
敵からの攻撃を受け止める事は出来た物の、攻撃の衝撃までは受け流す事は出来ずに、吹っ飛ばされてしまう。
そこに敵は容赦なく攻撃を繰り出す。
蛇の様に攻撃を繰り出すその腕は、鞭の様にしなり、その勢いから一撃一撃が重たくなる。
私はそれをなんとか受け止めてはいる物の、正直言ってジリ貧の状況だ。
敵の攻撃も徐々に私の身体を傷つけていく。
だが、その傷により私の脳は覚醒し始める。
生理による痛みと、身体を傷つけられた痛みにより、私は少し冷静になって来たのだ。
それにより、生理の痛みが少し和らいだ様な気がした。
その時を無駄には出来ない、私は生理の痛みにより、本当に自分自身を見失って居た様だ。
初めて感じた痛みに我を忘れてしまうとは、まだまだ私もなかなかどうして、実に人間らしい部分があるでは無いか。
まずは、私はアドレナリンを分泌させる。
身体中の全てをコントロールする事は、私には可能なのだ。
そんな事も忘れて居たのだから、本当に我を忘れて居たのだろう。
アドレナリンの分泌により、私は痛みを感じなくなっていく。
それにより、幻術魔法の行使も可能になって来た。
まずは、自分の状態を元に戻す事が先決だ。
私は自分自身に幻術魔法を掛けて、生理の痛みを完全に取り除く。
ただ、幻術魔法を使って分かった。
魔力の巡りもどうやら悪い様だ、これは生理によって、完全に身体の調子が悪くなってしまっている様で、私の体内コントロール力を持ってしても上手く出来ない。
ただ、幸いにも生理の痛みだけは感じられない様になった。
感じられないだけで、完全不調が治るわけでも無いが、感じられない事が今は大事だ。
この不調の所為で、これ以上の幻術魔法の行使は無理そうだ。
生理の痛みを抑える事に全力を注ぎ込み、私はこの敵を剣術のみで倒す為に行動をする。
敵の手がまた私を襲って来る。
敵も私が非力に感じて、積極的に攻撃を仕掛けて来て居る様だ。
だが、非力なのは先程の私まで。
ステータスで底上げされた私の力は、非力と言うにはあまりにも程遠い。
先程と同じ力が伝わって来ると思った敵は、予想以上に腕が弾かれて焦った事だろう。
維持になって、私をしなる様な腕で攻撃を繰り出す。
だが、その攻撃は既に見切っている。
私は全ての攻撃を、寸前で交わして腕を切り裂く。
本当は切断しようと思っていたが、この敵の腕は相当硬い。
斬っても斬っても、薄皮一枚が切れているだけだろう。
それでも傷付いているのは事実だから、私は攻撃を繰り返す。
やがて敵も、このままでは不味いと思ったのだろうか、また同じ様に腕を引っ込め始めた。
その瞬間だ、敵の行動を読んでいた私は、敵の腕に乗っかって、敵の元へと案内して貰う事にした。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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