第20話 近隣全クリア! 初ランキング登録
―― 最終ダンジョン最深部 ――
最後のDランクダンジョン最深部に到着した。
広い洞窟のような空間の中央に、巨大なボスが待ち構えていた。
変異体大型ゴブリンキング。
鉄のような棍棒を握り、目が血走っている。
凛が解析の眼を最大限に発動した。
「弱点は首の付け根と膝関節です。
棍棒の攻撃範囲が広いので、注意してください」
俺はみんなに声を掛けた。
「これが最後のボスだ。
みんなで力を合わせて、絶対に倒す!」
花が剣を構えて笑顔で言った。
「うん! ここまで来たら絶対勝つよ!」
剛が盾を叩いて叫んだ。
「兄貴! 俺が全部受け止める! 好きに攻撃してくれ!」
凛が静かに頷いた。
「…みんなを守ります」
戦闘開始。
ゴブリンキングが棍棒を振り回し、強力な横薙ぎ攻撃を放つ。
剛が鉄壁の盾で正面から受け止める。
「うおおお! 来いよ!」
衝撃で剛の体が後ろにずれるが、踏ん張る。
花が軽やかステップで横に回り込み、流星剣を連続で放つ。
「はあっ!」
青い軌跡がゴブリンキングの膝を切り裂く。
凛が影の守護を展開し、全員にバリアを張った。
「…今です! 首の付け根が露出しています!」
俺は指揮の鼓動を最大に発動。
「花、膝を集中攻撃! 剛、耐えて! 凛、回復を剛に!」
ボスが咆哮を上げ、棍棒を地面に叩きつける。
全体攻撃の衝撃波が広がる。
俺は努力の結晶を限界まで回した。
息が上がる。汗が噴き出す。腕が痛い。
でも、諦めない。
「まだ……いける……!」
長時間動き続け、みんなを鼓舞しながら指示を飛ばす。
「みんな、今がチャンスだ!」
花が流星剣で膝をさらに深く切り裂き、剛が盾で突進を弾き返す。
凛が癒しの光で全員を回復し、影の守護を強化。
俺の最終指揮で全員の攻撃が集中した。
ゴブリンキングの首の付け根が砕け、巨大な体が崩れ落ちた。
【経験値獲得】
【レベルが17に上昇しました】
【努力の結晶 Lv4.2に上昇。共有効果1.5倍】
近隣の全ダンジョンが、ついにクリアされた。
―― ダンジョン出口、夕方 ――
出口で4人で息を整えた。
花が飛び跳ねて喜んだ。
「やったー! 全部クリア! 近隣ダンジョン完全制覇だよ!」
剛が盾を地面に立ててガッツポーズ。
「兄貴! 俺たち最強じゃん! ファミレス行こうぜ!」
凛が静かに、でも満面の笑みを浮かべて言った。
「…みんなと一緒だから、ここまで来れました。ありがとう」
俺はみんなの顔を見て、胸がいっぱいになった。
「このダンジョンたちは、俺たちの最初の試練だったな。
これで近隣は全部クリアだ」
スマホの探索者ギルドアプリを開くと、通知が来ていた。
【パーティー登録完了】
【近隣エリアランキング 78位】
4人で画面を見ながら歓声を上げた。
花が俺の手を軽く握って、頰を少し赤らめた。
「ケンタくん、ありがとう。これからも一緒にね」
その温かさが、胸に染みた。
剛が笑って言った。
「78位か! 次はもっと上だぜ!」
凛が静かに微笑んだ。
「…これが、俺たちのスタートですね」
俺はみんなを見て、力強く宣言した。
「うん。これが俺たちのスタートだ。
次は地域大会で、全国に名前を売ろう!」
4人で大きなハイタッチをした。
夕陽が差し込む出口で、笑い声が響いた。
―― 夜、自宅リビング ――
家に帰ると、ゆうたが飛びついてきた。
「兄ちゃん、全部クリアしたんだって!? ランキング78位!?」
俺はゆうたを抱き上げて笑った。
「ああ、みんなで勝ったよ」
母の恵子さんが優しく微笑んだ。
「健太、本当に頑張ったわね。
みんなと一緒に強くなって、よかった」
俺は家族の温かさに包まれながら、心の中で思った。
家族も、パーティーも、俺の大切なものだ。
この絆があれば、どこまでも行ける。
でも、俺たちの物語は、まだ始まったばかりだ。




